- 一級建築士って、どのくらいすごい?
- どんな仕事ができる?
- 資格試験の合格率は何パーセント?
こんな疑問に答えます。
本記事では、一級建築士資格の魅力や難易度についてわかりやすく解説。
一級建築士の実態や資格を取得するメリットについて、具体的な数値やデータを交えて深掘りします。
資格試験を受けるべきかどうか悩む方にとって役立つ情報です。
このサイトは「ゼネコン・建築士事務所・指定確認検査機関」と複数の業種を経験した一級建築士が運営。
建築業界のなかでスキルの幅を広げつつ、収入を上げてきた経緯をもとに情報を発信しているので、ご参考までにどうぞ。
一級建築士が「できること」と「重要性」
一級建築士は建築士法によって、どのような用途・規模の建物でも設計する権限を持っています。
大型の商業施設から集合住宅、さらには特殊な建築物まで幅広く手がけることが可能。
私たちの生活に直結する建物を生み出す、まさに建築のプロフェッショナルです。
一級建築士の具体的な仕事内容
一級建築士の仕事は設計業務だけでなく、工事監理やコンサルティング、さらには都市計画に至るまで多岐に渡ります。
たとえば、大型商業施設の設計監理であれば、約3年の期間で数十億円のプロジェクトを遂行することも。一級建築士の高い専門性があってこそですね。
一級建築士の試験合格率と受験回数
一級建築士試験は、学科試験と製図試験の二段階に分かれています。それぞれの試験合格率は以下のとおり。
✓ 令和4年度 学科試験 合格率
受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|
30,007人 | 6,289人 | 21.0% |
✓ 令和4年度 製図試験 合格率
受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|
10,509人 | 3,473人 | 33.0% |
受験者は一般的に4回以上受験している方が多く、合格率は学科で15~20%、製図で30~40%、トータルで約10%となっています。
つまり、多くの受験者は繰り返し挑戦しているということ。一発合格はむしろ例外と言えます。
これは国家試験の中でもかなり厳しい部類に入るでしょう。
その難易度の高さは、試験範囲の広さと専門性の深さに起因するもの。法規、構造、設備など多岐にわたる専門知識が要求されます。
一級建築士の平均取得年齢
一級建築士の平均年齢は約50歳。ただし、資格試験では20代が最も合格率が高いというデータがあります。
合格者の平均年齢は30.5歳(※令和3年時点)。
これは、受験資格の改正や、若年層による受験者増加の影響も考えられますね。
経験を積んだ後、キャリアアップを目指すタイミングで取得を目指す方も多いでしょう。
資格をとれば出世や転職など、キャリアの幅が広がるため、実務経験を積んでから挑戦するのも理にかなっています。
一級建築士を取得するメリット
一級建築士資格で得られるメリットとして、特に顕著なのは年収の向上です。
✓ 平均年収の向上
一級建築士の平均年収は約500~700万円。
これは国税庁の統計によると、一般の給与所得者の平均年収(約436万円)を上回っています 。
特に、経験を積んだ30代から50代の一級建築士は平均年収が700~800万円台に達し、若年層よりも高い傾向にあります 。
✓ 収入とキャリアの向上
多くの企業では、一級建築士の資格取得により資格手当が支給されるため、収入が確実にアップします。
また、資格の有無は昇進・昇格の条件となっている場合も多く、キャリアアップにも直結しますね。
専門知識を活かして副業での収入を得ることも可能。
✓ 企業規模による収入の違い
企業の規模が大きいほど、一級建築士の年収は高くなります。
たとえば、従業員数が1,000人以上の企業で働く一級建築士の平均年収は約900万円。従業員数が99人以下の企業では平均576万円程度となります 。
このことから、大企業や規模の大きな設計事務所などで働く一級建築士は、高い収入を得る可能性が上がると言えます。
全国の一級建築士資格者数と不足問題
令和4年4月時点で、全国には37万5084人の一級建築士が登録されています。
✓ 建築士関連資格の登録者数(令和4年4月1日時点)
資格 | 登録者数 |
一級建築士 | 375,084人 |
二級建築士 | 777,670人 |
木造建築士 | 18,580人 |
一級建築士の割合 | 約32.0% |
出典: 日本建築士会連合会
✓ 一級建築士(建築事務所に所属する建築士のみ)の年齢構成 ※令和3年4月1日時点
- 20代:1,523人(1%)
- 30代:14,008人(10%)
- 40代:29,526人(21%)
- 50代:35,514人(25%)
- 60代:37,366人(27%)
- 70代:19,753人(14%)
- 80代:2,077人(2%)
- 90代:83人(0%)
- 合計 139,860人
出典:国土交通省
50代〜60代が半数以上を占め、20代は約1,500人と非常に少ないことから、一級建築士資格を持つ若年層の不足も問題視されています 。
高齢化による後継者不足や、新たな建築技術の導入により専門性が増しているため、引き続き高い需要が見込まれます。
一級建築士に求められる能力と性格
一級建築士として必要な能力は以下のとおり。
- 論理的思考力
- 創造性
- コミュニケーション能力
- 忍耐力
- 細部への注意を払う能力
プロジェクトを着実に遂行する責任感の強い方が向いていますね。
一級建築士を目指す魅力
専門性の高いスキルを持つことで自身の設計が形となって残る喜びや、社会への貢献度の大きさ、さらには経済的な見返りも大きいことが魅力。
また、建築士としての自立や独立を実現するステップとしても、非常に価値がある資格です。
まとめ
一級建築士は厳しい資格ですが、合格すればそれに見合うだけの大きな報酬があります。
建築業界での地位や収入の向上、多様なプロジェクトへの関与など、目指す価値は十分。若い世代にとって、夢を実現するための大きなステップとなるでしょう。
- 一級建築士は、どのような用途・規模の建物でも設計する権限を持る。
- 一級建築士の仕事
- 設計
- 工事監理
- コンサルティング
- 都市計画
- 受験者は一般的に4回以上受験している。
- 学科試験合格率:15~20%
- 製図試験合格率:30~40%
- 総合格率:約10%
- 一級建築士の平均年齢は約50歳。
- 全国には37万5084人の一級建築士が登録されている。(令和4年4月時点)
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