準耐火建築物(ロ-1)とは?設計の基準を解説【鉄骨造の外壁耐火】

防火規定

※令和元年の建築基準法改正にともない、記事を加筆・修正しました。

  • 準耐火建築物(ロ-1)ってなに?
  • 延焼ライン内の窓は防火設備にすべき?
  • 鉄骨造で準耐火建築物(ロ-1)とすることは可能?

こんな疑問に答えます。

本記事では、準耐火建築物(ロ-1)を設計するために満たすべき基準を解説。

鉄骨造の設計をするときに準耐火(ロ-1)の知識があれば、計画の選択肢が広がるかと。

 

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住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けて得た建築基準法の知識を、できる限りわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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『準耐火建築物(ロ-1)』の設計基準とは

『準耐火建築物(ロ-1)』とは、建築基準法2条に定められた「準耐火建築物」の1種で、以下の2つの基準を満たす建築物。

  • 主要構造部:準耐火構造と同等の耐火性能をもつこと
  • 延焼のおそれのある開口部:”建築基準法2条九の二号ロ”に該当する防火設備であること

 

準耐火建築物(ロ-1)の基準について、図解化すると以下のとおり。

準耐火建築物(ロ-1)_図解

主に鉄骨造を建築するときに、準耐火ロ-1を採用することが多いかと。

 

準耐火建築物(ロ-1)_表

これから、準耐火建築物(ロ-1)の基準を解説していきますが、常に上記の図と表をイメージしながら読み進めてください。

 

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主要構造部:準耐火構造と同等の耐火性能をもつこと

準耐火建築物(ロ-1)の主要構造部には、”準耐火構造と同じレベルの耐火性能”が必要です。

”準耐火構造と同等の耐火性能”として、具体的に求められる仕様は以下のとおり。

  • 外壁:耐火構造
  • 屋根(延焼のおそれのある部分):準耐火構造など
  • 屋根(一般部分):不燃材料で造るか又はふく
主要構造部:建築物の①壁・②柱・③床・④はり・⑤屋根・⑥階段の6つの部分。
準耐火構造:火災がおきてから45分間、建物が倒壊したり、他の建築物に延焼したりしないように主要構造部に耐火被覆が施された構造のこと。

建築基準法では、施行令109条の3第1項一号に書かれています。

(主要構造部を準耐火構造とした建築物と同等の耐火性能を有する建築物の技術的基準)

第109条の3

法第2条第九号の三ロの政令で定める技術的基準は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。

一 外壁が耐火構造であり、かつ、屋根の構造が法第22条第1項に規定する構造であるほか、法第86条の4の場合を除き、屋根の延焼のおそれのある部分の構造が、当該部分に屋内において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間屋外に火炎を出す原因となるき裂その他の損傷を生じないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること。

 

建築基準法施行令109条の3に書かれている主要構造部の基準をまとめると、下表のとおり。

「 準耐火建築物(ロ-1)=外壁耐火 」と覚えましょう

準耐火建築物(ロ-1)は、「外壁耐火」とシンプルに考えると覚えやすいかと。

外壁を耐火構造でつくり、屋根を不燃材料などで仕上げれば、屋内は防火上の制限はなく「自由」というイメージがあるからです。

ちなみに準耐火建築物(ロ-2)は、「主要構造部不燃」と呼んでおり、”ロ-1”と”ロ-2”を区別しやすくしています。

 

延焼のおそれのある開口部:”建築基準法2条九の二号ロ”による防火設備

延焼のおそれのある部分(延焼ライン)という用語は、建築基準法2条にて定められています。

建築基準法2条1項六号

延焼のおそれのある部分:

隣地境界線、道路中心線、同一敷地内の二以上の建築物(延べ面積の合計が五百平方メートル以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線から、一階にあつては三メートル以下、二階以上にあつては五メートル以下の距離にある建築物の部分

 

「”建築基準法2条九の二号ロ”に該当する防火設備」を設計するときは、告示仕様か大臣認定仕様のいずれかを選択することになります。

  1. 告示仕様:建築基準法における建設省告示第 1360 号に適合すること
  2. 大臣認定仕様:各サッシの種別ごとに、防火設備として大臣認定を受けているもの

 

防火設備の「告示仕様」とは

防火設備の告示仕様は、建築基準法における建設省告示第1360号で定められています。

たとえば、鋼製建具であれば0.8㎜以上の厚みを確保し、炎が入り込むようなすき間のないものを製作しなければなりません。

確認申請時には、告示の仕様を満たしているかどうかを確認します。建具の構造詳細図の添付が必要となるので、図面を作成しておきましょう。

 

建設省告示第1360号の条文は以下のとおり。

防火設備の構造方法を定める件

(建設省告示第1360号)

建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第2条第九号の二ロの規定に基づき、防火
設備の構造方法を次のように定める。

以下省略

 

防火設備の「大臣認定仕様」とは

防火設備の大臣認定仕様は、火災時に炎をさえぎる性能ごとに、「EA」「EB」「EC」という3つの種類があります。

3つの種別を整理した表をご覧ください。

防火設備_大臣認定_一覧表

 

準耐火建築物(ロ-1)には、表に記載されている「EB」もしくは「EA」の認定を受けた防火設備を使用。

遮炎時間20分の防火設備は、サッシの種別ごとに「EB-1234」などの通し番号が割り振られているため、サッシメーカーのWebサイトやカタログで調べましょう。

確認申請の提出時には、設置する予定のサッシが”防火設備”かどうかを確認するために、大臣認定番号の表記がもとめられます。

 

まとめ

”準耐火建築物”は、①イ-1・②イ-2・③ロ-1・④ロ-2の4種類。イ-2以外の基準が知りたい方は、準耐火建築物まとめ|『イ-1・イ-2・ロ-1・ロ-2』の基準を解説という記事をご確認ください。

  • 『準耐火建築物(ロ-1)』とは、建以下の2つの基準を満たす建築物。
    • 主要構造部:準耐火構造と同等の耐火性能をもつこと
    • 延焼のおそれのある開口部:”建築基準法2条九の二号ロ”に該当する防火設備
  • ”準耐火構造と同等の耐火性能”として求められる仕様は以下のとおり。
    • 外壁:耐火構造
    • 屋根(延焼のおそれのある部分):準耐火構造など
    • 屋根(一般部分):不燃材料で造るか又はふく
  • 「”建築基準法2条九の二号ロ”に該当する防火設備」は、告示仕様か大臣認定仕様のいずれかを選択。
    • 告示仕様:建築基準法における建設省告示第 1360 号に適合すること
    • 大臣認定仕様:各サッシの種別ごとに、防火設備として大臣認定を受けているもの