準耐火建築物(ロ-2)とは?鉄骨造における耐火被覆の基準【図解】

防火規定

※令和元年の建築基準法改正にともない、記事を加筆・修正しました。

  • 準耐火建築物(ロ-2)ってなに?
  • 鉄骨造で設計するときの仕様がわからない…。
  • 延焼ライン内の窓は防火設備が必要?

こんな疑問に答えます。

本記事では、準耐火建築物(ロ-2)を設計するために満たすべき基準を解説。

鉄骨造で準耐火建築物を設計するとき、「ロ-2」は条件を満たしやすいので、考え方を理解しておけば計画の幅が広がります。

 

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『準耐火建築物(ロ-2)』とは

『準耐火建築物(ロ-2)』とは、建築基準法2条に定められた「準耐火建築物」の1種で、以下の2つの基準を満たす建築物のことです。

  • 主要構造部:不燃材料で造られており、”準耐火構造と同等の耐火性能(施行令109条の3)”をもつこと
  • 延焼のおそれのある開口部:”建築基準法2条九の二号ロ”に該当する防火設備であること

準耐火建築物(ロ-2)の基準について、図解すると以下のとおり。

 

準耐火建築物(ロ-2)_図解

 

準耐火建築物(ロ-2)_耐火被覆一覧表

準耐火建築物(ロ-2)は、主要構造部を不燃材料で造る必要があるので、鉄骨造の建物で採用されるケースが多いです。

木造では「主要構造部の不燃化」という条件が満たせないため、準耐火ロ-2は設計できませんね。

 

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主要構造部:準耐火構造と同等の耐火性能をもつこと

準耐火建築物(ロ-2)で主要構造部ごとに必要となる設計基準は、以下のとおり。

柱 ・ はり不燃材料
不燃材料および準不燃材料
外壁 (一般)不燃材料および準不燃材料
外壁 (延焼のおそれのある部分)耐火構造・準耐火構造または防火構造
床(2階以下)不燃材料および準不燃材料
床(3階以下)準耐火構造又平成12年告示第1368号に適合する構造
屋根•不燃材料で造るか又はふく
•準耐火構造(屋外に面する部分が準不燃 材料であるもの)
•耐火構造(屋外面に断熱材及び防水材を 張ったもので屋外面を準不燃材料で造り勾配 30 度以内のもの)
外壁の開口部(延焼のおそれのある部分)防火戸その他の防火設備を設ける
階段不燃材料および準不燃材料
主要構造部:建築物の①壁・②柱・③床・④はり・⑤屋根・⑥階段の6つの部分。

 

建築基準法では、施行令109条の3第1項二号に書かれています。

(主要構造部を準耐火構造とした建築物と同等の耐火性能を有する建築物の技術的基準)

第109条の3 

法第2条第九号の三ロの政令で定める技術的基準は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。

一 (省略)

二 主要構造部である柱及びはりが不燃材料で、その他の主要構造部が準不燃材料で造られ、外壁の延焼のおそれのある部分、屋根及び床が次に掲げる構造であること。

イ 外壁の延焼のおそれのある部分にあつては、防火構造としたもの

ロ 屋根にあつては、法第22条第1項に規定する構造としたもの

ハ 床にあつては、準不燃材料で造るほか、3階以上の階における床又はその直下の天井の構造を、これらに屋内において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後30分間構造耐力上支障のある変形、溶融、き裂その他の損傷を生じず、かつ、当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしたもの

 

「 準耐火建築物(ロ-2) = 主要構造部不燃 」と覚えましょう

個人的に、準耐火建築物(ロ-2)をひとことで「主要構造部不燃」と呼んでいます。

準耐火建築物(ロ-1)と準耐火建築物(ロ-2)は、どちらが、どんな基準だったか混乱しやすいですよね。

「準耐火建築物(ロ-2)=主要構造部不燃」「準耐火建築物(ロ-1)=外壁耐火」と省略すると覚えやすいと思います。

 

延焼のおそれのある開口部:”建築基準法2条九の二号ロ”による防火設備

延焼のおそれのある部分(延焼ライン)という用語は、建築基準法2条にて定められています。

建築基準法2条1項六号

延焼のおそれのある部分:

隣地境界線、道路中心線、同一敷地内の二以上の建築物(延べ面積の合計が五百平方メートル以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線から、一階にあつては三メートル以下、二階以上にあつては五メートル以下の距離にある建築物の部分

 

「”建築基準法2条九の二号ロ”に該当する防火設備」を設計するときは、告示仕様か大臣認定仕様のいずれかを選択することになります。

  1. 告示仕様:建築基準法における建設省告示第 1360 号に適合すること
  2. 大臣認定仕様:各サッシの種別ごとに、防火設備として大臣認定を受けているもの

 

防火設備の「告示仕様」とは

防火設備の告示仕様は、建築基準法における建設省告示第1360号で定められています。

たとえば、鋼製建具であれば0.8㎜以上の厚みを確保し、炎が入り込むようなすき間のないものを製作しなければなりません。

確認申請時には、告示の仕様を満たしているかどうかを確認します。建具の構造詳細図の添付が必要となるので、図面を作成しておきましょう。

 

建設省告示第1360号の条文は以下のとおり。

防火設備の構造方法を定める件

(建設省告示第1360号)

建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第2条第九号の二ロの規定に基づき、防火
設備の構造方法を次のように定める。

以下省略

 

防火設備の「大臣認定仕様」とは

防火設備の大臣認定仕様は、火災時に炎をさえぎる性能ごとに、「EA」「EB」「EC」という3つの種類があります。

3つの種別を整理した表をご覧ください。

防火設備_大臣認定_一覧表

 

準耐火建築物(ロ-2)には、表に記載されている「EB」もしくは「EA」の認定を受けた防火設備を使用。

遮炎時間20分の防火設備は、サッシの種別ごとに「EB-1234」などの通し番号が割り振られているため、サッシメーカーのWebサイトやカタログで調べましょう。

確認申請の提出時には、設置する予定のサッシが”防火設備”かどうかを確認するために、大臣認定番号の表記がもとめられます。

 

まとめ

  • 『準耐火建築物(ロ-2)』とは、以下の2つの基準を満たす建築物。
    • 主要構造部:不燃材料で造られており、”準耐火構造と同等の耐火性能”をもつこと
    • 延焼のおそれのある開口部:”建築基準法2条九の二号ロ”に該当する防火設備
  • 準耐火建築物(ロ-2)の主要構造部ごとの設計基準は、以下のとおり。
    • 柱 ・ はり:不燃材料
    • 壁:不燃材料および準不燃材料
    • 外壁 (一般):不燃材料および準不燃材料
    • 外壁 (延焼のおそれのある部分):耐火構造・準耐火構造または防火構造
    • 床(2階以下):不燃材料および準不燃材料
    • 床(3階以下):準耐火構造又平成12年告示第1368号に適合する構造
    • 屋根:
      • 不燃材料で造るか又はふく
      • 準耐火構造(屋外に面する部分が準不燃 材料であるもの)
      • 耐火構造(屋外面に断熱材及び防水材を 張ったもので屋外面を準不燃材料で造り勾配 30 度以内のもの)
    • 外壁の開口部(延焼のおそれのある部分):防火戸その他の防火設備を設ける
    • 階段:不燃材料および準不燃材料
  • 「”建築基準法2条九の二号ロ”に該当する防火設備」は、告示仕様か大臣認定仕様のいずれかを選択。
    • 告示仕様:建築基準法における建設省告示第 1360 号に適合
    • 大臣認定仕様:各サッシの種別ごとに防火設備として大臣認定