耐荷重とは|読み方・計算方法・床の積載荷重について解説

耐荷重とは 構造規定
  • 耐荷重(読み:たいかじゅう)って何?
  • 床の耐荷重を求める方法は?
  • 耐荷重の計算方法が知りたい。

こんな疑問に答えます。

本記事では、「耐荷重」についてわかりやすく解説。

耐荷重という用語の意味や計算方法、基準をオーバーしてしまった際の注意点を理解することができます。

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住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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耐荷重(読み:たいかじゅう)とは

耐荷重(たいかじゅう)とは、外部から加わる力や重量に対して、変形や破壊なく耐えられる重さの値です。

物体が何kgまでの重さに耐えられるかを示します。

たとえば、「耐荷重100kg」の家具は「100kgまでであれば物を載せることができる」わけですね。

 

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床の耐荷重(積載荷重)

床の耐荷重とは、床が支えることができる荷重や重量のことです。

建築用語としては「積載荷重」と呼ばれるもの。

構造_建物に作用する力

建築物や構造物の床は、人々が歩行したり、家具や機器を配置したりするための基盤として機能します。

そのため、床の材料や構造は、安全性・快適性を確保するために十分な耐荷重を持たせなければいけません。

床の耐荷重(積載荷重)を考えるポイント

  1. 床材料の種類と厚さ:材料(木材、コンクリート、鋼材など)ごとに異なる強度や剛性を持ちます。床材の厚さも耐荷重に影響を与えます。
  2. 構造設計:床の支持構造や梁の配置、間隔などが床の耐荷重に影響を与えます。適切な設計によって、荷重が均等に分散されるようにします。
  3. 使用目的:床の使用目的に応じて耐荷重の要求が異なります。住宅の床と商業施設の床では、必要な耐荷重が異なります。
  4. 荷重の種類:床は一時的な荷重(人の歩行や家具の配置など)や恒久的な荷重(建物の自重や装備の重量など)を支える必要があります。

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耐荷重の計算方法

木材の上に載せた物の重さに応じて、部材がどのくらいたわむかを計算してみましょう。

梁の中央に集中荷重がかかる木材のたわみの計算式は以下のとおり。

δ=PL^3/48EI

δ:たわみ量(cm:センチメートル)
P:荷重(kg:キログラム)
L:支点間の距離(cm:センチメートル)
E:ヤング係数(材料の変形しにくさを示す数値)
I:断面二次モーメント(曲げる力への抵抗性を示す値)

たわみ_計算式_単純梁長方形の断面二次モーメントはI=bh^3/12。これを代入すると、以下の式が導けます。

δ=PL^3/4Ebh^3

δ:たわみ量(cm:センチメートル)
P:荷重(kg:キログラム)
L:支点間の距離(cm:センチメートル)
E:ヤング係数(材料の変形しにくさを示す数値)
b:木材の幅(cm:センチメートル)
h:木材の高さ(cm:センチメートル)

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耐荷重10kgと耐荷重100kgの比較

耐荷重10kgと耐荷重100kgの違いは、重量を支える能力にあります。

耐荷重10kgは軽い荷重に適しており、小さな家具や軽量の装飾品に適用されるもの。

一方で、耐荷重100kgは頑丈なサポートが必要な場面に適しています。

大きな家具や人の重さに耐えるため、商業施設や工業用途が多いですね。

使用目的と安全性を考慮し、適切な耐荷重を確認することが大切。

 

耐荷重オーバーによる危険性

耐荷重をオーバーしてしまうと、建築物や構造物に重大な危険をもたらします。

床や梁が変形してしまい、支持力が低下。最悪の場合は崩壊するリスクも。

これは人々の安全に影響を及ぼすだけでなく、財産や建物にも大きな損害をもたらします。例えば、重い荷物を置いた棚が倒れ、家具が崩壊したり、床が沈むことが…。

耐荷重を考えずに利用すると、予期せぬ事故が起きる危険性が高まります。

 

まとめ

  • 耐荷重とは、外部から加わる力や重量に対して、変形や破壊なく耐えられる重さの値。
  • 床の耐荷重とは、床が支えることができる荷重や重量のこと。
  • 梁の中央に集中荷重がかかる木材のたわみの計算式。
    • δ=PL^3/4Ebh^3

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