採光計算における『二室一室』をわかりやすく図解【三室一室はNG】

建築基準法まとめ
  • 居室採光計算で、二室を一室とみなす基準を教えてほしい。
  • 間取りが変則的で、あまり光が入らないけど、二室共通とみなせる?
  • 建築基準法において「二室一室」は、どう書かれている?

こんな疑問に答えます。

 

本記事では、「採光上の二室一室にしついっしつとみなすための基準」や、「変則的な部屋の配置での採光の考え方」について解説します。

居室の採光を検討するときに、2つの部屋を1つ(=二室一室)とみなす設計方法がわかるとプランの幅は広がります。

例えば、居室の採光が必須の住宅の設計において有益な情報かと。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営しています。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けて得た建築基準法の知識を、できるだけわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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採光における二室一室(二室共通)とは

採光の『二室一室(二室共通)』とは、2つの居室が引き戸でつながっていて、開け放つと一つの居室として利用できる空間のことです。

図解すると、以下のようなイメージ。

 

建築基準法施行令において、「令111条」「令116条の2」に以下の文章で書かれています。

(窓その他の開口部を有しない居室等)

建築基準法施行令 第116条の2

法第35条(法第87条第3項において準用する場合を含む。第127条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。

一 面積(第20条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の1/20以上のもの

二 中略

2 ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前項の規定の適用については、一室とみなす。

でも、建築基準法の文章だけだと、どの程度の幅の建具であれば二室を一室とみなせるのか、具体的な基準がわかりませんよね。

 

そこで、次に確認すべきなのが、各都市ごとに定められている建築基準法の取り扱いです。

『採光上の二室一室の基準』は、地域ごとの解釈の違いはあまりなく、下図が一般的。

採光計算_二室一室の基準

✔採光における二室一室の基準

上図における、W(建具幅)≧A(居室の間口)÷ 2

 

例えば、戸建て住宅で、LDKと一体となった和室は二室一室とみなせることが多いです。

和室を介してLDKに採光を取りいれるイメージ。

LDKに直接、窓を設けることができないときは、他の室を介して採光をとれないか検討してみてください。

 

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【商業地域・近隣商業地域のみで使える】採光の緩和基準(告示303号)

あまり知られていないのですが、商業地域と近隣商業地域に限った採光の二室一室の緩和があります。

採光計算_商業地域緩和

オフィスビルを共同住宅に改修するなど用途変更で役立つ緩和ですね。

 

都市部で空きオフィスが増えているため、事務所用途を住宅用途に転用する動きが目立っています。

そこで問題となるのが、住宅用途の居室は採光に有効な窓の確保が必須という点。

事務所のまま利用してれば、居室に採光が取れなくてもなんとかなりますが、住宅用途に変更すると採光が必須となるので、転用できないケースがあります。

 

商業系の用途地域で住宅用途の建物を設計するときには、ぜひ活用してみてください。

✔ 商業地域での採光の緩和基準

上図における、b≧B/7かつ、a×採光補正係数≧(A+B)/7

 

よくある質問:変則的な間取りでの採光二室一室

以下の図のように、2つの居室がL型に配置されている場合、採光上の二室一室とみなせるでしょうか?

奥にある部屋には日光が入らない感じがします…。少し暗いかも。

ただ、上記の間取りであっても、二室の間にある建具が“居室の間口1/2以上の開口幅”を満たしていれば、採光における「二室一室」は適用可能と考えています。

間取りが変形していて、直射日光が奥の部屋に入らなかったとしても、健康を害するほど暗い空間にはならないはず。

間接的な光は射し込みますよね。

 

建築基準法における採光の規定は、居住者の健康を害さないための最低限の基準なので、法的に不適合とまでは言えないと思います。

そうは言っても、確認検査機関によっては考え方が違う可能性もあるので、設計者としての判断を持った上で、事前に協議しておくのがベターです。

 

採光の計算を『三室一室』で検討できる?【できません】

Q . 採光の計算において、三室を一室とみなすことは可能でしょうか?
A . 『三室一室』で採光を検討するのは不可です。

 

NGとなる三室一室のイメージは以下のとおり。

 

建築基準法の文章のなかでは「ふすま・障子などで仕切られた二室は一室とみなす」と書かれています。

つまり、「二室を一室~」としか書かれていない以上、どれだけ拡大解釈したとしても三室を一室とは考えられないということ。

三室がつらなった部屋を一体で採光計算するのは不可、ということを覚えておきましょう。

 

まとめ

  • 採光の『二室一室(二室共通)』とは、2つの居室が引き戸でつながり、開け放つと一つの居室として利用できる部屋のこと。
  • 採光における二室一室の基準
    • W(建具幅)≧A(居室の間口)÷ 2
  • 商業地域・近隣商業地域のみで使える採光の緩和基準
    • b≧B/7 かつ、a×採光補正係数≧(A+B)/7
  • 採光において三室を一室とみなして検討することはNG。

 

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