- 曲げモーメント図の書き方が知りたい。
- 代表的な図を一覧にまとめてほしい。
- 片持ち梁の曲げモーメントは、どのようにイメージする?
こんな悩みに答えます。
本記事では、曲げモーメント図の書き方についてわかりやすく解説。
基本的なルールをおさえることで、様々なパターンの曲げモーメント図を描けるようになります。
「曲げモーメントの基本知識」や「曲げモーメントの公式」について知りたい方は、先に以下の記事をご確認ください。
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曲げモーメント図の書き方【基本ルール】
曲げモーメント図とは、部材にはたらく曲げモーメントの値を図示したものです。
曲げモーメント図を描くときのルールは2つ。
- 部材に荷重がかかったときに、部材が裂ける位置(=曲げモーメントが最大となる位置)をイメージする。
- 集中荷重の場合は、曲げモーメントは直線。等分布荷重荷重の場合、曲げモーメントが曲線。
✓ 書き方のルール1
例えば、図のような片持ち梁の材質を「ゴム」でイメージするとわかりやすいでしょう。
梁の先端に集中荷重がかかる場合、根本が裂けるはず。この部材の裂ける位置が、曲げモーメントの最大となる位置です。
✓ 書き方のルール2
梁に集中荷重が作用するときは、曲げモーメントは「直線」を描きます。
分布荷重は場合は「曲線」ですね。
曲げモーメント図の作成例【一覧】
単純梁と片持ち梁が荷重を受けるときにモーメント図がどのようになるか、一覧表にまとめました。
単純梁の曲げモーメント図
単純梁(両端を支持された梁)の真ん中に集中荷重が作用するときの曲げモーメント図を見てみます。
「V」の字のように梁が変形して中央の下側が裂けるはず。
よって、曲げモーメント図も「V」の字に描き、部材が裂ける位置を最大とします。
分布荷重も考え方は同じ。
曲げモーメント図の線が曲線となるだけです。
片持ち梁の曲げモーメント図
片持ち梁の端に集中荷重が作用するときの曲げモーメント図です。
折れ曲がるように変形し、根本の上側が裂けるはず。
曲げモーメント図は、梁の端部から根本に向かって直線を伸ばし、裂ける位置が最大となるよう描きます。
分布荷重の場合は、曲げモーメントの線を直線で描けばOK。
両端固定梁
両端固定梁(両端を固定した梁)に集中荷重が作用するとき、曲げモーメント図は下図となります。
中央に荷重がかかる場合、梁の裂ける位置は「●両端の上側 ●中央の下側」。
よって、梁の中央と端部で曲げモーメントが大きくなるような図を描くわけですね。
分布荷重でも考え方は同じ。
直線で表現した部分を「曲線」に変えるだけです。
ラーメン構造
ラーメン構造に横から力を加えたときの曲げモーメント図を考えてみます。
柱も梁もS字に変形しようとして、部材の端部が裂けるはず。
き裂の入る位置で曲げモーメントが大きくなるような図を描けばOK。
まとめ
- 曲げモーメント図とは、部材にはたらく曲げモーメントの値を図示したもの。
- 曲げモーメント図を描くときのルール
- 部材に荷重がかかったときに、部材が裂ける位置(=曲げモーメントが最大となる位置)をイメージする。
- 集中荷重の場合は、曲げモーメントは直線。等分布荷重荷重の場合、曲げモーメントが曲線。
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