建築確認申請が不要な計画とは【建築基準法による7パターンを解説】

建築確認申請_不要 確認申請マニュアル
  • 確認申請が不要な建物はある?
  • 床面積10㎡以下であれば申請はいらない?
  • 申請が不要な地域について知りたい。

こんな悩みに答えます。

 

確認申請はすべての建築物に必要となるわけではありません。

本記事では、申請手続きが不要となる建築行為について、法的根拠にもとづいて解説していきます。

計画中の建物が違反建築物にならないか不安という方は、ぜひご確認ください。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築基準法の知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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確認申請が不要な建築物とは

確認申請が不要となる7つのケースをまとめました。

  1. 建築物の定義に当てはまらないもの
  2. 都市計画区域外における四号建築物の建築
  3. 四号建築物の大規模修繕、大規模な模様替え
  4. 防火地域、準防火地域外の10㎡の増築、改築、移転
  5. 用途変更(床面積200㎡以下または特殊建築物以外)
  6. 建築基準法の適用を受けない建築物
  7. 仮設建築物の一部(災害時の応急仮設建築物、現場事務所など)

ただし、申請手続きがない場合でも、建築基準法への適合は必須です。

法規に詳しい設計者や工事監理者の監修のもと、施工を行いましょう。

 

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建築物の定義に当てはまらないもの

建築物(建築基準法2条)の定義に当てはまらないものは、確認申請の対象外です。

建築物の定義

  • 屋根、柱、壁で構成されているもの
  • 建築物に附属する門・塀
  • 観覧のための工作物
  • 地下または高架の工作物内にある事務所、店舗、興行場、倉庫その他の施設
  • 建築物に設ける建築設備

たとえば、小規模な倉庫。下記のいずれかを満たす場合は、建築物に該当しません。

  • 奥行き1m以内
  • 高さ1.4m以下

出典:基準総則・集団規定の適用事例

そのほか、人が内部に入ることができず、外部からのみ作業を行うものは建築物とみなされません。

✔️ 建築物に該当しない「貯蔵槽その他に類する施設」

  • 受水槽の下に設けるポンプ室
  • 通信施設にある通信機器収納施設
  • デジタルテレビの中継施設

詳しくは、建築物とは【小規模な物置が建築物とみなされない理由】をご確認ください。

 

都市計画区域外における四号建築物の建築

下記の区域外で「4号建築物」を建築する場合は、確認申請が免除されます。

  1. 都市計画区域
  2. 準都市計画区域
  3. 景観法第74条第1項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く)内
  4. 都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域

おおまかにいうと、辺境の地に建てる小規模な建築物は、確認申請が不要。

ただし、上記4の区域でないことをチェックしてください。

都市計画区域、準都市計画区域の外であっても、都道府県知事により確認申請が必要と定められた地域もあります。

手続きの要否を判定する際には、念のため所管行政庁との協議を行いましょう。

四号建築物とは

四号建築物とは、以下2つに当てはまる小規模な建物です。

  1. 用途:原則として別表第1の特殊建築物でない(特殊建築物の場合、200㎡以下であればOK)
  2. 規模:以下のいずれかに該当
    • 木造で以下すべてに当てはまるもの
      • 階数2以下
      • 延べ面積500㎡以下
      • 最高高さ13m以下
      • 軒高9m以下
    • 木造以外で以下すべてに当てはまるもの
      • 階数1
      • 延べ面積200㎡以下

詳しくは、法6条四号建築物とは|四号特例の適用基準【構造計算は審査の免除不可】をご確認ください。

 

四号建築物の大規模修繕、大規模な模様替え

法6条四号にあてはまる建築物の大規模な修繕、大規模な模様替えは確認申請の対象外です。

  • 大規模の修繕:主要構造部のうち一種を50%超の範囲にわたって修復すること。
  • 大規模の模様替え:主要構造部のうち一種を50%超の範囲にわたって改装すること。

詳しくは、大規模の修繕・大規模の模様替えとは|建築基準法による定義を解説をご確認ください。

 

防火地域、準防火地域外の10㎡の増築・改築・移転

防火地域、準防火地域以外の敷地で、床面積10㎡以下の増築・改築・移転をおこなう場合、確認申請は不要です。

建築 新築 更地に建築物を新たにつくること。すでに建築物がある敷地に棟別で新規につくること。(敷地単位では「増築」とみなされる)
増築 既存建物の床面積を増加させること。ただし、面積の増加が0㎡でも「増築」とみなされるケースもある。(例:床面積0㎡の屋外階段の建築は「増築」)
改築 既存建物の一部または全部を除却したあとに、用途・規模・構造が大きく異ならない建築物を建てること
移転 同一敷地のなかで、既存の建物を解体することなく、位置を変更すること。

 建築確認申請の要否判定表

〇:建築確認が必要  ✕:建築確認が不要

全国
都市計画区域内 準都市
計画区域
準景観
地区
その他の地域
防火・
準防火
地域
特殊建築物
建築基準法別表1の
床面積>200㎡
新築
増築・改築・移転
10㎡以内
大規模建築物
木造≧階数3
  >延面積500㎡
  >軒高9m
木造以外≧階数2
  >延面積200㎡
新築
増築・改築・移転
  10㎡以内
上記以外の建築物 新築
増築・改築・移転
  10㎡以内

たとえば、防火地域・準耐火地域の指定がないエリアの戸建て住宅に、10㎡以下の倉庫をつくるときは確認申請が免除。

逆にいうと、準防火地域内で、床面積0㎡となる「屋外階段」や「塀」を増築する際は確認申請を受けなければなりません。

いわゆる「0㎡増築」ですね。

もちろん、床面積10㎡を超える増改築の計画は、防火地域の有無に関わらず確認申請の対象です。

 

用途変更(床面積200㎡以下または特殊建築物以外)

用途変更に関する確認申請の要否は以下のとおり。

  • 以下すべてにあてはまる用途変更は、確認申請が必要
    • 建物用途:特殊建築物(建築基準法 別表1)への変更
    • 規模:変更部分の床面積が200㎡を超える
  • 上記にあてはまらない用途変更は確認申請が不要

用途変更_確認申請の要否チャート

 

建築基準法の適用を受けない建築物

以下のような建築物は、建築基準法の適用を受けません。もちろん確認申請も免除されています。

  1. 国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物、史跡名勝天然記念物として指定、または仮指定された建築物
  2. 重要美術品等として認定された建築物
  3. 文化財保護法による保存建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したもの
  4. 上記①または②の原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得て認めたもの

 

仮設建築物の一部(災害時の応急仮設建築物、現場事務所など)

以下に該当する仮設建築物は、確認申請の提出が不要。

  1. 非常災害区域等内において、非常災害により破損した建築物の応急修繕(防火地域内を除く)
  2. 非常災害時において、以下のいずれかに該当する応急仮設建築物(防火地域内を除く)
    • 国、地方公共団体、日本赤十字社が災害救助のために建築するもの
    • 被災者が自ら使用するために建築するもので延べ面積30㎡以内のもの
  3. 災害時に建築する公益上必要な応急仮設建築物(停車場・官公署など)
  4. 工事を施工するために設ける現場事務所、下小屋、材料置場などの仮設建築物

ただし、「上記以外の仮設建築物」は申請が必要となるため要注意。

仮設興行場・博覧会建築物・仮設店舗などで特定行政庁の許可を得たものは、建築基準法の緩和を受けられるものの、確認申請と完了検査が必要となります。

 

まとめ

  • 建築確認申請が不要となるのは7パターン。
  • 1.建築物(建築基準法2条)の定義に当てはまらないものは、確認申請の対象外。
    • 人が内部に入ることができず、外部からのみ作業を行うものは建築物とみなされない。
  • 2.下記の区域外で「4号建築物」を建築する場合は、確認申請が免除。
    • 都市計画区域
    • 準都市計画区域
    • 景観法第74条第1項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く)内
    • 都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域
  • 3.法6条四号建築物の大規模な修繕、大規模な模様替えは確認申請の対象外。
  • 4.防火地域、準防火地域以外で、床面積10㎡以下の増築・改築・移転は申請不要。
  • 5.用途変更に関する確認申請の要否判定。
    • 以下すべてにあてはまる用途変更は、確認申請が必要。
      • 建物用途:特殊建築物(建築基準法 別表1)への変更
      • 規模:変更部分の床面積が200㎡を超える
    • 上記にあてはまらない用途変更は確認申請が不要
  • 6.以下の建築物は、建築基準法の適用を受けない。
    • 国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物、史跡名勝天然記念物として指定、または仮指定された建築物
    • 重要美術品等として認定された建築物
    • 文化財保護法による保存建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したもの
    • 上記①または②の原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得て認めたもの
  • 7.以下に該当する仮設建築物は、確認申請が不要。
    • 非常災害区域等内において、非常災害により破損した建築物の応急修繕(防火地域内を除く)
    • 非常災害時において、以下のいずれかに該当する応急仮設建築物(防火地域内を除く)
    • 国、地方公共団体、日本赤十字社が災害救助のために建築するもの
    • 被災者が自ら使用するために建築するもので延べ面積30㎡以内のもの
    • 災害時に建築する公益上必要な応急仮設建築物(停車場・官公署など)
    • 工事を施工するために設ける現場事務所、下小屋、材料置場などの仮設建築物

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