準耐火建築物(イ-2)とは|45分準耐火の基準【木造でもOK】

防火規定
  • 準耐火建築物(イ-2)ってなに?
  • 延焼ラインにかかる建具に防火設備は必要?
  • 主要構造部の耐火被覆が知りたい?

こんな疑問に答えます。

 

本記事では、準耐火建築物(イ-2)の主要構造部と開口部の基準を解説。

戸建住宅の設計でも必要となるため、建築士にとって欠かせない知識です。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営しています。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けて得た建築基準法の知識を、できる限りわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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準耐火建築物(イ-2)とは

準耐火建築物_イ-2

準耐火建築物(イ-2)とは、建築基準法2条に定められた以下の基準を満たす建物です。

  • 主要構造部:45分間準耐火基準に適合する準耐火構造
  • 延焼のおそれのある開口部:防火設備(建築基準法2条九の二号ロ)
  • 建築物の地上部分の層間変形角:1/150以内
層間変形角:地震などの横揺れを建築物が受けたとき、各階の床と真上または真下の床との、水平方向における変形角度

 

【Q&A】なぜ「イ-2」と呼ぶ?

Q. なぜ準耐火建築物イ-2と呼ぶのですか?
A. 建築基準法2条九の三による準耐火建築物を「イ準耐火」と呼びます。なかでも、主要構造部が1時間準耐火基準のものは「イ-1」、45分間準耐火基準が「イ-2」と区別しています。

 

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主要構造部:準耐火構造(45分間準耐火基準)

準耐火建築物(イ-2)は、主要構造部を「45分間準耐火以上の性能をもつ耐火被覆」で覆います。

主要構造部建築物の部分のうち、①壁②柱③床④はり⑤屋根⑥階段(建築基準法2条)

つまり、火災がおきてから45分間、壁・柱・床などが倒壊したり、他の建築物に延焼しない性能を持つわけですね。

主要構造部ごとに異なる準耐火時間を一覧表にまとめました。

主要構造部 準耐火時間
外壁(耐力壁) 45分間
外壁(非耐力壁):延焼のおそれのある部分 45分間
外壁(非耐力壁):一般部分 30分間
間仕切壁 45分間
45分間
45分間
45分間
屋根 30分間
階段 30分間
軒裏:延焼のおそれのある部分 45分間
軒裏:一般部分 30分間

45分間準耐火基準に適合する準耐火構造は、以下のいずれかを選択。

  1. 告示仕様:建築基準法における建設省告示第1358号に適合すること
  2. 大臣認定仕様:耐火被覆の仕様ごとに、大臣の認定を受けているもの

 

告示仕様:建設省告示第1358号

告示仕様の場合は、主要構造部それぞれに建設省告示第1358号による耐火被覆をほどこします。

条文を見てみましょう。

準耐火構造の構造方法を定める件(平成12年5月24日建設省告示1358号)

建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第七号の二の規定に基づき、準耐火構造の構造方法を次のように定める。

以下省略

上記では省略していますが、このあと、主要構造部の部位ごとに求められる仕様が具体的に書かれています。

確認申請では主要構造部それぞれが告示1358号における、どの基準を満たすか明記。

詳しくは、基本建築関係法令集 法令編 令和7年版または、建築申請memo2025 をご確認ください。

 

大臣認定仕様:「QF045~」の認定を取得したもの

大臣認定仕様は「QF045BE-####」のように、主要構造部ごとに、それぞれ仕様の異なる認定番号がわり振られています。

個別に”大臣認定書”が発行されており、記載内容をまもって設計・施工しなければいけません。

数多くのメーカーが認定をとっているため、多様な製品の中から選択できます。

準耐火構造_大臣認定②

 

延焼のおそれのある開口部:防火設備(法2条九の二号ロ)

延焼ラインにかかる開口部の防火設備(建築基準法2条九の二号ロ)は、以下のいずれかを選択。

  1. 告示仕様:建築基準法の建設省告示第1360号に適合すること
  2. 大臣認定仕様:サッシの種別ごとに大臣認定(EB-####)を受けているもの

 

告示仕様:建設省告示第1360号

防火設備の告示仕様は、建設省告示第1360号で定められています。

たとえば、鋼製建具であれば0.8㎜以上の厚みを確保し、炎が入り込むようなすき間のないものを製作しなければなりません。

告示の仕様を満たしているかどうかは、建具の構造詳細図でチェック。

平成12年5月24日建設省告示第1360号

防火設備の構造方法を定める件

建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二ロの規定に基づき、防火設備の構造方法を次のように定める。

第一 建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百九条の二に定める技術的基準に適合する防火設備の構造方法は、次に定めるものとする。

〈中略〉

第二 第一に定めるもののほか、防火戸が枠又は他の防火設備と接する部分は、相じゃくりとし、又は定規縁若しくは戸当りを設ける等閉鎖した際にすき間が生じない構造とし、かつ、防火設備の取付金物は、取付部分が閉鎖した際に露出しないように取り付けなければならない。

条文をすべて掲載すると長くなってしまうので、一部を抜粋しています。必ず基本建築関係法令集 法令編 令和7年版で確認してください。

 

大臣認定仕様:EBまたはEA

防火設備の大臣認定は、火災時に炎をさえぎる性能によって3つに区分されます。

  • EA
  • EB
  • EC
種類 防火設備
特定防火設備
大臣認定コード EA EB EC
要件 加熱面以外の面に火炎を出さない 加熱面以外の面に火炎を出さない 加熱面以外の面に火炎を出さない
遮炎時間 1時間 20分間 20分間
火災の種類 建築物の屋内または周囲で発生する通常の火災 建築物の屋内または周囲で発生する通常の火災 建築物の周囲で発生する通常の火災
性能 遮炎性能 遮炎性能 準遮炎性能
主な設置場所 防火区画 耐火建築物または準耐火建築物の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分 防火地域または準防火地域内の建築物の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分
関係法令 令第112条第1項 法第2条第九号二/口
令第109条の2
法第61条
令第136条の2

準耐火建築物(イ-1)には、表に記載されている「EB」もしくは「EA」の認定を受けた防火設備を使用します。

遮炎時間20分の防火設備は、サッシの種別ごとに「EB-####」などの通し番号が割り振られているため、サッシメーカーのWebサイトやカタログで調べましょう。

確認申請の提出時は大臣認定番号の表示がもとめられます。

 

まとめ

  • 準耐火建築物(イ-2)は、以下の基準を満たすもの。
    • 主要構造部:準耐火構造(1時間準耐火性能)
    • 延焼ライン内の開口部:防火設備(建築基準法2条九の二号ロ)
    • 層間変形角:1/150以内
  • 45分間準耐火構造は、以下のいずれかを選択。
    • 告示仕様:国土交通省告示第1358号
    • 大臣認定仕様:QF045○○-####
  • 延焼ライン内の防火設備は、以下のいずれかを選択。
    • 告示仕様:建設省告示第1360号によるもの
    • 大臣認定仕様:EB-####

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