4号建築物とは|4号特例の適用基準【構造計算は審査の免除不可】

4号建築物_4号特例_構造計算確認申請マニュアル

※令和元年(2019年)の建築基準法改正にともない、記事を加筆・修正しました。

  • 『4号建築物』って何?
  • 『4号特例』が適用される規定について知りたい。
  • 構造計算による4号建築物は、確認検査機関による審査の対象?

こんな疑問に答えます。

 

本記事では、建築基準法における『4号建築物』と「4号特例」について詳しく解説。

小規模な建築物を設計し、確認申請を通すためには必須の知識なので、戸建て住宅を設計する方にとって特に役立つ情報かと。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営しています。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談をうけて得た建築基準法の知識を、できるだけわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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『4号建築物』とは

『4号建築物』とは、建築基準法6条の4号に当てはまる用途・規模の建築物のこと。

 

”法6条1項による建築物の区分けフローチャート”をご確認ください。

4号建築物_区分けチャート2

「4号建築物」に該当すると、いわゆる「4号特例」という建築確認における審査の特例を受けることができるため、構造や設備などの一部の規定の審査が免除。

審査すべき項目が減るので、添付しなければならない申請図書も少なくなりますね。

例えば、住宅の居室の採光・換気や構造規定について、確認検査機関による審査が不要となり、1~3号建築物と比べて短期間で確認申請が完了します。

 

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建築基準法における『4号特例』とは

『4号特例』とは、建築基準法施行令10条に定められた、建築確認における審査の特例のこと。

建築士の設計した法6条4号建築物については、建築基準法の単体規定の多くが、確認申請の審査対象から除かれます。

建築確認の簡素化や合理化をはかるための施策ですね。

 

4号特例によって、審査が免除される建築基準法の条文を一覧表でまとめると以下のとおり。

 4号特例により建築確認の審査対象外となる規定【一覧表】

(※審査対象となる規定を〇、審査対象外となる規定を×で示す)

たまに勘違いされている設計者の方がいますが、4号特例で審査から除外された規定は「建築基準法に適合させなくてもよい」ということではありません。

4号特例は「審査の一部を免除するので、設計者の方が責任をもって建築基準法に適合させてください」といったニュアンス。

”確認検査機関の審査がないから、どんな設計でも自由”というわけではないのでご注意を。

 

”構造計算にもとづく4号建築物”は確認検査機関による構造審査の対象

4号特例の対象となる建築物でも、構造計算でのみ成立している建物は、構造審査の対象となります。

構造計算は、なぜ特例による審査対象外とならないか、順を追って説明しましょう。

 

上記の”特例対象となる規定の一覧表”を見てもらえばわかりますが、4号特例を受ける場合は構造の規定である法20条の審査が免除されています。

ただし、カッコ書きで記載されている「法20条1項4号イに係る部分に限る」という言葉に注目。

法20条1項4号イとは、ざっくり言うと構造の仕様規定と呼ばれるもので、「構造計算(許容応力度計算など)」は含まれていません。

(構造耐力)

第20条 建築物は、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものとして、次の各号に掲げる建築物の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める基準に適合するものでなければならない。

中略

四 前三号に掲げる建築物以外の建築物 次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。
イ 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合すること。⇒仕様規定(法20条1項4号イ)
ロ 前三号に定める基準のいずれかに適合すること。⇒構造計算(法20条1項4号ロ)

つまり、4号特例の対象であっても「構造計算」によって建築基準法に適合させている建物は、審査の免除が受けられないため、確認検査機関による構造審査が必要となるわけですね。

 

4号建築物(例:木造2階建て住宅)の確認申請に必要な図面とは

4号建築物の確認申請で必要な図書について、”木造2階建て住宅”を例にまとめました。

  1. 確認申請書(第一面~第六面)
  2. 委任状
  3. 付近見取り図
  4. 配置図
  5. 敷地求積図
  6. 建物求積図
  7. 各階平面図
  8. 立面図
  9. 断面図
  10. シックハウス関係図書

構造や設備については、原則として4号特例の対象となるため、必要書類に含まれていません。

上記の設計図書について、具体的な作図方法や事例は、確認申請マニュアル コンプリート版という書籍が参考になるかと。

 

まとめ

  • 『4号建築物』とは、建築基準法6条の4号に当てはまる用途・規模の建築物。
  • 4号建築物は「4号特例」という建築確認における審査の特例あり。構造や設備など一部の審査が免除。
  • 4号特例によって審査が免除される建築基準法の条文を一覧表で確認。
  • 4号特例の対象であっても「構造計算」によって建築基準法に適合させている建物は、審査の免除が受けられない。確認検査機関による構造審査が必要。