
- 確認申請が不要な建物はある?
- 床面積10㎡以下であれば申請はいらない?
- 申請が不要な地域について知りたい。
こんな悩みに答えます。
確認申請はすべての建築物に必要となるわけではありません。
本記事では、申請手続きが不要となる建築行為について、法的根拠にもとづいて解説していきます。
計画中の建物が違反建築物にならないか不安という方は、ぜひご確認ください。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営。
住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築基準法の知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。
確認申請が不要な建築物とは
確認申請が不要となる7つのケースをまとめました。
- 建築物の定義に当てはまらないもの
- 都市計画区域外における四号建築物の建築
- 四号建築物の大規模修繕、大規模な模様替え
- 防火地域、準防火地域外の10㎡の増築、改築、移転
- 用途変更(床面積200㎡以下または特殊建築物以外)
- 建築基準法の適用を受けない建築物
- 仮設建築物の一部(災害時の応急仮設建築物、現場事務所など)

ただし、申請手続きがない場合でも、建築基準法への適合は必須です。
法規に詳しい設計者や工事監理者の監修のもと、施工を行いましょう。
建築物の定義に当てはまらないもの
建築物(建築基準法2条)の定義に当てはまらないものは、確認申請の対象外です。
✓ 建築物の定義
- 屋根、柱、壁で構成されているもの
- 建築物に附属する門・塀
- 観覧のための工作物
- 地下または高架の工作物内にある事務所、店舗、興行場、倉庫その他の施設
- 建築物に設ける建築設備
たとえば、小規模な倉庫。下記のいずれかを満たす場合は、建築物に該当しません。
- 奥行き1m以内
- 高さ1.4m以下
そのほか、人が内部に入ることができず、外部からのみ作業を行うものは建築物とみなされません。
✔️ 建築物に該当しない「貯蔵槽その他に類する施設」
- 受水槽の下に設けるポンプ室
- 通信施設にある通信機器収納施設
- デジタルテレビの中継施設
詳しくは、建築物とは【小規模な物置が建築物とみなされない理由】をご確認ください。
都市計画区域外における四号建築物の建築
下記の区域外で「4号建築物」を建築する場合は、確認申請が免除されます。
- 都市計画区域
- 準都市計画区域
- 景観法第74条第1項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く)内
- 都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域

おおまかにいうと、辺境の地に建てる小規模な建築物は、確認申請が不要。
ただし、上記4の区域でないことをチェックしてください。
都市計画区域、準都市計画区域の外であっても、都道府県知事により確認申請が必要と定められた地域もあります。
手続きの要否を判定する際には、念のため所管行政庁との協議を行いましょう。
四号建築物とは
四号建築物とは、以下2つに当てはまる小規模な建物です。
- 用途:原則として別表第1の特殊建築物でない(特殊建築物の場合、200㎡以下であればOK)
- 規模:以下のいずれかに該当
- 木造で以下すべてに当てはまるもの
- 階数2以下
- 延べ面積500㎡以下
- 最高高さ13m以下
- 軒高9m以下
- 木造以外で以下すべてに当てはまるもの
- 階数1
- 延べ面積200㎡以下
- 木造で以下すべてに当てはまるもの
詳しくは、法6条四号建築物とは|四号特例の適用基準【構造計算は審査の免除不可】をご確認ください。
四号建築物の大規模修繕、大規模な模様替え
法6条四号にあてはまる建築物の大規模な修繕、大規模な模様替えは確認申請の対象外です。
- 大規模の修繕:主要構造部のうち一種を50%超の範囲にわたって修復すること。
- 大規模の模様替え:主要構造部のうち一種を50%超の範囲にわたって改装すること。
詳しくは、大規模の修繕・大規模の模様替えとは|建築基準法による定義を解説をご確認ください。
防火地域、準防火地域外の10㎡の増築・改築・移転
防火地域、準防火地域以外の敷地で、床面積10㎡以下の増築・改築・移転をおこなう場合、確認申請は不要です。
| 建築 | 新築 | 更地に建築物を新たにつくること。すでに建築物がある敷地に棟別で新規につくること。(敷地単位では「増築」とみなされる) |
| 増築 | 既存建物の床面積を増加させること。ただし、面積の増加が0㎡でも「増築」とみなされるケースもある。(例:床面積0㎡の屋外階段の建築は「増築」) | |
| 改築 | 既存建物の一部または全部を除却したあとに、用途・規模・構造が大きく異ならない建築物を建てること | |
| 移転 | 同一敷地のなかで、既存の建物を解体することなく、位置を変更すること。 |
✔ 建築確認申請の要否判定表
〇:建築確認が必要 ✕:建築確認が不要
| 全国 | |||||||
| 都市計画区域内 | 準都市 計画区域 |
準景観 地区 |
その他の地域 | ||||
| 防火・ 準防火 地域 |
|||||||
| 特殊建築物 建築基準法別表1の 床面積>200㎡ |
新築 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
| 増築・改築・移転 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
| 10㎡以内 | 〇 | ✕ | ✕ | ||||
| 大規模建築物 木造≧階数3 >延面積500㎡ >軒高9m 木造以外≧階数2 >延面積200㎡ |
新築 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
| 増築・改築・移転 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
| 10㎡以内 | 〇 | ✕ | ✕ | ||||
| 上記以外の建築物 | 新築 | 〇 | 〇 | ✕ | |||
| 増築・改築・移転 | 〇 | 〇 | ✕ | ||||
| 10㎡以内 | 〇 | ✕ | ✕ | ||||
たとえば、防火地域・準耐火地域の指定がないエリアの戸建て住宅に、10㎡以下の倉庫をつくるときは確認申請が免除。
逆にいうと、準防火地域内で、床面積0㎡となる「屋外階段」や「塀」を増築する際は確認申請を受けなければなりません。

いわゆる「0㎡増築」ですね。
もちろん、床面積10㎡を超える増改築の計画は、防火地域の有無に関わらず確認申請の対象です。
用途変更(床面積200㎡以下または特殊建築物以外)
用途変更に関する確認申請の要否は以下のとおり。
- 以下すべてにあてはまる用途変更は、確認申請が必要。
- 建物用途:特殊建築物(建築基準法 別表1)への変更
- 規模:変更部分の床面積が200㎡を超える
- 上記にあてはまらない用途変更は確認申請が不要

建築基準法の適用を受けない建築物
以下のような建築物は、建築基準法の適用を受けません。もちろん確認申請も免除されています。
- 国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物、史跡名勝天然記念物として指定、または仮指定された建築物
- 重要美術品等として認定された建築物
- 文化財保護法による保存建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したもの
- 上記①または②の原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得て認めたもの
仮設建築物の一部(災害時の応急仮設建築物、現場事務所など)
以下に該当する仮設建築物は、確認申請の提出が不要。
- 非常災害区域等内において、非常災害により破損した建築物の応急修繕(防火地域内を除く)
- 非常災害時において、以下のいずれかに該当する応急仮設建築物(防火地域内を除く)
- 国、地方公共団体、日本赤十字社が災害救助のために建築するもの
- 被災者が自ら使用するために建築するもので延べ面積30㎡以内のもの
- 災害時に建築する公益上必要な応急仮設建築物(停車場・官公署など)
- 工事を施工するために設ける現場事務所、下小屋、材料置場などの仮設建築物
ただし、「上記以外の仮設建築物」は申請が必要となるため要注意。
仮設興行場・博覧会建築物・仮設店舗などで特定行政庁の許可を得たものは、建築基準法の緩和を受けられるものの、確認申請と完了検査が必要となります。
まとめ
- 建築確認申請が不要となるのは7パターン。
- 1.建築物(建築基準法2条)の定義に当てはまらないものは、確認申請の対象外。
- 人が内部に入ることができず、外部からのみ作業を行うものは建築物とみなされない。
- 2.下記の区域外で「4号建築物」を建築する場合は、確認申請が免除。
- 都市計画区域
- 準都市計画区域
- 景観法第74条第1項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く)内
- 都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域
- 3.法6条四号建築物の大規模な修繕、大規模な模様替えは確認申請の対象外。
- 4.防火地域、準防火地域以外で、床面積10㎡以下の増築・改築・移転は申請不要。
- 5.用途変更に関する確認申請の要否判定。
- 以下すべてにあてはまる用途変更は、確認申請が必要。
- 建物用途:特殊建築物(建築基準法 別表1)への変更
- 規模:変更部分の床面積が200㎡を超える
- 上記にあてはまらない用途変更は確認申請が不要
- 以下すべてにあてはまる用途変更は、確認申請が必要。
- 6.以下の建築物は、建築基準法の適用を受けない。
- 国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物、史跡名勝天然記念物として指定、または仮指定された建築物
- 重要美術品等として認定された建築物
- 文化財保護法による保存建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したもの
- 上記①または②の原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得て認めたもの
- 7.以下に該当する仮設建築物は、確認申請が不要。
- 非常災害区域等内において、非常災害により破損した建築物の応急修繕(防火地域内を除く)
- 非常災害時において、以下のいずれかに該当する応急仮設建築物(防火地域内を除く)
- 国、地方公共団体、日本赤十字社が災害救助のために建築するもの
- 被災者が自ら使用するために建築するもので延べ面積30㎡以内のもの
- 災害時に建築する公益上必要な応急仮設建築物(停車場・官公署など)
- 工事を施工するために設ける現場事務所、下小屋、材料置場などの仮設建築物
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