【脱・失敗】建築業界で転職する前にやるべきこと【建築業種を選ぶ】

建築士の転職
  • 建築業界で働いてるけど、転職したい。
  • 転職しても仕事が辛かったら嫌だな。
  • かといって、今の仕事を続けて上司のようにはなりたくない…。

こういった悩みに答えます。

 

本記事の内容

  • 建築業界で転職する前に仕事内容を理解すべきです
  • 転職で失敗を避けたいなら、まずは得意分野を探してみる
  • 初転職のあなたが、建築業界で転職する手順+転職にかかる期間

 

この記事を書いている僕は、建築業界での転職歴が3回ほど。

建築設計に関わる仕事を続けており、基本的に同業他社であれば、簡単に転職先を探せる程度のスキルと資格は持っています。決して高い給与をもらっているわけではないですが、残業はほとんど無く、趣味に使える時間も多いです。このブログもほぼ趣味に近いですし…。

 

こういった話をすると、「手に職があったり、資格を持ってるといいな…」って言われるので、今回は、建築業界で技術を身につけたり、転職を考える方向けに具体的な方法論を解説していきます。

 

建築業界で転職する前に仕事内容を把握する

建築関係の仕事といっても幅広いです。
まずは、ざっくりでいいので各分野ごとの仕事内容を把握しておきましょう。

  • その①:意匠設計
  • その②:構造設計
  • その③:設備設計
  • その④:施工管理
  • その⑤:検査関係

まだまだ多様な業種があると思いますが、独断と偏見で分類しました。
とりあえず5パターンを理解すれば、最低限の知識としてはOKかと。

順番にみていきましょう。

 

その①:意匠設計

意匠設計は仕事内容がイメージしやすいですよね。
巨匠ともなればTVでも目にすることがありますし、日本で有名な建築家で言えば、安藤忠雄さんとか、伊東豊雄さんとか、妹島和世さんとか…。世界的に有名なところでは、レム・コールハース、ヘルツォーク&ド・ムーロン、ザハ・ハディドなど。

 

意匠設計は、利用者が快適に使える機能性を保ちつつ、都市計画との融合を目的とした建築物を考えることが重要です。

さらに建築法規においては、防火避難や消防の面も考える必要もあり、総合的にモノゴトを見る視点が必須。

 

なお、メデイアでまだ名前が売れていない、名もなき設計事務所がいくつもあるので、日本には何社あるんだろう、、、ってくらい競争の激しい分野です。

 

誰に向いているか?

建築設計が心から好きな人ですね。

「心から」というのがポイントで、自分も経験しているのでよくわかるのですが、決して甘い世界ではないです。

特に、アトリエ系の設計事務所だと残業が多いかも…。答えがあるかどうかわからない問題に、昼夜を問わず挑み続けられるような、粘り強さが必要になります。

 

ただ、意匠設計には、デザイン系の業務以外にも、確認申請図面を代行したりして稼ぐ設計者の方もいるので、全ての設計事務所がブラック気質というわけではないです。

先入観をなくして、まずは面接で会社の雰囲気を見たり、実際に話を聞いてみて、判断するのが良いでしょう。

 

業界の将来性は?

意匠系は厳しい面もありますが、一度スキルを身につけると転職先の選択肢は多いです。
僕自身、意匠設計から確認検査機関に軸をずらして転職していますし、できる仕事の幅が広いのが特徴ですね。

一級建築士などの資格試験についても、製図試験は意匠経験者の方が有利かと。

つまり、設計スキルさえ身につければ将来は明るいと思います。

企業に依存して”言われたことだけやる”というタイプの人は向かないでしょう。1日でも早くスキルを身につけて、自立して仕事をこなすために、未経験の業務にどんどん飛び込んでいく必要があります。

 

その②:構造設計

構造設計は、僕の専門外ですけど、客観的な目で見て、もっともオススメの職種です。

建築学生はデザインがしたい、感覚的に仕事がしたいって人が多くて、意匠設計に進むことが多いです。

でも、実際は構造を理解した上で、意匠設計をしないと、デザインの幅が狭まるんですよね。

構造設計者は建築業界で必ず重宝されるので、自分の腕を頼りに生きていきたい方は、構造事務所への転職がおすすめ。

 

誰に向いているか?

数字を扱うことに苦手意識がない人ですね。
さらに言えば、数学や物理が得意だとなお良し。

構造設計は、構造計算書を作成したり、地震力や風圧力などの力の流れを考える必要がありますよね。「力学」を考えるだけでも嫌だという人は、成長を実感しづらいと思います。

 

業界の将来性は?

将来性は非常に明るいかなと。

日本は地震などの災害が多いので、建物の構造に対してこだわるユーザーは、今後ますます増えてきます。

建築構造に関する知識や経験は、年齢を重ねてもなくならない資産のようなもので、体力が低下したとしても仕事を続けられるメリットもありますね。

 

その③:設備設計

設備設計者は食いっぱぐれることはないと思います。

理由は、絶対数が少ないから。
建築学科を卒業して就職するときでも、意匠系の人気が高くて、設備に進もうという人が少ないんですよね。

TVなどのメディアで取り上げられるのも意匠設計者なので、いわゆる建築家に憧れる人が大半。だからこそ、設備設計者は狙い目です。

 

技術者の数が少なければ、需要が増えるので、自然と業務の単価が上がります。
省エネ適合性判定という制度ができたり、暮らしをIoT化するという時代の流れもあって、今後ますます設備設計者の活躍の場が広がるでしょう。

 

誰に向いているか?

最新の技術を日々学ぶのが好きな人。意匠設計や構造設計との調整能力に優れている人。

あとは、将来的に安定したい人ですかね。
仮に転職したとしても、引く手あまただと思うので、職を失うというリスクが少ないかと。

 

設備設計の中でも、電気設備、空調換気設備、給排水設備など、様々な分野に分かれているので少しでも興味を持てそうなものがあれば、飛び込んでみるのも「あり」です。

 

業界の将来性は?

建築業界の中でも、将来の見通しはかなり良いと思います。

設備を中心に、デザインや構造を決める、というような建物も実際に出てきているので、これから成長を続けていく分野でしょう。

IoTによって、IT業界という成長産業との、相乗効果で発展していく可能性も秘めています。

 

僕がもう少し若くて転職先を探している状況であれば、たとえ未経験分野だとしても設備設計で企業を探しますね。

狙うべきは設備設計のノウハウを身につけられる会社です。

 

その④:施工管理

施工管理とは、いわゆる現場監督。

僕は向いていない&やりたくない業種なので、、、正直言っておすすめはできません。
ここはちょっと偏見ありかもです。。。

 

自分が現場監督として必要な能力を持っていないと自覚しているからこそ、尊敬の念は人一倍強いですけどね。
街で気になる建物を見るたびに、この現場を仕切ってる監督はすごいな…、大変だろうな…とか、よく考えてます。

ブラック系も多いですし、体力的にも、精神的にもきついと思いますが、、、実物を完成させる楽しさがあったり、建築業界で比較的給与が高いというメリットがありますね。

 

誰に向いているか?

体力と知力をバランスよく備えている人。

めっちゃ分厚い施工図書に沿って、多数の人員を管理して、中長期プロジェクトを進めるといった能力が求められるかなと。

僕の中で現場監督は、世間で言われるような3Kではなく、優秀な人にしかできない仕事という認識ですね。

 

業界の将来性は?

正直な感想として、将来性は微妙。

施工管理の仕事自体はなくならないですが、建築着工件数そのものが少なると、仕事が減るので、売り上げが落ちていく可能性あり。

 

また、施工技術が発展して、建物の寿命も伸びているので、新築を建てることが少なくなっています。

新築を建てるよりも、リノベーションや増築といった分野が伸びてきているので、改修をメインにする施工会社は需要が増えそうですね。

 

その⑤:検査関係

例えば、確認検査機関の検査員や、耐震診断を行う事業者、もしくは市役所の建築指導課などですね。

特に、確認申請の図面審査をおこなう「確認検査員」という職業は僕も経験済みでして、わりとオススメです。

 

誰に向いているか?

「ものづくり」を仕事にするよりも、建築設計の問題点に気づいたり、その問題を解決したりすることが好きな人でしょうか。

特に確認検査員に限って言えば、人に自分の知識を共有したり、なにかを教えたりすることが得意な人も向いています。

 

僕も自分の学んだ知識を人と共有することが好きなタイプなので、ブログでも発信しているのですが、確認検査機関での仕事でも、その性格は良い方向に働いていたと思います。

 

業界の将来は?

利益率が高いので、営業力やマーケティング力のある企業は伸びていきます。

確認検査機関は、確認済証を商品として扱うのですが、実際は検査員の持つ建築基準法知識や審査のスキルを売って稼いでるような感じです。

 

原価が掛からず、人件費が主な支出となるため、利益率が高いのが特徴。

また、意匠設計などと違って、正解がわからない問題を解いているような、いつ仕事が終わるかわからないという感覚はありません。
毎日の業務の見通しが立ちやすいという点で言えば、ストレスは少ないかと思います。

 

転職で失敗を避けるために、まずは得意分野を探してみる

結論として、まずは自分で学習してみることです。
建築業界の仕事内容は、たいていインターネットで検索すればリサーチできますし、さらに書籍で知識を深めれば、イメージはつかめます。

 

一番大切なのは、まず自分で調べてみて、好きになれそうな分野を見つけることかなと思います。

 

僕はもともと読書が好きで、建築基準法を読むことも苦にならなかったので、確認検査機関での仕事はうまくマッチしていました。
もしかしたら、労働時間が人より長いかもしれませんが、得意なことをしているので、まったく気にならないですね。

 

業界分析も大切ですが、それよりも遥かに大切なことは”その対象が得意か不得意か”だと思います。得意な仕事を見つけたら、成長が速いですし、人の役にも立てるので幸福感も高まります。それってお金には変えられないものですよね。

 

あなたが建築業界で転職する手順+それにかかる期間

手順と期間をまとめました。

  • 手順①:まずは業界を理解する(期間:1週間)
  • 手順②:自分にあった建築分野を探してみる(期間:1ヶ月くらい)
  • 手順③:転職エージェントに相談する(期間:3〜6ヶ月)

 

こんなイメージかなと。
順番に見てきましょう。

 

手順①:まずは業界を理解する(期間:1週間)

この記事の序盤で解説したとおり。
「ある程度は理解できました」って人は、これ以上は何もしなくてOK。

「ちょっと不安だし、もうちょい調べたいな」って人は、書店とかで業界の解説本でも読んでおくと良いでしょう。ただ、読書でわかることは少ないので、あまりオススメはしませんが…。

 

手順②:自分にあった建築分野を探してみる(期間:1ヶ月くらい)

ここが最重要。

大切なことは”業界研究”ではなく、”得意な分野を見つけること”です。
就職したら毎日8時間くらい働きますよね?
全く成長が実感できない分野で毎日8時間、、、ただの地獄です。

 

まずは自分で試してみて、「あれ、これはちょっと得意かも」って分野を見つけましょう。

 

なお、僕の例でいうと「学生時代、建築法規のテスト得意だったな」という興味関心から、確認検査機関でのキャリアがスタートしました。確認検査員として審査に取り組んでみて、「自分の得意なことをすれば、人の役に立てるじゃん」って感じつつ、徐々にスキルアップした感じです。

飽きたら辞めればOKです。
まずは雑食的に色々試してみましょう。

 

手順③:転職エージェントに相談する(期間:3〜6ヶ月)

ここは手順②と並行してもいいかなと。
現在の仕事がつまらないって人は、転職エージェントに相談しておきましょう。

 

転職エージェントは3社くらい使うべき

転職エージェントは3社くらいに登録しつつ、話を聞いてみるのがいいかなと。

僕も以前に使ったことがあるのですが、転職エージェントってマッチング次第。どこの会社があなたに適した案件を持っているか分かりません。とりあえず幅広い分野を見てみるのが良いかと。

 

個人情報&自己アピールはしっかり記入すべき

転職エージェントに登録する際には、履歴書だったりの登録がありますが、自己アピールは詳細に記入しましょう。

 

僕は自己アピール部分に過去の経歴を載せていたので、自分に対して興味を持ってくれる会社もあり、いきなり部長面談に進めたこともあります。

転職活動は時間がかかるので、早めに動いておくのがいいですね。

 

登録しておくべき転職エージェント3社

 

なお、このあたりは建築業界に強い転職サイト・転職エージェント3社【後悔しないコツも紹介】でも詳しく解説しています。

というわけで今回は以上です。

 

建築業界で転職することの概要や流れが少し分かったかなと思います。
現時点だと、「建築そのものが自分に向いているか分からない」というのが本音だと思いますが、記事に書いたとおり”まずは小さく動いてみるのがオススメ”。

 

「仕事で時間がないよ」って思うかもですが、スキマ時間を使ってもいいので、まずは転職の可能性を探ってみましょう。

いま動き始めないと、将来は現状維持のまま変わらないので。
ぜひ、トライしてみてください。