軒高とは|軒高さの求め方を解説【軒高7m・9m超の建物は要注意】

軒高 構造規定

※令和7年4月1日の建築基準法改正に伴い、記事を加筆修正しました。

  • 軒高(読み:のきだか)って何?
  • 軒の高さは建築物のどの部分で測る?
  • 建築基準法において、軒高が影響する規制を教えてほしい。

こんな疑問や要望に答えます。

 

本記事では、建築物の「軒高」について図をまじえながら、わかりやすく解説。

高さの測定位置や軒高を設計するうえで注意すべきポイントを理解することができます。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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軒高とは

「軒高」とは、建物の地盤面から軒桁(屋根を支える横架材)までの高さを指す建築用語です。

軒高とは2

建築基準法において、下記のように定義されています。

第二条 次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、当該各号に定めるところによる。

中略

七 軒の高さ

地盤面(第百三十条の十二第一号イの場合には、前面道路の路面の中心)から建築物の小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁、敷桁又は柱の上端までの高さによる。

軒高は建物の高さ制限や構造規定に用いられる重要な指標の一つ。

例えば、日当たりを考慮した住環境をまもるために、用途地域ごとに高さの制限(日影規制)が設けられており、軒高の数値が基準となっています。

日影規制:中高層建築物によって近隣の敷地に生じる日影を一定時間内に抑えて、近隣の日照を確保し、住環境を保護するための建築基準法上の規制。

詳しくは、日影規制とは|建築基準法による制限を図解【緩和方法も解説】の記事をご確認ください。

 

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軒高の求め方

軒の高さは、地盤面(平均地盤面)から以下のいずれかまでの高さを求めます。

  • 建築物の小屋組 or 横架材 (枠組壁工法の場合は頭つなぎ) を支持する壁
  • 敷桁(しきげた)
  • 柱の上端

片流れ屋根の場合は、原則として高い側の軒の位置を「軒高」とみなします。

ただし、 屋根が小屋組でつくられているものは、その小屋組を支持する壁、または柱の上端までを測定。

軒高_小屋組み・登り梁

木造の場合:屋根の下地までの高さ、または小屋組を支持する柱の上端まで

軒高_木造_洋小屋・京呂

軒高_木造_折置・枠組壁工法

鉄筋コンクリート造の場合:構造体のスラブ天端まで

鉄骨造の場合:梁天端まで

軒高_RC造・鉄骨造

 

軒高7m超の建築物にかかる規制【建築基準法】

建築基準法において、以下の用途地域に建築物をつくるとき、軒高が7mを超えると日影規制が適用されます。

  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 田園住居地域

例えば、第一種低層住居専用地域で、軒高が7mを超える場合、建物が北側隣地に対してどの程度の日影をつくるかによって、建築可能な高さが制限されます。

日影規制_不適合事例

特定の時間帯における日影の長さが規定の基準を超えないようにするためですね。

 

軒高9m超の木造建築物にかかる規制【構造計算が必須】

木造の建築物で高さ13mまたは軒高9mを超える場合、構造計算(許容応力度計算等)を行うことが義務づけられています(建築基準法第20条第1項第3号)。

いわゆる「壁量計算(仕様規定)」だけでは不可となるため、構造設計の手間やコストが増えますね。

 

軒高に関するQ&A

軒高について、よくある質問をまとめました。

  • 2階建て、3階建ての建築物の軒高平均どのくらい?
  • 軒高は水下と水上どちらで測るべき?
  • 軒高9mを超えると「構造計算適合性判定(適判)」が必要?

 

2階建て、3階建ての建築物の軒高は平均どのくらい?

小規模な建築物の軒高は、以下の数値で設計されることが多いです。

  • 2階建ての建築物:軒高6〜7m
  • 3階建ての建築物:軒高8〜9m

 

軒高は水下と水上どちらで測るべき?

片流れ屋根の場合は、水上側の軒高を測定します。

屋根が小屋組で形成されている場合は、それを支持する壁または柱の上端までを測りましょう。

  • 水上(読み:みずかみ):屋根の最も高い部分
  • 水下(読み:みずしも):屋根の最も低い部分

軒高_小屋組み・登り梁

 

軒高9mを超えると「構造計算適合性判定(適判)」が必要?

軒高が9mを超えたとしても、直ちに構造計算適合性判定(適判)の対象となるわけではありません。

構造計算適合性判定が必要なケース

  • 高さが16mを超える場合
  • 階数が4以上の場合
  • 許容応力度計算(ルート1)ではなく、保有水平耐力計算(ルート3)など高度な計算を行った場合

軒高が9m超であっても、標準的な「許容応力度計算(ルート1)」で安全性を確かめる場合は、確認申請において指定確認検査機関による審査のみで済むケースが一般的です。

 

【参考】改正前の旧規定

法改正により現在は撤廃・緩和されている規定ですが、既存建築物の増改築や調査の際に必要となる知識をまとめました。

 【旧】二級建築士の業務範囲制限(建築士法)

2025年(令和7年)の法改正前までは、以下の基準を超える木造建築物は「一級建築士」でなければ設計・監理ができませんでした。

  • 高さが13mを超える
  • 軒高が9mを超える

現在は法改正により、高さ16m以下(かつ3階以下)であれば、軒高に関わらず二級建築士でも業務が可能になっています。

 

 【旧】 耐火建築物の要否(大規模木造の制限)

2019年(令和元年)6月24日以前までは、以下の基準を超える木造建築物は、原則として「耐火建築物」等にする必要がありました。

  • 高さが13mを超える
  • 軒高が9mを超える

2019年6月25日施行の法改正により、この制限は「高さ16mを超える」または「階数が4以上」の場合に変更されました。

 

軒高について建築基準法を読む

建築基準法において「軒の高さ」という用語は、第2条に定義されています。

「建築基準法を読みたくない」という方は、建築法規PRO2026 図解建築申請法規マニュアル建築申請memo2026といった書籍で、図や表を見て理解を深めていきましょう。

第二条 次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、当該各号に定めるところによる。

中略

七 軒の高さ

地盤面(第百三十条の十二第一号イの場合には、前面道路の路面の中心)から建築物の小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁、敷桁又は柱の上端までの高さによる。

 

まとめ

  • 軒高とは、地盤面から軒桁(屋根を支える横架材)までの高さ。
  • 軒の高さは、地盤面から以下のいずれかまでの高さを求める。
    • 建築物の小屋組 or 横架材 (枠組壁工法の場合は頭つなぎ) を支持する壁
    • 敷桁(しきげた)
    • 柱の上端
  • 以下の用途地域に軒高7m超の建築物をつくるとき、日影規制の対象。
    • 第一種低層住居専用地域
    • 第二種低層住居専用地域
    • 田園住居地域
  • 軒高9mを超える木造建築物にかかる規制は以下のとおり。
    • 構造計算(許容応力度計算等)が義務

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