【建築基準法改正】「耐火構造にすべき木造建築物」の基準が緩和

建築基準法改正
  • 建築基準法改正で、木造4階建ての建築物が建てやすくなる?
  • 耐火被覆だらけの仕様ではなく、木造を見せるような仕上げもできる?
  • 燃えしろ設計が可能な建物の規模が拡大したってホント?

こんな疑問に答えます。

本記事では、建築基準法21条(耐火構造としなければならない木造建築物)改正のポイントを解説します。

耐火性能に関する基準が見直され、木造で4階建てや軒高9mを超える建築物を、耐火構造以外で建築できるようになりました。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営。

1000件以上の設計相談を受けて得た建築基準法の知識を、できるだけわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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法21条改正:耐火構造とすべき木造建築物の規模が緩和

2019年6月25日施行の法改正によって、建築基準法21条が大幅に見直されました。

木造建築物等で、耐火建築物としなくてもよい建物の規模が変わっています。

変更内容をざっくりまとめると、以下のとおり。

 

✔ 改正のポイント①
高さ16mを超える木造建築物 or 階数4以上の木造建築物において、木材を「あらわし」で見せる構造が可能に。

 

✔️ 改正のポイント②
耐火構造としなくてもよい建築物の範囲が拡大。

改正前:高さ13m以下かつ軒高9m以下であれば耐火構造としなくてもOK

⇒ 改正後:下記のいずれかは、耐火構造としなくてもOK
・高さ16m以下かつ3階以下
・延焼防止に有効な空地の確保(建築物の高さ<空地の境界線までの距離であること)

 

出典:建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)について

 

改正前までは、木造で軒高9m・最高高さ12mを超えると、問答無用で耐火建築物としなければいけませんでした。

耐火建築物は、主要構造部に耐火被覆が必要であり、石膏ボードをペタペタと貼るような仕上げが必須。

木材がむき出しになる部分は全くないので、木で造られていることすら感じ取れない、和のテイストのない建物しか設計できない…。

 

今回の改正によって、一定の基準を満たした木造建築物であれば、4階建てであっても木材あらわしで設計することができるようになっています。

ここから、4階建て木造建築物に求められる防火性能について掘り下げていきましょう。

 

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4階建ての建築物を木材「あらわし」で設計可能に

4階建ての木造建築物などを耐火構造以外で設計する場合は、新しい基準である通常火災終了時間に基づく構造』が必要です。

通常火災終了時間とは、消火活動を行ったうえで、通常の火災が終了するまでに必要となる時間。

 

『通常火災終了時間に基づく構造』は、火災が終了するまでのあいだ、建築物が倒壊・延焼しないために、防火性能を総合的に高めた構造のことです。

『通常火災終了時間に基づく構造』は、通称『火災時倒壊防止構造』とも呼ばれます。

 

つまり、『通常火災終了時間までに倒壊しない建築物』であれば、主要構造部を耐火構造としなくてもよい、というわけですね。

 

新基準:通常火災終了時間まで倒壊しない建築物とは【一覧表】

『通常火災終了時間まで倒壊しない建築物』に求められる性能を、おおまかにまとめているのが以下の表です。

出典:建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)について

 

この表は、あくまでも基本的な考え方を示したもののため、具体的な仕様は、国土交通省告示第193号によって定められています。

建築:建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)について - 国土交通省
国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載しています。

告示193号の基準は、かなり難解で読みこむのに苦労するかと…。

 

法改正後の『建築基準法21条』を読んでみる

法改正後の建築基準法21条は、以下のとおり。

(大規模の建築物の主要構造部等)

第21条

次の各号のいずれかに該当する建築物{その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)の政令で定める部分の全部又は一部に木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたものに限る。}は、その主要構造部を通常火災終了時間(建築物の構造、建築設備及び用途に応じて通常の火災が消火の措置により終了するまでに通常要する時間をいう。)が経過するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために主要構造部に必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。ただし、その周囲に延焼防止上有効な空地で政令で定める技術的基準に適合するものを有する建築物については、この限りでない。

一 地階を除く階数が4以上である建築物
二 高さが16mを超える建築物
三 別表第一(い)欄(五)項又は(六)項に掲げる用途に供する特殊建築物で、高さが13mを超えるもの

以下省略

建築基準法の法文を”できれば読みたくない”という方は、最低でもプロのための建築法規ハンドブック 四訂版建築法規PRO2020 図解建築申請法規マニュアルといった図解が多い書籍を見て学びましょう。

 

まとめ

  • 2019年6月25日施行の法改正によって、建築基準法21条が大幅に見直し。
  • ✔ 改正のポイント①
    高さ16mを超える木造建築物 or 階数4以上の木造建築物において、木材を「あらわし」で見せる構造が可能に。
  • ✔️ 改正のポイント②
    耐火構造としなくてもよい建築物の範囲が拡大。
  • 4階建ての木造建築物などを耐火構造としない場合は、『通常火災終了時間に基づく構造』が必要。

 

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