- 建築設計ができる企業に転職したいけど、将来性はあるのかな…?
- 転職してから後悔しないように、業界の内情やその後のキャリアアップについて知っておきたい。
こういった疑問に答えます。
✓ 本記事の内容
- 建築業界なら建築設計への転職をおすすめする5つの理由
- 建築設計に転職した際の具体的なキャリアプラン
- スキルが重視される時代、建築設計への転職は『あり』です。
このサイトは、転職回数3回で「建設業・建築士事務所・確認検査機関」という複数の業種を経験した一級建築士が運営しています。
建築業界で試行錯誤を繰り返しながら、仕事の幅を広げていった経緯をもとに書いていくので、ご参考までにどうぞ。
建築業界なら建築設計への転職をおすすめする5つの理由
建築業界で働く方に、『建築設計』への転職をおすすめする理由は次のとおり。
- 理由①:独立しやすい
- 理由②:副業しやすい
- 理由③:個人スキルが溜まる
- 理由④:建築業界のトレンドがわかる
- 理由⑤:無駄が少ない
理由①:独立しやすい
独立のしやすさは、「今は独立を考えていない」という人にとっても大切なことです。
というのも、今いる会社がどんな業種・規模であれ、いつ傾くか誰にもわからないから。
建築設計なら、会社でやっている業務を個人でも受けることができます。
つまり、会社でノウハウを貯めて、仕事の全体像をつかめれば、そのまま個人で独立できるわけです。
もちろん元いた会社の得意先を持っていくのは良くないかもしれません…。
ただ、僕の周りでは、サラリーマン時代の顧客とつながりをもとに独立した設計者が数多くいます。
理由②:副業しやすい
会社で一年ごとの微々たる昇給を待つより、副業した方が稼げるかと。
僕の知人も設計事務所で働きながら、休みの日の数時間を活かして月10万円くらい稼でいます。
会社に忠誠を誓ってもしょうがないので、設計スキルを磨きつつ副業するのも選択肢のひとつですね。
確認申請図書の図面作成や構造計算の代行業を受注して稼ぐのもよいかと。
理由③:個人スキルが溜まる
所属している企業の状況に左右されない「個人スキルを持つ人材」とは、どのような人でしょうか。
こちらの例をご覧ください。
- 事務作業が圧倒的にできる人材
- 建築設計が圧倒的にできる人材
どちらが社会に通用するかといえば、簡単だと思いますが、完全に後者です。
事務作業は、ある組織内でしか使えないノウハウが多く、会社への依存度が高くなりがち。ひとつの企業でしか評価されないスキルでは、その後の将来に活きないですからね。
理由④:建築業界のトレンドがわかる
建築設計に携わっていると、建築関連のトレンドに敏感な人が多いです。
僕も新しいニュースが気になりますし、最新のツールが好きなので、どんどん知識を吸収しています。
「自分は保守的で、成長とか興味ないので…」って人もいるかもしれませんが、問題なし。
人間は環境に染まりやすい生き物なので、日々新たな知識を得ている人が周りに多かったら、半年もすれば順応していきます。
建築業界のトレンドがわかるということは、これから需要のある建物やデザイン、構造がわかるということに繋がるので業界内で価値の高い人材になれます。
理由⑤:無駄が少ない
日本の企業はいろいろと無駄が多い気がします。
- 無駄な服装
- 無駄な通勤
- 無駄な会議
- 無駄な根回し
- 無駄な…
建築業界自体は、まだまだ古い体質も残っていて無駄もありますが、建築設計に関しては合理的に仕事をする会社が多いと思います。
例えば、営業マンはスーツを着た方がいいです。なぜなら、いろいろな価値観を持つ方々と関わるため、「スーツを着ていないなんて失礼」と思われる場合があるから。
では建築設計者ならどうでしょう?
スーツ不要、私服でOKという会社も多いですし、10時勤務開始など、通勤ラッシュを避ける工夫をしていたりします。
建築設計を中心に行う建築士事務所は、柔軟な社風の会社が多い。
僕が所属してきた会社も、結果は求められますが、昼休みは自由に取得できるなど…仕事に取り組みやすい環境でしたね。
建築設計業に転職したときの具体的キャリアプラン
建築設計に転職したら、その後の将来はどうなっているのか?
僕の経験や知人の例を出しつつ解説します。
- パターン①:ノウハウを得て独立
- パターン②:個人スキルを高めて、業種を少しずらして転職
- パターン③:個人スキルを蓄積して、上位企業に転職
大きく分けると、こんなイメージ。
上記を見るとわかりますが、”ノウハウ型”、”個人スキル型”に分かれています。
順番に見ていきましょう。
パターン①:ノウハウを得て独立【ノウハウ型】
組織系の設計事務所で構造設計を担当していた知人の話です。
もともと構造設計者としてノウハウを学んだあと、意匠系の設計事務所に転職。
そこで、建築設計全般のスキルを磨きつつ、一級建築士の資格を取得しました。
就職したときから起業を視野に入れていたので、ちょうど4年ほどで会社を辞めて独立。現在は経営者として働いています。
設計の知識は、単に一級建築士資格を取るだけでは身につかないので、個人で学ぶのは大変。それなら会社で仕事をこなしつつノウハウを貯めたが効率いいですよね。
さらに言うと、独立を視野に入れる場合は、大手企業よりも中小企業の方が有利。
例えば、”建築士”を”料理人”に置き換えるとわかりやすいですが、「カレー屋で独立する」と考えたときに”野菜を切る”という工程だけこなせたとしても独立は難しいですよね。
レシピ全体を理解し、カレーという料理を”一から十まで作ったことがある”という経験が重要。
その点で言うと、大手企業よりも中小企業で、仕事を始めから最後までやらせてもらえる環境の方が独立には有利かなと思います。
開発許可から意匠設計さらには工事監理までこなせる設計事務所は、いろいろな角度から受注が見込めるため、少数でも安定した経営をしていて「企業として強い」ですからね。
パターン②:個人スキルを高めて、業種を少しずらして転職
建築設計と一言でいっても意匠・構造・設備という分野に分かれています。さらに、設計事務所によっては「住宅だけしか受けない」とか、「保育所の設計が得意」など千差万別。
例えば、現在勤めている会社で「工場」をメインに設計しているとすれば、他の事務所へ転職したときに”工場設計スキル”という軸が自身の強みになります。
また、構造設計から意匠設計という軸のずらし方も市場価値が高いですね。
構造や設備の設計者は今の時代、引く手あまたなので、転職によって専門分野をずらすのは本当にオススメ。どんな企業に所属しても貴重な戦力になるかと。
ちなみに僕もこのパターンで転職していて、設計事務所で培ったスキルをもとに、確認検査機関の検査員へと軸をずらした経験があります。
転職活動をしていた頃は、キャリアプランを意識していなかったのですが、結果として良かったかなと思っています。
パターン③:個人スキルを蓄積して、上位企業に転職
建築設計の分野は、個人スキルを蓄積して、上位企業に転職するパターンが多いですね。
例えば、僕の友人は、もともと地方出身で大学入学を機に上京。
都市部で中小企業の構造設計者として働き、3年おきに2回転職して、大手企業への内定を得ていました。
1社でスキルを学べば、より待遇のいい別の会社へ、比較的簡単に転職できます。
僕の友人はまさにこれで、企業に属してスキルを高めつつ、給与アップの転職を繰り返していました。
ちなみに”転職を繰り返す”というのはIT業界に多い傾向で、スキルのあるエンジニアは引っぱりだこです。ジョブホッパーと呼ばれることも。
建築業界で広く通用するスキルを身につければ、給与交渉もしやすくなるので、年収をアップさせつつ転職を続ける”ジョブホッパー”を目指すことも可能。
スキルが重視される時代、建築設計への転職は『あり』です。
現代に生きていてつくづく思いますが、個人が力を発揮しやすい時代ですね。
建築設計は独立や転職がしやすいことに触れましたが、政府が「個人で生きる」ことを後押しするトレンドも生まれてきています。
代表的な事例が、副業解禁ですよね。
政府が「副業していいよ」と、個人の背中を押す日が来るなんて、10数年前の日本では考えられなかったこと。
クラウドソーシングも急激に普及しているので、自宅にいながら仕事ができる環境が整いつつあります。
第一歩は建築設計への転職から
もし今勤めている会社が無くなったと仮定して、なんのスキルも持てず、「資格もないから転職もできない。個人では稼げない」という人は人生の舵取りを間違っているかも。
「すぐに会社を辞めた方がいい」とまでは言いませんが、実務での経験が”資産”になるような働き方をすべきだと思います。
「経験が資産になる」という職業の一つとして、「建築設計に転職してみるのはいかがでしょう」という提案です。
時代は刻々と進んでいくので、早めに動いた方が有利。転職しようと思いたっても企業とのマッチングがうまくいかなければ、内定まで半年以上かかることもありますからね…。
まずは求人情報を見てみたり、経歴を転職サイトに登録して、自分の市場価値を確かめるだけでもOK。
現状に満足していない場合は、一歩踏み出すことで道が開けると思います。
✓ 建築設計への転職に役立つ転職サイト・エージェントまとめ
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