たわみの公式一覧|片持ち梁・単純梁・両端支持梁の計算方法を解説

たわみ_公式一覧 構造規定
  • たわみの計算で覚えておくべき公式は?
  • 公式を一覧表にまとめてほしい。
  • たわみの公式を覚えるコツがあれば知りたい。

こんな悩みに答えます。

 

本記事では、たわみの計算に役立つ公式について解説。

単純梁、片持ち梁、両端固定梁それぞれのたわみの公式を一覧表にまとめました。

実務や資格試験において覚えておくべき計算式がひとめでわかります。

「たわみ」の基本を知りたい方は、先にたわみ(撓み)とは|記号・単位・計算方法・公式をわかりやすく図解の記事をご確認ください。

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たわみの公式一覧表

以下の梁へ集中荷重・等分布荷重・三角形分布荷重が作用するときに、「たわみ」を求める計算式を一覧表にまとめました。

  • 単純梁
  • 片持ち梁
  • 両端固定梁

公式の「^」記号は自乗を表します。たとえば、「x^2」は「xの2乗」という意味です。

単純梁

荷重 荷重状態 最大たわみ δ たわみ角 θ
集中荷重 単純梁_集中荷重 δ=PL^3/48EI θ=PL^2/16EI
等分布荷重 単純梁_等分布荷重 δ=

5wL^4/384EI

θ=wL^3/24EI
三角形分布荷重 単純梁_三角形分布荷重 δ=

0.00652wL^4/EI

θA=7wL^3/360EI

θB=-wL^3/45EI

片持ち梁

荷重 荷重状態 最大たわみ δ たわみ角 θ
集中荷重 片持ち梁_集中荷重 δ=PL^3/3EI θ=-PL^2/2EI
等分布荷重 片持ち梁_等分布荷重 δ=wL^4/8EI θ=-wL^3/6EI
三角形分布荷重 片持ち梁_三角形分布荷重 δ=wL^4/30EI θ=-wL^3/24EI

両端固定梁

荷重 荷重状態 最大たわみ δ たわみ角 θ
集中荷重 両端固定梁_集中荷重 δ=PL^3/192EI θ=0
等分布荷重 両端固定梁_等分布荷重 δ=wL^4/384EI

 

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たわみの公式の覚え方

まずは、公式の中に必ず含まれる以下のルールを覚えましょう。

  • 集中荷重によるたわみ:PL^3/EI
  • 等分布荷重によるたわみ:wL^4/EI

集中荷重の時はスパン(L)の3乗、等分布荷重のときは4乗です。

次に荷重によって異なる係数のうち、4つを押さえます。

単純梁の係数

  • 中央集中荷重:1/48
  • 等分布荷重:5/384

片持ち梁の係数

  • 先端集中荷重:1/3
  • 等分布荷重:1/8

4つの公式を把握することによって、似た条件のたわみを予想することが可能に。

例えば、「両端固定梁に集中荷重がかかるとき」のたわみは、δ= PL^3/192EI。

「両端ピンに集中荷重がかかるとき」にPL^3/48EIと覚えておけば、「両端固定の係数は両端ピンの係数1/48よりも小さいだろう」と予測できます。

語呂合わせで公式を覚える

資格試験などで公式を忘れてしまったときのために、自分なりの語呂合わせを決めておくと便利。

ここでは、有名な単純梁の語呂合わせを紹介します。

単純梁に集中荷重が作用するときの公式「PL^3/48EI」であれば、分母から分子へと読んで「弱(48)ったエイ(EI)をプール(PL)で見(3乗)た」と覚えます。

単純梁の等分布荷重「5wL^4/384EI」は、「桟橋(384)へGO(5)よ(4乗)」

 

たわみの求め方

たわみの公式のなかでも、必ず覚えておきたいのが片持ち梁(先端荷重)の計算式「δ=PL^3/3EI」。

片持ち梁の公式をつかって、単純梁や両端固定梁のたわみを求めることができるからです。

片持ち梁の公式から単純梁のたわみを求める方法

たとえば、単純梁の公式を片持ち梁の計算式から導いてみましょう。

単純梁の中央に集中荷重が作用して、梁がたわんだ状態をイメージしてください。

たわみ_片持ち梁による単純梁の計算

片持ち梁の変形と同じ部分を探します。

片持ち梁の先端に荷重がかかったときの公式「δ=PL^3/3EI」に当てはめます。

δ=(P/2)×(L/2)^3/3EI=PL^3/48EI

片持ち梁の公式をつかって、単純梁のたわみを求めることができました。

片持ち梁の公式から両端固定梁のたわみを求める方法

単純梁の中央に集中荷重が作用して、梁がたわんだ状態をイメージします。

片持ち梁の変形と同じ部分を見つけましょう。

たわみ_片持ち梁による両端固定梁の計算

片持ち梁のたわみの計算式を当てはめます。

δ/2=(P/2)×(L/4)^3/3EI=PL^3/384EI
δ=PL^3/192EI

両端固定梁に集中荷重が作用したときの公式を導けましたね。

 

まとめ

  • 以下の梁へ集中荷重・等分布荷重・三角形分布荷重が作用するときの「たわみ」の公式を一覧表で確認。
    • 単純梁
    • 片持ち梁
    • 両端固定梁
  • 公式の中に必ず含まれるルール
    • 集中荷重によるたわみ:PL^3/EI
    • 等分布荷重によるたわみ:wL^4/EI
  • 荷重によって異なる係数のうち重要な4つの数値
    1. 単純梁 中央集中荷重:1/48
    2. 単純梁 等分布荷重:5/384
    3. 片持ち梁 先端集中荷重:1/3
    4. 片持ち梁 等分布荷重:1/8
  • 片持ち梁の公式「δ=PL^3/3EI」をつかって、単純梁や両端固定梁のたわみを求めることができる。

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