スプライスプレートとは|鉄骨造の添え板の役割・規格・材質を解説

スプライスプレート 構造規定
  • スプライスプレートって何?
  • 鉄骨造の骨組みのどの部分に設置する?
  • 取り付け位置を図解してほしい。

こんな疑問に答えます。

 

本記事では、鉄骨造の部材のひとつ「スプライスプレート」についてわかりやすく解説。

スプライスプレートの役割や取り付け位置などを理解することができます。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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スプライスプレート(添え板)とは

スプライスプレートとは

スプライスプレートとは柱・梁などの継手において、おもに高力ボルト接合部に使われる添え板です。母材を挟み込むようにして使用します。

・継手(つぎて):部材の寸法を長くするために、同じ部材で継いでいくこと。
・高力(こうりき)ボルト:高張力の鋼で作られた強度の高いボルト。

鉄骨造のフレームの継手は、高力ボルトによって剛接合にすることが多いですね。

剛接合(ごうせつごう):部材同士を一体化する接合方法。

部材と部材をボルト接合するためにつなげる板(添え板)をスプライスプレートと呼びます。

スプライス(splice)は和訳すると「継ぎ合わせる」。

ちなみに、スプライスプレートを「ジョイントプレート」と呼ぶ人もいます。

ジョイント(joint)は「結合」と訳されることから部材をイメージしやすいですね。

 

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規格(部材の厚み)

スプライスプレートの一般的な規格(厚み)は以下のとおり。

  • 9mm
  • 12mm
  • 16mm
  • 19mm
  • 25mm

厚みに応じて以下の規格が定められています。

  • ボルト数
  • 長さ
  • 重さ

実施設計においては、鉄骨資材メーカーのカタログから規格を選ぶことになりますね。

 

材質

スプライスプレートの材質は「母材と同等とする」のが原則。つまり、接合する構造部材(通常は鋼材)と同じ材質を選ぶわけですね。

母材と同等の材質を使用することによって、構造部材との一体性を高め、強度や耐久性を均一に保つことができます。

材質は接合部で発生する応力や荷重を適切に伝達し、安定した構造を形成するための重要な要素。

 

スプライスプレートを示す記号

スプライスプレートは、図面では「SPL」もしくは「PL」と表記します。

スプライスプレートを英語で書くと「Splice Plate」。この中の「S」「P」「L」を組み合わせた記号ですね。

 

接合方法

スプライスプレートの接合方法は2種類あります。

  1. ボルト接合
  2. 溶接(ようせつ)接合

ボルト接合

ボルト接合は、スプライスプレートをボルトによって部材と接合する方法です。

施工手順

  1. スプライスプレートを部材に配置し、ボルト穴を合わせる。
  2. ボルトを挿入。
  3. ナットで締め付け。

溶接接合より簡易に、接合部の強度を確保することができます。

溶接接合

溶接接合は、スプライスプレートを溶接によって部材と接合する方法です。

スプライスプレートと部材の接触面を溶かし、固めることで溶接します。

溶接による接合は非常に強力で、高い強度を実現したいときに用います。

 

ガセットプレートとの違い

ガセットプレートとは、鉄骨造における大梁と小梁を接合する鋼板です。

ガセットプレート_角型鋼管

ガセットプレートとは 【スプライスプレートとの違い】の記事で詳しく解説しています。

 

まとめ

  • スプライスプレートとは、鉄骨部材の継手において使われる添え板。
  • スプライスプレートの材質は、接合する構造部材(通常は鋼材)と同じ材質を選ぶ。
  • スプライスプレートは、図面では「SPL」もしくは「PL」と表記。
  • スプライスプレートの接合方法は主に2種類。
    1. ボルト接合
    2. 溶接(ようせつ)接合

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