フレア溶接とは|記号・基準・必要資格を解説【アーク溶接との違い】

フレア溶接 構造規定
  • フレア溶接って、どんな溶接方式?
  • 図面でフレア溶接を示す記号は?
  • アーク溶接との違いが知りたい。

こんな疑問に答えます。

本記事では、フレア溶接についてわかりやすく解説。

耐震補強工事や大型建造物の施工において、鉄筋接合を用いるなら欠かせない知識です。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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フレア溶接とは

フレア溶接とは、部材同士を重ね合わせ、アーク溶接でつなぎ合わせる方法です。

接合する2つの部材それぞれの円弧、または円弧と直線による開先(かいさき)へ溶接します。

フレア溶接とは

フレア(flare)は日本語で「朝顔形に広げる、膨らむ」を意味する言葉。

フレアスカート(flare skirt)のように朝顔状、円弧状に広がった溝へ溶接することから「フレア溶接」という名前がついたと言われています。

建築においては、主に以下のような部材の接合に用いられますね。

  • 柱フープ筋
  • 鋼管杭
  • ひげ筋
  • 床スラブ筋
  • 杭頭補強筋

 

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フレア溶接の記号

フレア溶接の記号は下図のとおり。

フレア溶接_記号

フレア溶接_記号_K型

 

のど厚の基準

フレア溶接の「のど厚」を下図に示します。

フレア溶接_のど厚

のど厚(読み:のどあつ)とは、溶接の厚み。「のど厚」のうち応力が伝わる厚みを「有効のど厚」といいます。

規格では下限を薄板側の70%以上と定めています。

 

溶接長さ

フレア溶接の溶接長さは原則として以下のとおり。

  • 片面溶接:10d以上(dは鉄筋径)+2S(Sは溶接サイズ)
  • 両面溶接:5d以上(dは鉄筋径)+2S(Sは溶接サイズ)

実務においては両面溶接を採用することが多いですね。

 

フレア溶接に必要な資格

フレア溶接を実施するにあたって必要な資格は、半自動溶接適格性証明書です。

日本溶接協会により溶接技能が認証された際に、溶接技能者に対して発行されます。

 

アーク溶接との違い

アーク溶接とは、空間的に離れた2つの電極に電圧をかけて発生する高熱を利用して溶接する方法です。

高い熱と同時に弧(Arc)状の強い光を発することから「アーク溶接」と呼ばれています。

フレア溶接は継手工法の種類の一つであり、接合はアーク溶接で行います。

アーク溶接は溶接方法、フレア溶接は継手工法という違いですね。

 

隅肉溶接との違い

すみ肉溶接とは、母材(溶接する鋼板)を重ねたり、T字形に接合する場合に用いられる方式です。

母材(読み:ぼざい):溶接・ブレーズ溶接・ろう接で、接合または肉盛りされる材料。金属材料の場合は、母材金属ともいう。

すみ肉溶接

詳しくは、すみ肉溶接とは|記号の書き方、脚長・サイズ・のど厚の意味を解説をご確認ください。

 

まとめ

  • フレア溶接とは、部材同士を重ね合わせ、アーク溶接でつなぎ合わせる方法。
  • フレア溶接の溶接長さ(dは鉄筋径)
    • 片面溶接:10d以上
    • 両面溶接:5d以上
  • アーク溶接とフレア溶接の違い
    • アーク溶接:溶接方法
    • フレア溶接:継手工法
  • すみ肉溶接とは、母材を重ねたり、T字形に接合する場合に用いられる方式。

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