『建築主事』とは|特定行政庁における権限・必要資格を解説

建築主事建築基準法まとめ
  • 建築主事って、どんな権限がある?
  • 建築基準法における「建築主事」の定義が知りたい。
  • 建築主事になるためには、どんな資格が必要?

こんな疑問に答えます。

 

本記事では、建築基準法に定められた『建築主事(けんちくしゅじ)』という用語の定義を解説。

建築設計に携わるなかで、特定行政庁との協議の際、建築主事と話す機会があるかもしれません。

建築確認申請を担当する設計者にとって、知らないと恥ずかしい用語なので、建築主事のおおまかな業務や権限を理解しておきましょう。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで、1000件以上の設計相談を受けて得た建築基準法の知識をわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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建築主事とは【建築確認や中間・完了検査などを行う公務員】

『建築主事』とは、地方公共団体(都道府県・市町村など)に所属し、建築確認や中間・完了検査などを行う公務員のことです。

略して主事(しゅじ)と呼ぶ方も。

国土交通大臣が実施する「建築基準適合判定資格者検定」に合格し、市町村または都道府県知事が任命した職員が建築主事となります。

 

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建築主事が所属する行政機関とは【特定行政庁】

建築主事は、特定行政庁に設置されます。

例えば、特定行政庁である東京都や大阪府など、各都道府県庁に建築主事が置かれています。

さらに、人口25万人以上で特定行政庁となる市町村にも設置しなければなりません。

 

特定行政庁のある行政機関

  1. 人口25万人以上の市の長(⇒義務設置の市)
  2. 任意で建築主事を置く市町村の長(⇒任意設置の市町村)
  3. 限定的な権限をもつ建築主事を置く市町村の長(⇒限定特定行政庁)
  4. 特別区の長(⇒東京都23区)
  5. 上記①〜④以外の区域における都道府県知事

「特定行政庁」の定義について詳しい内容が知りたい方は、『特定行政庁』とは|建築基準法の用語をわかりやすく解説という記事をご確認ください。

 

建築主事になるために必要な資格とは【建築基準適合判定資格】

建築主事に任命されるために必要な資格は、『建築基準適合判定資格者』です。

1年に一度、国土交通大臣が行う検定に合格すれば『建築基準適合判定資格者』と認められ、建築確認や完了検査などの業務につくことが可能。

 

ちなみに、建築基準適合判定資格者の検定を受験するためには、以下の条件があります。

  • 一級建築士
  • 建築行政または、確認検査機関での実務経験が2年以上

つまり、建築主事は必ず一級建築士の資格も保有しているわけですね。

 

建築主事を目指したいという方は、以下のプロセスを踏むことになります。

  1. 特定行政庁の職員となる
  2. 一級建築士試験に合格
  3. 建築基準適合判定資格者検定に合格
  4. 都道府県知事または市町村長から建築主事に任命される

建築主事は、建築法規に関するプロ中のプロなので、かなり高いハードルが設けられていますね。

 

確認検査機関に建築主事はいません【建築主事と確認検査員の違い】

指定確認検査機関に建築主事はいません。

ここまで記事を読めばわかると思いますが、建築主事は都道府県庁や市役所など行政機関の職員しかなれないからですね。

 

確認検査機関で検査を担当する職員は、「確認検査員」と呼ばれます。

  • 特定行政庁:建築主事
  • 指定確認検査機関:確認検査員

名称が違うだけで建築確認という業務においては、検査する内容や権限は変わりません。

 

確認検査員も「建築基準適合判定資格者」の検定に合格していますし、検定を受けるための条件として一級建築士資格が必要。

どちらも確認検査をおこなって「確認済証や検査済証を発行することができる」という点は同じです。

 

『建築主事』について建築基準法を読んでみる

「建築主事」という用語の定義は、建築基準法4条に定められています。

基本建築関係法令集 法令編 令和2年版を読みたくない」という方は、建築法規PRO2020 図解建築申請法規マニュアル建築申請memo2020といった書籍で、概要をつかむのがおすすめです。

第4条

政令で指定する人口25万以上の市は、その長の指揮監督の下に、第6条第1項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。

2 市町村(前項の市を除く。)は、その長の指揮監督の下に、第6条第1項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置くことができる。

3 市町村は、前項の規定により建築主事を置こうとする場合においては、あらかじめ、その設置について、都道府県知事に協議しなければならない。

4 市町村が前項の規定により協議して建築主事を置くときは、当該市町村の長は、建築主事が置かれる日の30日前までにその旨を公示し、かつ、これを都道府県知事に通知しなければならない。

5 都道府県は、都道府県知事の指揮監督の下に、第一項又は第二項の規定によつて建築主事を置いた市町村(第97条の2を除き、以下「建築主事を置く市町村」という。)の区域外における建築物に係る第6条第1項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。

6 第1項、第2項及び前項の建築主事は、市町村又は都道府県の職員で第77条の58第1項の登録を受けた者のうちから、それぞれ市町村の長又は都道府県知事が命ずる。

7 特定行政庁は、その所轄区域を分けて、その区域を所管する建築主事を指定することができる。

 

まとめ

  • 『建築主事』は、地方公共団体に所属し、建築確認や中間・完了検査などを行う公務員。
  • 建築主事は、特定行政庁にいる。
  • 建築主事に必要な資格は『建築基準適合判定資格者』。
  • 建築基準適合判定資格者の検定の受験資格は以下のとおり。
    • 一級建築士
    • 建築行政または、確認検査機関での実務経験が2年以上
  • 指定確認検査機関に建築主事はいない。
  • 確認検査機関で建築確認や完了検査をおこなうのは「確認検査員」。
    • 特定行政庁:建築主事
    • 指定確認検査機関:確認検査員

 

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