準耐火建築物(イ-1)とは|3分でわかる設計基準【木三共に必須】

防火規定

※令和元年の建築基準法改正にともない、記事を加筆・修正しました。

  • 『準耐火建築物(イ-1)』って何?
  • 木造3階建て共同住宅(木三共)の設計に必要?
  • 延焼ライン内の窓には防火設備がいる?

こんな疑問に答えます。

本記事では、準耐火建築物(イ-1)の用語の意味、設計の基準について解説。

「準耐火建築物(イ-1)による木造3階建て共同住宅(=木三共)」の設計においては必須の知識です。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けて得た建築基準法の知識を、できるだけわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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『準耐火建築物(イ-1)』とは

準耐火建築物(イ-1)_図解

『準耐火建築物(イ-1)』とは、建築基準法2条に定められた「準耐火建築物」の1種で、以下の基準を満たす建築物のことです。

  • 主要構造部:1時間準耐火基準に適合する準耐火構造であること
  • 延焼のおそれのある開口部:”建築基準法2条九の二号ロ”による防火設備であること

 

木三共(もくさんきょう)=木造3階建て共同住宅」の計画や「面積区画を設けたくない」という理由で、準耐火建築物(イ-1)の設計をするケースが多いかと。

 

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主要構造部:1時間準耐火基準に適合する準耐火構造

準耐火建築物(イ-1)は、主要構造部を”1時間準耐火以上の性能をもつ耐火被覆”で覆わなければいけません。

主要構造部建築物の部分のうち「①壁・②柱・③床・④はり・⑤屋根・⑥階段」の6つのことで、建築基準法2条の規定。

つまり、火災がおきてから1時間、主要構造部が倒壊したり、他の建築物に延焼したりしない性能を有しているわけですね。

 

”1時間準耐火基準に適合する準耐火構造”は、告示仕様か大臣認定仕様のいずれかを選択。

  1. 告示仕様:建築基準法における国土交通省告示第195号に適合すること
  2. 大臣認定仕様:耐火被覆の仕様ごとに、大臣の認定を受けているもの

 

1時間準耐火構造の告示仕様とは

1時間準耐火構造の告示仕様とする場合は、壁・柱など主要構造部の部位ごとに国土交通省告示第195号に定められた耐火被覆を施します。

 

国土交通省告示第195号の条文を見てみましょう。

国土交通省告示第195号

建築基準法施行令第112条第2項の規定に基づき1時間準耐火基準に適合する主要構造部の構造方法を定める件を次のように定める

一時間準耐火基準に適合する主要構造部の構造方法を定める件

以下省略

詳しくは、国土交通省ホームぺージの一時間準耐火基準に適合する主要構造部の構造方法を定める件(令和元年国土交通省告示第195号)をご確認ください。

 

1時間準耐火構造の大臣認定仕様とは

1時間準耐火構造の大臣認定仕様は、「QF060BE-1234」のように、それぞれの主要構造部ごと、仕様ごとに異なる認定番号が定められています。

大臣認定仕様ごとに”認定書”が発行されており、認定書に記載された仕様どおりに設計・施工しなければいけません。

 

準耐火構造の大臣認定仕様を検討するにあたって、”大臣認定番号の読み方”は以下のとおり。

 

延焼のおそれのある開口部:”建築基準法2条九の二号ロ”による防火設備

延焼のおそれのある部分(延焼ライン)は、建築基準法2条による規定。

建築基準法2条1項六号

延焼のおそれのある部分:

隣地境界線、道路中心線、同一敷地内の2以上の建築物(延べ面積の合計が500㎡以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線から、1階にあつては3m以下、2階以上にあつては5m以下の距離にある建築物の部分

 

”建築基準法2条九の二号ロ”に該当する防火設備を設計するときは、告示仕様大臣認定仕様のいずれかを選択。

  1. 告示仕様:建築基準法における建設省告示第1360号に適合すること
  2. 大臣認定仕様:各サッシの種別ごとに、防火設備として大臣認定を受けているもの

 

防火設備の『告示仕様』について

防火設備の告示仕様は、建築基準法における建設省告示第1360号で定められています。

たとえば、鋼製建具であれば0.8㎜以上の厚みを確保し、炎が入り込むようなすき間のないものを製作しなければなりません。

確認申請時には、告示の仕様を満たしているかどうかを確認します。建具の構造詳細図の添付が必要となるので、図面を作成しておきましょう。

 

建設省告示第1360号の条文は以下のとおり。

平成12年5月24日建設省告示第1360号

防火設備の構造方法を定める件

建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二ロの規定に基づき、防火設備の構造方法を次のように定める。

第一 建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百九条の二に定める技術的基準に適合する防火設備の構造方法は、次に定めるものとする。

〈中略〉

第二 第一に定めるもののほか、防火戸が枠又は他の防火設備と接する部分は、相じゃくりとし、又は定規縁若しくは戸当りを設ける等閉鎖した際にすき間が生じない構造とし、かつ、防火設備の取付金物は、取付部分が閉鎖した際に露出しないように取り付けなければならない。

条文をすべて掲載すると長くなってしまうので、一部を抜粋しています。必ず基本建築関係法令集 法令編 令和2年版で確認してください。

 

防火設備の『大臣認定仕様』について

防火設備の大臣認定仕様は、火災時に炎をさえぎる性能ごとに、「EA」「EB」「EC」という3つの種類があります。

3つの種別を整理した一覧表をご覧ください。

防火設備_大臣認定_一覧表

 

準耐火建築物(イ-1)には、表に記載されている「EB」もしくは「EA」の認定を受けた防火設備を使用します。

遮炎時間20分の防火設備は、サッシの種別ごとに「EB-1234」などの通し番号が割り振られているため、サッシメーカーのWebサイトやカタログで調べましょう。

確認申請の提出時には、設置する予定のサッシが”防火設備”かどうかを確認するために、大臣認定番号の表記がもとめられます。

 

まとめ

  • 準耐火建築物(イ-1)とは、以下の基準を満たす建築物。
    • 主要構造部:1時間準耐火基準に適合する準耐火構造
    • 延焼ライン内の開口部:”建築基準法2条九の二号ロ”による防火設備
  • ”1時間準耐火基準に適合する準耐火構造”は、告示仕様か大臣認定仕様のいずれかを選択。
    • 告示仕様:建築基準法における国土交通省告示第195号に適合
    • 大臣認定仕様:耐火被覆の仕様ごとに大臣の認定を受けているもの
  • 延焼ライン内の防火設備は、告示仕様か大臣認定仕様のいずれかを選択。
    • 告示仕様:建築基準法における建設省告示第1360号に適合
    • 大臣認定仕様:各サッシの種別ごとに大臣認定を受けているもの

”準耐火建築物”は、①イ-1・②イ-2・③ロ-1・④ロ-2の4種類。イ-1以外の基準が知りたい方は、準耐火建築物まとめ|『イ-1・イ-2・ロ-1・ロ-2』の基準を解説という記事をご確認ください。