基礎の設計基準まとめ|地耐力の設定方法を解説【令93条ただし書き】

基礎の設計基準 構造規定
  • べた基礎か、布基礎か、どちらを選べばいい?
  • 地盤の強さと基礎は関係ある?
  • 杭基礎を採用しなければいけないのは、どんな時?

こんな疑問や要望に答えます。

 

本記事では、建築物の基礎の構造と地盤こ関係について、わかりやすく解説。

建築基準法にもとづく基礎の設計方法を理解することができます。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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基礎構造の設計基準【地耐力に応じて選択】

基礎構造は、地耐力(地盤の長期許容応力度)をもとに以下のいずれかを選びます。

  • 布基礎
  • べた基礎
  • 基礎ぐい

地耐力に応じた基礎構造の早見表は以下のとおり。

地耐力
(地盤の長期許容応力度:kN/㎡)
基礎ぐい べた基礎 布基礎
地耐力< 20 × ×
20 ≦ 地耐力< 30 ×
30 ≦ 地耐力

 

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地耐力(地盤の長期許容応力度)の設定

基礎構造を選ぶには、以下のいずれかの方法で地耐力(地盤の長期許容応力度)を設定する必要があります。

  1. 地盤調査【スクリューウエイト貫入試験 (SWS 試験)など】
  2. 地盤の種類を確認して設定【令93条ただし書き】

 

地盤調査【スクリューウエイト貫入試験 (SWS 試験)など】

地盤調査(スクリューウエイト貫入試験など) により、地耐力を算出する方法です。

計算式【平13国交告第1113号第2(3)式】

地盤の長期許容応力度 qa=30+0.6Nsw(kN/㎡)
NSw:基礎の底部から下方2m以内の距離にある地盤のSWS試験における1mあたりの半回転数(150を超える場合は150とする)の平均値

地盤に液状化の可能性がある場合や、SWS試験で自沈するような軟らかい層がある場合は要注意。

建物の重さによる地盤沈下や変形を考慮し、建築物に有害な損傷・変形が生じないことを確認する必要があります。

 

地盤の種類を確認して設定【令93条ただし書き】

試掘などによって、地盤の種類が確認できた場合は、建築基準法で定められた下表の地耐力を採用することも認められています。

地盤 地耐力(kN/㎡)
岩盤 1,000
固結した砂 500
土丹盤 300
密実な礫層 300
密実な砂質地盤 200
砂質地盤(地震時に液状化のおそれのないものに限る) 50
堅い粘土質地盤 100
粘土質地盤 20
堅いローム層 100
ローム層 50

 

地盤を補強する方法

柱状改良・表層改良・杭基礎

計画地の地耐力が20kN/㎡未満の場合、通常は基礎ぐいの採用が必要です。

ただし、「地盤補強」によって地耐力を高めることで、べた基礎や布基礎を用いる方法もあります。

地盤補強の工法

  • 表層地盤改良(浅層混合処理)工法
  • 柱状地盤改良(深層混合処理)工法
  • 小口径鋼管杭工法

 

表層地盤改良(浅層混合処理)工法

表層改良工法は、軟弱層が地表面近くにあり、支持力が不足している場合に適用される工法。

基礎直下から1〜2m程度の厚さで、セメント系固化材を用いて地盤を平面的に改良します。

改良部の強度は土質に応じて、固化材の配合量を調整することで確保します。

 

柱状地盤改良(深層混合処理)工法

柱状改良工法は、軟弱層が厚い場合に用いられる工法で、杭状に地盤を改良します。

一般的には、セメント系固化材をスラリー状にして地盤中に注入し、土と混合・撹拌することで柱状の改良体をつくります。

改良体の直径は約60cmで、底部の支持力および側面の摩擦力によって支持力を確保。

スラリー状:粉体(粉末)と液体を混ぜた泥状・ペースト状の物質を指します。

 

小口径鋼管杭工法

鋼管杭工法は、軟弱層が厚い場合や、ばらつきがある場合、または支持層が傾斜している場合に採用される工法。

支持層に達するまで小口径の鋼管を打設し、建物荷重を支持します。

 

べた基礎の設計基準

べた基礎の設計基準は、建築基準法施行令第38条および平12建告第1347号に定められています。

ベタ基礎_設計基準

 べた基礎の設計基準

  1. 鉄筋コンクリート造であること。
  2. 立上り部分
    • 高さ:地上部分で300mm以上。
    • 厚さ:120mm以上。
  3. 底盤
    • 厚さ:120mm以上。
  4. 根入れの深さ
    • 最低120mm以上。
    • 凍結深度よりも深くすること。
  5. 鉄筋配置
    • 立上り部分には径12mm以上の異形鉄筋を使用し、上下端に1本以上配置すること。
  6. 地盤条件(地盤の長期許容応力度に応じて基礎形式を選定)
    • 20kN/m²未満:杭基礎のみ
    • 20kN/m²以上30kN/m²未満:杭基礎または、べた基礎
    • 30kN/m²以上:杭基礎、べた基礎、布基礎のいずれか

詳しくは、べた基礎とは|建築基準法による設計基準・メリットとデメリットを解説をご確認ください。

 

布基礎の設計基準

布基礎

布基礎の設計基準は以下のとおり。

  • 一体の鉄筋コンクリートとする。
  • 土台の下には、連続した立上り部分を設ける。
  • 立上り部分の高さは地上部分で30cm以上、立上り部分の厚さは12cm以上。
  • 底盤の厚さは15cm以上、最小幅は「下表(底盤の最小幅)」のとおり。
  • 根入れ深さは、24cm以上かつ凍結深度以深(基礎の底部が密実で良好な地盤に達して雨水等の影響を受けるおそれのない場合を除く)。
  • 立上り部分の主筋として、径12mm以上の異形鉄筋を、立上り部分の上端及び立上り部分の下部の底盤にそれぞれ1本以上配置し、かつ、補強筋と緊結。
  • 立上り部分の補強筋として径9mm以上の鉄筋を30cm以下の間隔で配置。
  • 換気口を設ける場合は、その周辺に径9mm以上の補強筋を配置して補強。
  • 底盤の幅が24cmを超えるものとした場合には、底盤に、補強筋として径9mm以上の鉄筋を30cm以下の間隔で配置し、底盤の両端に配置した径9mm以上の鉄筋と緊結。

 表(底盤の最小幅)

地耐力(地盤の長期許容応力度:kN/㎡) 平屋建て(㎝) 2階建て(㎝)
30≦地耐力<50 30 45
50≦地耐力<70 24 36
70≦地耐力 18 24

詳しくは、布基礎とは|設計基準・メリットとデメリット【べた基礎との違い】をご確認ください。

 

基礎ぐいの設計基準

建築基準法において、平12建告第1347号で定められた杭基礎の設計基準は以下のとおり。

check 設計基準
構造耐力上安全に基礎ぐいの上部を支えるよう配置すること
木造の建築物若しくは木造併用構造の木造の構造部分(’平家建ての建築物で延べ面積が50㎡以下のものを除く)の土台の下は、一体の鉄筋コンクリートの基礎ばりを設けること
組積造の壁若しくは補強コンクリートブロック造の耐力壁の下にあっては、一体の鉄筋コンクリート造の基礎ばりを設けること
場所打ちコンクリートぐいとする場合は次の基準を満たすこと

  1. 主筋として異形鉄筋を6本以上用い、かつ、帯筋と緊結する。
  2. 主筋の断面積の合計のくい断面積に対する割合を0.4%以上とする。
高強度プレストレストコンクリートぐいとする場合はJIS A5337-1995に適合するもの
遠心力鉄筋コンクリートぐいとする場合はJIS A5310-1995に適合するもの
鋼管ぐいとする場合は次の基準を満たすこと

  • くいの肉厚は6mm以上
  • くいの直径の1/100以上

詳しくは、杭基礎とは|基礎ぐいの種類・設計基準・メリットとデメリットを解説をご確認ください。

 

基礎構造について建築基準法を読む

基礎の技術的基準は建築基準法施行令38条に定められています。

「建築基準法を読みたくない」という方は、建築法規PRO2025 図解建築申請法規マニュアル建築申請memo2025 といった書籍で、図や表を見て理解を深めていきましょう。

(基礎)
第三十八条 建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない。
2 建築物には、異なる構造方法による基礎を併用してはならない。
3 建築物の基礎の構造は、建築物の構造、形態及び地盤の状況を考慮して国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。この場合において、高さ十三メートル又は延べ面積三千平方メートルを超える建築物で、当該建築物に作用する荷重が最下階の床面積一平方メートルにつき百キロニュートンを超えるものにあつては、基礎の底部(基礎ぐいを使用する場合にあつては、当該基礎ぐいの先端)を良好な地盤に達することとしなければならない。
4 前二項の規定は、建築物の基礎について国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、適用しない。
5 打撃、圧力又は振動により設けられる基礎ぐいは、それを設ける際に作用する打撃力その他の外力に対して構造耐力上安全なものでなければならない。
6 建築物の基礎に木ぐいを使用する場合においては、その木ぐいは、平家建の木造の建築物に使用する場合を除き、常水面下にあるようにしなければならない。

地盤の許容応力度は、建築基準法施行令93条ただし書きに記載。

(地盤及び基礎ぐい)
第九十三条 地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力は、国土交通大臣が定める方法によつて、地盤調査を行い、その結果に基づいて定めなければならない。ただし、次の表に掲げる地盤の許容応力度については、地盤の種類に応じて、それぞれ次の表の数値によることができる。

 

まとめ

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