準耐火建築物(イ-2)とは?3分でわかる設計基準【木造でもOK】

防火規定

※令和元年の建築基準法改正にともない、記事を加筆・修正しました。

  • 『準耐火建築物(イ-2)』ってなに?
  • 延焼ラインにかかる開口部に防火設備は必要?
  • 具体的にどんな設計基準を満たせば『準耐火建築物(イ-2)』とみなされる?

こんな疑問に答えます。

 

本記事では、準耐火建築物(イ-2)の建築基準法における設計基準について解説。

戸建住宅の設計でも必要となる基本的な知識なので、すべての建築設計者が知っておきべき情報かと。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営しています。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けて得た建築基準法の知識を、できる限りわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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『準耐火建築物(イ-2)』とは

準耐火建築物(イ-2)_図解

『準耐火建築物(イ-2)』とは、建築基準法2条に定められた「準耐火建築物」の1種で、以下の基準を満たす建築物。

  • 主要構造部:45分間準耐火基準に適合する準耐火構造であること
  • 延焼のおそれのある開口部:”建築基準法2条九の二号ロ”に該当する防火設備であること
  • 建築物の地上部分の層間変形角:1/150以内
層間変形角:地震などの横揺れを建築物が受けたとき、各階の床と真上または真下の床との、水平方向における変形角度

 

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主要構造部:45分間準耐火基準に適合する準耐火構造

『準耐火建築物(イ-2)は、主要構造部を”45分準耐火以上の性能をもつ耐火被覆”で覆わなければいけません。

主要構造部建築物の部分のうち「①壁・②柱・③床・④はり・⑤屋根・⑥階段」の6つのことで、建築基準法2条の規定。

つまり、”45分間準耐火基準”は火災がおきてから45分間、壁・柱・床などが倒壊したり、他の建築物に延焼したりしない性能を持つという意味ですね。

 

準耐火建築物(イ-2)_準耐火時間一覧表

「”45分間準耐火基準”に適合する準耐火構造」は、告示仕様か大臣認定仕様のいずれかを選択することになります。

  1. 告示仕様:建築基準法における建設省告示第1358号に適合すること
  2. 大臣認定仕様:耐火被覆の仕様ごとに、大臣の認定を受けているもの

 

45分間準耐火構造の「告示仕様」とは

45分間準耐火構造の告示仕様とする場合は、壁・柱など主要構造部の部位ごとに建設省告示第1358号にさだめられた耐火被覆を施します。

 

建設省告示第1358号の条文を見てみましょう。

準耐火構造の構造方法を定める件

(平成12年5月24日建設省告示1358号

建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第七号の二の規定に基づき、準耐火構造の構造方法を次のように定める。

-以下省略-

上記では条文の続きを省略していますが、このあと、各主要構造部の部位ごとに求められる仕様について具体的に書かれています。

確認申請を提出するときは各主要構造部の仕様が告示1358号における、どの基準を満たす耐火被覆かを明記。

告示第1358号の詳しい仕様は、建築基準法令集をご確認ください。

 

45分間準耐火構造の「大臣認定仕様」とは

45分間準耐火構造の大臣認定仕様は、「QF045BE-1234」のように、それぞれの主要構造部ごと、仕様ごとに異なる認定番号が定められています。

大臣認定仕様ごとに”認定書”が発行されており、認定書に記載された仕様どおりに設計・施工しなければなりません。

 

準耐火構造の大臣認定仕様は、たくさんのメーカーが認定を取得しており、多様な耐火被覆の製品の中から選択することになります。

そのため、準耐火構造の大臣認定仕様を検討するにあたって、”大臣認定番号の読み方”を理解しておきましょう。

 

延焼のおそれのある開口部:”建築基準法2条九の二号ロ”による防火設備

延焼のおそれのある部分(延焼ライン)という用語は、建築基準法2条にて定められています。

建築基準法2条1項六号

延焼のおそれのある部分:

隣地境界線、道路中心線、同一敷地内の二以上の建築物(延べ面積の合計が五百平方メートル以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線から、一階にあつては三メートル以下、二階以上にあつては五メートル以下の距離にある建築物の部分

 

「”建築基準法2条九の二号ロ”に該当する防火設備」を設計するときは、告示仕様か大臣認定仕様のいずれかを選択することになります。

  1. 告示仕様:建築基準法における建設省告示第 1360 号に適合すること
  2. 大臣認定仕様:各サッシの種別ごとに、防火設備として大臣認定を受けているもの

 

防火設備の「告示仕様」とは

防火設備の告示仕様は、建築基準法における建設省告示第1360号で定められています。

たとえば、鋼製建具であれば0.8㎜以上の厚みを確保し、炎が入り込むようなすき間のないものを製作しなければなりません。

確認申請時には、告示の仕様を満たしているかどうかを確認します。建具の構造詳細図の添付が必要となるので、図面を作成しておきましょう。

 

建設省告示第1360号の条文は以下のとおり。

防火設備の構造方法を定める件

(建設省告示第1360号)

建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二ロの規定に基づき、防火
設備の構造方法を次のように定める。

以下省略

 

防火設備の「大臣認定仕様」とは

防火設備の大臣認定仕様は、火災時に炎をさえぎる性能ごとに、「EA」「EB」「EC」という3つの種類があります。

3つの種別を整理した表をご覧ください。

防火設備_大臣認定_一覧表

 

準耐火建築物(イ-2)には、表に記載されている「EB」もしくは「EA」の認定を受けた防火設備を使用。

遮炎時間20分の防火設備は、サッシの種別ごとに「EB-1234」などの通し番号が割り振られているため、サッシメーカーのWebサイトやカタログで調べましょう。

確認申請の提出時には、設置する予定のサッシが”防火設備”かどうかを確認するために、大臣認定番号の表記がもとめられます。

 

まとめ

”準耐火建築物”は、①イ-1・②イ-2・③ロ-1・④ロ-2の4種類。イ-2以外の基準が知りたい方は、準耐火建築物まとめ|『イ-1・イ-2・ロ-1・ロ-2』の基準を解説という記事をご確認ください。

  • 準耐火建築物(イ-2)とは、以下の基準を満たす建築物。
    • 主要構造部:45分間準耐火基準に適合する準耐火構造
    • 延焼ライン内の開口部:”建築基準法2条九の二号ロ”による防火設備
    • 建築物の地上部分の層間変形角:1/150以内
  • ”45分間準耐火基準に適合する準耐火構造”は、告示か大臣認定仕様のいずれかを選択。
    • 告示仕様:建築基準法における国土交通省告示第1358号に適合
    • 大臣認定仕様:耐火被覆の仕様ごとに大臣の認定を受けているもの
  • 延焼ライン内の防火設備は、告示仕様か大臣認定仕様のいずれかを選択。
    • 告示仕様:建築基準法における建設省告示第1360号に適合
    • 大臣認定仕様:各サッシの種別ごとに大臣認定を受けているもの