
- 一級建築士を取ったから、転職しようかな…。
- 設計以外にも仕事の選択肢はある?
- 建築設計や施工監理の経験を活かせる、転職先が知りたい。
こんな疑問に答えます。
一級建築士や二級建築士ができる仕事は、設計者や現場監理者のほかにも、様々な業種があります。
- 定期報告調査員
- 耐震診断士
- 住宅性能評価員
- 瑕疵担保保険検査員
- 確認検査員
- 公務員
ざっと挙げるだけでも、こんなに。
この記事では、『定期報告調査員』の仕事について、気になる収入や仕事内容などを掘り下げていきます。

このサイトは、建築設計事務所で働いた経歴があり、転職も数回経験した一級建築士が運営しています。
転職先を選ぶなかで、悩みや不安を抱えた経験をもとに情報をまとめていくので、ご参考までにどうぞ。
特殊建築物の定期報告調査とは
一定の用途・規模の特殊建築物は、定期的に『調査資格者』が建築物を調査し、建築基準法に適合しているかどうかを特定行政庁に報告する義務があります。
これが『特殊建築物の定期報告調査』。
建築基準法12条に規定されていますね。
第12条
第6条第1項第一号に掲げる建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの(国、都道府県及び建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する建築物(以下この項及び第3項において「国等の建築物」という。)を除く。)及び当該政令で定めるもの以外の特定建築物(同号に掲げる建築物その他政令で定める建築物をいう。以下この条において同じ。)で特定行政庁が指定するもの(国等の建築物を除く。)の所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第3項において同じ。)は、これらの建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者(次項及び次条第3項において「建築物調査員」という。)にその状況の調査(これらの建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、これらの建築物の建築設備及び防火戸その他の政令で定める防火設備(以下「建築設備等」という。)についての第3項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
例えば、兵庫県のホテルまたは旅館であれば、地階・階数≧3または、床面積>300㎡の規模が定期報告の対象。兵庫県の対象建築物の一覧は以下のリンク先で確認できます。

それぞれの特定行政庁ごとに定期報告対象の建築物が定められていて、インターネット上で公開されているので、その都度チェックが必要です。
調査員に必要な資格と業務範囲【一覧表】
一級建築士、二級建築士、建築基準適合判定資格者であれば『定期報告調査員』として働くことができます。
さらに、建築士の資格を持っていなくても講習を受講して、建築設備やEVなど、得意分野に応じた調査資格者になることも可能。
調査員に必要な資格と業務範囲を一覧表にまとめると以下のとおり。
✔ 調査資格者ごとの業務範囲
資格 | 建築物 | 建築設備 | 昇降機、遊戯施設 |
一級建築士・二級建築士 | 〇 | 〇 | 〇 |
建築基準適合判定資格者 | 〇 | 〇 | 〇 |
特殊建築物等調査資格者 | 〇 | × | × |
建築設備検査資格者 | × | 〇 | × |
昇降機検査資格者 | × | × | 〇 |
調査員に必要なスキル・知識
調査員に必要なスキルは、建築基準法に関する知識です。
定期報告調査は、建築物が建築基準法に適合するかどうかを調査する仕事なので。

法令集を読むのもつらい、という方は向いていないかもしれませんね。
定期報告で調査する内容
調査する項目、調査の方法、適合・不適合の判定基準は、建築基準法の告示で細かく決められています。
大きく分けると5項目。
- 敷地
- 一般構造
- 構造強度
- 耐火構造
- 避難施設
設計図書を見ながら、目視・スケール・双眼鏡・テストハンマーなどを使って、建築物の現在の状況を調査します。
定期報告調査員の収入
1回の定期報告(例:病院・RC5階建・床面積1500㎡)は15万円程度が目安。
もちろん、用途や規模、調査会社によって異なります。

特殊な設備が必要なわけではなく、調査員の資格や経験・知識を活かした仕事。在庫リスクがなく、利益率は高そうですね。
定期報告調査員の求人情報を探す
定期報告調査員の仕事を探すなら、まずは転職サイトに登録。
転職サイトは、求人件数やサポートの手厚い大手企業から選ぶとよいのですが、特に重視したいのは、掲載情報が見やすく、履歴書などの入力がしやすい転職サイトに登録すること。
転職をしようと決めてから、就職が決まるまで平均3〜6ヶ月。その間に何度も転職サイトを見ることになります。
だからこそ、求人を探すときには情報が見やすく、ストレスの少ないサイトを選べましょう。
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定期報告調査員はニッチな業界ですが、設計以外の仕事がしたい場合に選択肢の一つとして考えてみるのもありかと。
残業がどの程度か、年収はどのくらいか等、興味のある方は上記3つの転職サイトを比較しつつ、チェックしてみてください。