ティグ(TIG)溶接とは|資格・作業のコツ・溶接機の仕組みを解説

TIG(ティグ)溶接とは 構造規定
  • ティグ(TIG)溶接って何?
  • 作業をするためにどんな資格が必要?
  • アーク溶接とは違う?

こんな疑問や要望に答えます。

 

本記事では、ティグ(TIG)溶接についてわかりやすく解説。

記事を読むことで溶接の仕組み、溶接の条件、作業手順などの基礎知識を身につけることができます。

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住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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ティグ(TIG)溶接とは

ティグ(TIG)溶接とは

ティグ(TIG)溶接はタングステン電極を使って金属を溶かし、必要に応じて溶加材を加え、金属を接合するアーク溶接法の一種です。

  • 溶加材(ようかざい):溶接中に付加される材料。 フィラーメタルとも呼ばれる。
  • タングステン:銀灰色の外観をした金属の一種。

仕上がりが美しく、様々な金属に対応でき、安全性が高いというのが特徴。

ただし、溶接スピードが遅い、風の影響を受けやすいというデメリットもありますね。

以下の材料でつくられた一般製品、半導体製造装置、ロケットなど幅広い分野で利用されています。

  • 炭素
  • ステンレス
  • アルミ
  • チタン
  • マグネシウム

 

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ティグ(TIG)溶接の仕組み

ティグ(TIG)溶接は、融点が高く溶融しないタングステン電極と母材との間に溶接用の熱源となるアークを発生させます。

このアークで溶かした金属に不活性ガス(アルゴンガスなど)を送ることで保護。

不活性ガス(ふかっせいガス):他の物質と反応を起こさない化学的に安定したガスのこと。

電極は母材と異なる材料となるため、アークの発生に電極と母材を短絡させる方法は使えません。電極と母材の間に高周波を発生させて溶接を行います。

 

ティグ(TIG)溶接に必要な資格

ティグ(TIG)溶接を業務として行うには、「アーク溶接等の業務に係る特別教育」の受講が法律で定められています。

この講習を受けていないと法律違反。

アーク溶接の基礎、および安全作業を中心に学科11時間、実技10時間以上の授業です。

最後に学科試験と実技試験がありますね。

過去問題を一通り勉強すれば学科試験はわりと簡単に合格できるはず。ただし、実技試験は一定の難易度があり、実際の作業に慣れておく必要があるでしょう。

より専門的な技術を証明するために、求められる資格は以下のとおり。

  • 手溶接技術者
  • ステンレス鋼溶接技能者

さらに、TIG溶接の技量を証明するためには、日本溶接協会(JWES)が主催する「溶接技能者」資格のうち、以下のパイプ資格の取得が推奨されています。

  • T-1P
  • TN-p

 

ティグ(TIG)溶接のコツ

ティグ(TIG)溶接について、「準備」と「作業」に分けて、それぞれの手順とコツを解説します。

溶接機の準備

  1. 保護具をつけ溶接機を準備し、直流または交流にセット。
  2. アルゴンを7リットル/分 程度に設定。
  3. タングステンをガスノズルから約5mm出るように設定。
  4. 溶接電流を75A程度に設定。

溶接作業の手順とコツ

  1. ガスノズルを母材面に付け、タングステン電極の先端を母材表面から約1.5㎜浮かせた状態に保つ。
  2. ヘルメットを下げ、作業範囲が広く取れるように姿勢を整える。
  3. トーチスイッチを押して、アークを発生させる。
  4. ゆっくりとトーチを起こし、ガスノズルを母材面から少し離す。
  5. 両母材が均一に溶ける様子を観察するために、溶接トーチを進行方向に約10°傾けて保つ。
  6. アーク発生位置から溶接開始位置まで戻る。
  7. 溶接開始位置で7㎜程度の溶融池が形成されるまでアークを保つ。この大きさを一定に溶接を進める。
  8. 溶接の終端に達したら、トーチスイッチから手を離しアークを切る。
  9. アーク停止後もシールドガスが出ているため、終端部が冷えて暗くなるまで保持する。

 

ティグ(TIG)溶接とアーク溶接の違い

ティグ(TIG)溶接は、アーク溶接の一種です。アーク放電を利用して金属を溶接するという点では変わりません。

アーク溶接の種類

アーク溶接_種類

ティグ溶接は非消耗タングステン電極により、アーク放電を生成することで金属を溶かして溶接を行うもの。

これに対して、ガスシールドアーク溶接(※アーク溶接の一種)では、消耗性の溶接棒を用いて、溶接棒そのものが溶けて溶接材料となる点が異なりますね。

詳しくは、アーク溶接とは|必要資格(特別教育)・種類(ディグ溶接等)を解説をご確認ください。

 

ティグ(TIG)溶接の装置【溶接機など】

ティグ(TIG)溶接には以下の装置が必要です。

  • 溶接用電源
  • 制御装置(高周波の発生やシールドガスの送給をコントロールするもの)
  • 溶接トーチ
  • シールドガスおよびホース類
  • 冷却水回路(※水冷トーチ使用の場合のみ)

ティグ(TIG)溶接_溶接機

現在のTIG溶接機は、制御装置が溶接機に組み込まれた一体型で、 デジタル方式のものが主流。

デジタルTIG溶接機の特徴

  • 各種機能の切替えがタッチパネル方式
  • 電流などの設定、表示がデジタル値
  • 電流の制御などが迅速で高精度
  • 溶接条件の記憶機能付き

 

まとめ

  • ティグ(TIG)溶接は、タングステン電極を使って金属を溶かし、接合するアーク溶接法の一種。
  • ティグ(TIG)溶接を業務として行うには、「アーク溶接等の業務に係る特別教育」を受講すること。
  • ティグ(TIG)溶接は、アーク溶接の一種。アーク放電を利用して金属を溶接するという点で同じ。

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