- 地盤って何?
- 砂質地盤や粘土質地盤の特徴は?
- 地盤調査や地盤改良についても詳しく知りたい。
こんな悩みに答えます。
本記事では、建築物の基礎を支持する「地盤」についてわかりやすく解説。
地震などの災害に強い建築物をつくるための基本となる知識が身につきます。
このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。
住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。
地盤とは【建築物を支える地面】
地盤とは、建築物や工作物の基礎を支える地面(土・岩など)のことです。
土地には建物の荷重に見合った強度が求められますね。
主な地盤の種類は3つ。
- 砂質地盤(砂質土)
- 粘土質地盤(粘性土)
- 岩盤
地盤の種類や性質・状態を理解することは、建築物の安全性の確保において非常に重要。
地盤の状況によって使用できる「杭の工法」「基礎の形式」も変わります。
ここからは代表的な地盤3種類について、詳しく解説していきます。
砂質地盤とは
砂質地盤とは、砂や礫の粒子で構成される地盤のこと。
粒子の大きさに応じて、地盤の耐力が異なります。
特に、細かな砂で構成された地盤では地震時に液状化のおそれがあるため、基礎の形状は慎重に選びましょう。
粘土質地盤とは
粘土質地盤とは、粒径が小さい土(粗粒分が50%以下の細粒土)の地盤です。
なかでも、古い地層はよく引き締まっているため、直接基礎とすることが可能。
反対に、新しい地層で地盤が十分に引き締まっていないと、「圧密」と呼ばれる現象により、長期的に建物が沈むおそれがあります。
岩盤とは
岩盤とは文字どおり、岩石でできている地盤のこと。
強固で安定した地質のため、直接基礎を設けることができます。
地盤沈下とは
自然現象や人為的な作業によって、地表面が収縮または陥没し、地盤が沈んでいく現象を「地盤沈下」といいます。
建築物を支持する地盤が沈むのは非常に危険。
だからこそ、建物を建てるにあたって地盤を調査し、軟弱な地盤であれば改良するという判断が必要となります。
✓ 地盤沈下の主な種類
- 圧密沈下
- 液状化
詳しくは、地盤沈下とは|沈む原因・対策・建築物の補修方法をわかりやすく解説の記事をご確認ください。
地盤調査とは
地盤調査では、専門会社が「地盤の強度」や「支持地盤の位置」を調べます。
✓ 調査の流れ
- 建設会社やハウスメーカーが地盤調査会社へ依頼
- 建築計画中の敷地で地盤調査を実施
- 地盤調査データを作成
- 地盤改良の要否を判定
- (地盤改良が必要な場合)地盤改良工法の選定
地盤調査の主な方法は3種類です。
- 静的貫入試験(スウェーデン式サウンディングなど)
- ボーリング調査(標準貫入試験)
- 平板載荷試験
詳しく知りたい方は、地盤調査とは|調査方法・費用・結果の確認方法をわかりやすく解説の記事をご確認ください。
地盤改良工事とは
建築計画中の土地が「軟弱地盤」だったとき、地盤改良工事によって「建築物が支持できる固い地盤」へ改善する必要があります。
代表的な工法は以下のとおり。
- 表層改良工法(=浅層混合処理工法)
- 柱状改良工法(=深層混合処理工法)
- 鋼管杭工法
それぞれの工事にかかる費用について、おおよその金額をまとめました。
- 表層改良工法:20~50万円
- 柱状改良工法:50〜100万円
- 鋼管杭工法:100~180万円(深度5〜6mで110〜140万円ほど)
工法ごとの特徴を詳しく知りたいは、地盤改良工事とは|費用・工法の種類・工期の目安をわかりやすく解説の記事をご確認ください。
まとめ
- 地盤とは、建築物や工作物の基礎を支える地面のこと。
- 主な地盤の種類
- 砂質地盤
- 粘土質地盤
- 岩盤
- 地盤沈下とは、自然現象や人為的な作業により、地盤が沈んでいく現象。
- 地盤調査の方法
- 静的貫入試験(スウェーデン式サウンディングなど)
- ボーリング調査(標準貫入試験)
- 平板載荷試験
- 地盤改良の工法
- 表層改良工法(=浅層混合処理工法)
- 柱状改良工法(=深層混合処理工法)
- 鋼管杭工法
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