軒高とは|軒高さの求め方を解説【軒高7m・9m超の建物は要注意】

軒高 構造規定
  • 軒高(読み:のきだか)って何?
  • 軒の高さは建築物のどの部分で測る?
  • 建築基準法において、軒高が影響する規制を教えてほしい。

こんな疑問や要望に答えます。

 

本記事では、建築物の「軒高」について図をまじえながら、わかりやすく解説。

高さの測定位置や軒高を設計するうえで注意すべきポイントを理解することができます。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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軒高とは

「軒高」とは、建物の地盤面から軒桁(屋根を支える横架材)までの高さを指す建築用語です。

軒高とは2

建築基準法において、下記のように定義されています。

第二条 次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、当該各号に定めるところによる。

中略

七 軒の高さ

地盤面(第百三十条の十二第一号イの場合には、前面道路の路面の中心)から建築物の小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁、敷桁又は柱の上端までの高さによる。

軒高は建物の高さ制限や構造規定に用いられる重要な指標の一つ。

例えば、日当たりを考慮した住環境をまもるために、用途地域ごとに高さの制限(日影規制)が設けられており、軒高の数値が基準となっています。

日影規制:中高層建築物によって近隣の敷地に生じる日影を一定時間内に抑えて、近隣の日照を確保し、住環境を保護するための建築基準法上の規制。

詳しくは、日影規制とは|建築基準法による制限を図解【緩和方法も解説】の記事をご確認ください。

 

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軒高の求め方

軒の高さは、地盤面(平均地盤面)から以下のいずれかまでの高さを求めます。

  • 建築物の小屋組 or 横架材 (枠組壁工法の場合は頭つなぎ) を支持する壁
  • 敷げた
  • 柱の上端

片流れ屋根の場合は、原則として高い側の軒の位置を「軒高」とみなします。

ただし、 屋根が小屋組でつくられているものは、その小屋組を支持する壁、または柱の上端までを測定。

軒高_小屋組み・登り梁

木造の場合:屋根の下地までの高さ、または小屋組を支持する柱の上端まで

軒高_木造_洋小屋・京呂

軒高_木造_折置・枠組壁工法

鉄筋コンクリート造の場合:構造体のスラブ天端まで

鉄骨造の場合:梁天端まで

軒高_RC造・鉄骨造

 

軒高7m超の建築物にかかる規制【建築基準法】

建築基準法において、以下の用途地域に建築物をつくるとき、軒高が7mを超えると日影規制が適用されます。

  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 田園住居地域

例えば、第一種低層住居専用地域で、軒高が7mを超える場合、建物が北側隣地に対してどの程度の日影をつくるかによって、建築可能な高さが制限されます。

日影規制_不適合事例

特定の時間帯における日影の長さが規定の基準を超えないようにするためですね。

 

軒高9m超の木造建築物にかかる規制【建築基準法・建築士法】

軒高9mを超える木造建築物を設計するにあたって、注意すべきポイントをまとめました。

  • 構造計算適合性判定の有無
  • 二級建築士による設計の可否
  • 【補足】耐火建築物の要否

構造計算適合性判定の有無

木造の建築物で高さ13mまたは軒高9mを超える建築物をつくる場合、構造計算適合性判定を受けなければいけません。

構造計算適合性判定:建築確認申請に添付される構造計算が建築基準法等に適合しているかどうか、建築主事等が行う審査に加えて、第三者機関が審査する制度。

つまり、木造の設計において軒の高さが9mを超えると、構造計算の難易度も上がり、確認申請も簡単には通らないと覚えておきましょう。

 

二級建築士による設計の可否

二級建築士は「木造の軒高9mを超える建築物」は設計・工事監理ができません。

これは建築士法のよる制限。

建築士法において、高さ13mもしくは軒高9mを超える木造建築物は「一級建築士でなければ設計・工事監理してはならない」と規定されています。

 

【補足】耐火建築物の要否について

2019年6月末までは、最高高さが13mを超える、もしくは軒高が9mを超える建築物は、耐火建築物にする必要がありました。

しかし、改正により軒高の制限が解除され、最高高さ16m以下であれば、耐火建築物以外でも設計できるようになっています。

 

軒高に関するQ&A

軒高について、よくある質問をまとめました。

  • 2階建て、3階建ての建築物の軒高平均どのくらい?
  • 軒高は水下と水上どちらで測るべき?

 

2階建て、3階建ての建築物の軒高は平均どのくらい?

小規模な建築物の軒高は、以下の数値で設計されることが多いです。

  • 2階建ての建築物:軒高6〜7m
  • 3階建ての建築物:軒高8〜9m

 

軒高は水下と水上どちらで測るべき?

片流れ屋根の場合は、水上側の軒高を測定します。

屋根が小屋組で形成されている場合は、それを支持する壁または柱の上端までを測りましょう。

  • 水上(読み:みずかみ):屋根の最も高い部分
  • 水下(読み:みずしも):屋根の最も低い部分

軒高_小屋組み・登り梁

 

軒高について建築基準法を読む

建築基準法において「軒の高さ」という用語は、第2条に定義されています。

「建築基準法を読みたくない」という方は、建築法規PRO2024 図解建築申請法規マニュアル建築申請memo2024といった書籍で、図や表を見て理解を深めていきましょう。

第二条 次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、当該各号に定めるところによる。

中略

七 軒の高さ

地盤面(第百三十条の十二第一号イの場合には、前面道路の路面の中心)から建築物の小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁、敷桁又は柱の上端までの高さによる。

 

軒高が関係する建築士法を読む

(一級建築士でなければできない設計又は工事監理)

第三条 左の各号に掲げる建築物(建築基準法第八十五条第一項又は第二項に規定する応急仮設建築物を除く。以下この章中同様とする。)を新築する場合においては、一級建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない。

一 中略

二 木造の建築物又は建築物の部分で、高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルを超えるもの

以下省略

 

まとめ

  • 軒高とは、地盤面から軒桁(屋根を支える横架材)までの高さ。
  • 軒の高さは、地盤面から以下のいずれかまでの高さを求める。
    • 建築物の小屋組 or 横架材 (枠組壁工法の場合は頭つなぎ) を支持する壁
    • 敷げた
    • 柱の上端
  • 以下の用途地域に軒高7m超の建築物をつくるとき、日影規制の対象。
    • 第一種低層住居専用地域
    • 第二種低層住居専用地域
    • 田園住居地域
  • 軒高9mを超える木造建築物にかかる規制は以下のとおり。
    • 確認申請において構造計算適合性判定が必要
    • 二級建築士による設計が不可

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