地盤調査とは|調査方法・費用・結果の確認方法をわかりやすく解説

地盤調査とは 構造規定
  • 地盤調査って、どうやって行う?
  • 費用はどれくらい?
  • 調査方法や流れが知りたい。

こんな悩みに答えます。

 

本記事では、建築物を建てるときに実施する「地盤調査」についてわかりやすく解説。

地盤を調査する理由がわかり、代表的な調査方法・費用のイメージをつかむことができます。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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地盤調査とは【地耐力・支持地盤を調査】

地盤調査とは、専門会社によって「地盤の強度」「支持地盤の位置」などを調査することです。

建築物を建てる建設会社が地盤調査を専門とする会社を手配するケースが一般的。依頼を受けた会社は調査を実施し、「地盤調査報告書」を作成します。

調査の結果、軟弱な地盤だとわかった場合は、「地盤改良工事」が必要となります。

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軟弱な地盤の特徴

「新しい粘土層」や「砂層が多い土地」は地盤が弱いとされています。

他にも、沼や川などの場所を埋め立てた土地は地盤が弱いことが多いですね。

強い地盤の特徴

硬くて締まった地質の土地は「地盤が強い」と言えます。

「硬質地盤」と呼ばれ、固い岩盤や砂礫(されき :砂や小石のこと)をたくさん含んでいます。

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地盤調査が必要な理由

阪神・淡路大震災後の2000年(平成12年)の建築基準法改正によって、家を建てる際に地耐力を調べることが義務付けられました。

地耐力とは…「地盤が建物の荷重に耐えられるか」「地盤沈下に対して抵抗力があるか」を示す指標

地盤が建築物の重さに耐えられるかを確認するため地盤調査は欠かせません。

代表的な地盤調査方法

主な地盤調査の方法は3種類です。

  1. 静的貫入試験(スウェーデン式サウンディングなど)
  2. ボーリング調査(標準貫入試験)
  3. 平板載荷試験

静的貫入試験(スウェーデン式サウンディングなど)

静的貫入試験は先端がスクリュー状になっているロッドに錘(10㎏を2個・25㎏を3個)と載荷用クランプを取り付け、クランプを地盤に1mねじ込むのに要した半回転数(10度)で地盤を評価します。

戸建住宅のように小規模な建物で利用されることの多い方法で、スウェーデン式サウンディングもその1つ。

スウェーデン式サウンディングの由来:1917年に北欧スウェーデンの国有鉄道により、路盤調査をするための方法として採用されていたことが名前の由来。

ボーリング調査

ボーリング調査は、刃先のついた鋼管で地表面から採掘し、地盤の構成や地下水位などを確認する方法。

標準貫入試験をセットで行うことが多いですね。

細長い筒状の掘削機器で大地に錐のように穴(bore)を開けることからボーリングと呼ばれています。

標準貫入試験

標準貫入試験は、錘(65kg)を15㎝の高さから落下させ、サンプラー(鉄管)を地盤に30㎝打ち込んだときの打撃回数から支持力を調べる方法。

この打撃回数をN値と呼びます。

ボーリング調査と併せて行うことで、地盤の深層部の性状を確認できる。

平板載荷試験

角状または丸板の部材で地盤に荷重を加えて、地盤の支持力(耐力)などを調査する方法。

基礎の底盤を設ける深さまで掘削くっさくし、地盤の支持力を測ります。

地盤の表層の耐力を知ることができるものの、深層部については確認できないのが難点。

地盤調査の費用

地盤調査費用のおおまかな目安は以下のとおり。

地盤調査の種類 費用の目安
スクリューウエイト貫入試験(旧:スウェーデン式サウンディング試験) 5万円 ※例外あり
ボーリング調査 5~30万円

スクリューウエイト貫入試験(旧:スウェーデン式サウンディング試験)は5万円程度で実施することができます。

ただ、土地の性質によって金額が異なることもあり、15万〜20万円ほどかかるケースも。

良質な地盤の場合は価格が安く済みますね。支持層が深いときは、より深く掘り進めなければならないため、費用が高くなります。

支持層とは…上部構造物の荷重に耐える強さを持つ地盤のこと

地盤調査にかかる期間

地盤調査にかかる期間をまとめると以下のとおりです。

地盤調査の種類 期間の目安
スクリューウエイト貫入試験(旧:スウェーデン式サウンディング試験) 速報の場合で、半日から1日
ボーリング調査 1日から数日

地盤調査結果の目安

調査の結果、地盤の強度や支持地盤がどこにあるかがわかります。

たとえば標準貫入試験のN値で、地盤の強度を判断するときの目安を見てみましょう。

支持地盤の目安

以下を確認できれば、支持地盤として十分な強度といえるでしょう。

  • 粘性土:N値20以上
  • 砂質土:N値30以上をもつ層を3~5mほど

軟弱な地盤の目安

  • 粘性土:N値が0~4なら、沈下のおそれあり。
  • 砂質土:N値が0~10なら、沈下のおそれあり。

調査結果をもとに、建築物を建てて問題のない地盤か、弱いので補強すべきかを決定します。

セカンドオピニオンの重要性

地盤調査の結果に不満がある場合は、セカンドオピニオンで他の調査会社に解析を依頼することもできます。

セカンドオピニオンとは…より良い決定をするために、もう一人の人から聴取する意見(大辞泉より)

同じ土地の調査結果でも地盤改良の要否や考察には違いが出るからです。

地盤調査会社が地盤改良工事会社を兼ねている場合には、安全度を高めに見積もった解析結果と高額な改良工事がセットとなっている場合も。

地盤調査データを第三者がチェックし、過剰な改良工事を行わないようにするためにもセカンドオピニオンは有効です。

まとめ

  • 地盤調査とは、専門会社によって「地盤の強度」「支持地盤の位置」などを調査すること。
  • 地盤調査の方法
    1. 静的貫入試験(スウェーデン式サウンディングなど)
    2. ボーリング調査(標準貫入試験)
    3. 平板載荷試験
  • 地盤調査費用の目安
    • スクリューウエイト貫入試験:5万円 ※例外あり
    • ボーリング調査:5~30万円
  • 地盤調査にかかる期間
    • スクリューウエイト貫入試験:速報の場合で、半日から1日
    • ボーリング調査:1日から数日
  • 地盤調査の結果に不満がある場合は、セカンドオピニオンで他の調査会社に解析を依頼することも可能。

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