アルミ溶接って、どんな工法?
どのような機器で溶接する?
アルミ溶接はむずかしいってホント?
こんな疑問に答えます。
本記事では、アルミ溶接についてわかりやすく解説。
アルミニウムを溶接するときの注意点やメリット・デメリット、工法に関する基礎知識が身につきます。
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アルミ溶接とは【アルミニウム合金を接合する工法】
アルミ溶接とは、アルミニウム合金を接合する溶接工法です。
アルミニウムは軽くて加工性が良いものの、工業用の素材としては強度が小さく、一般的には合金化や熱処理、圧延などの加工を行うことで強度を高めて利用されます。
アルミには様々な種類があり、それぞれ溶接性が異なるため注意しましょう。
JISによって、A(Aluminium)に続く4ケタの数字(1000系~7000系)で区分されています。
どの材料を使用するか、それぞれの特徴や性質の理解が必要ですね。
アルミ溶接の方法
一般的にアルミを溶接する場合は、ティグ(TIG)溶接をおこないます。
✓ 作業手順
- 清掃:アルミニウム表面をきれいにし、油や汚れを取り除く。ワイヤブラシなどで溶接部の酸化膜を除去する
- 準備:溶接機や必要な保護具を準備し、溶接位置を確認。
- 溶接:タングステン電極を使用したTIG溶接機を使い、アルゴンガスをシールドガスとして流す。電極とアルミニウム板の間にアークを発生させ、熱を利用してアルミニウムを溶かす。
- 冷却:溶接が完了したら、溶接部を冷却。
- 検査:溶接部の品質を検査し、必要に応じて修正。
- 仕上げ:必要に応じて、溶接部を研磨して仕上げる。
溶接の開始位置で、必要な溶け込みが得られる大きさの溶融池(ようゆうち)を形成しましょう。
この溶融池の大きさを一定に保つのが作業のコツです。
詳しくは、ティグ(TIG)溶接とは|資格・作業のコツ・溶接機の仕組みを解説をご確認ください。
アルミ溶接の注意点
アルミニウムは、他の材料に比べてブローホールや割れが発生しやすく、溶接がむずかしいと言われています。
ブローホールの発生防止には、溶接部表面の酸化膜、油脂や汚れの除去が必要。シールドガス中の水分の除去なども求められますね。
溶接割れは、材料強度を高めるために合金元素を多く添加した材料で発生しやすいもの。
熱量が大きくなりすぎないよう、「溶接割れ」の防止に有効な溶接棒、ワイヤを使用しましょう。
まとめ
- アルミ溶接とは、アルミニウム合金を接合する工法。
- 一般的にアルミを溶接する場合は、ティグ(TIG)溶接を採用。
- アルミニウムは、他の材料に比べてブローホールや割れが発生しやすい。
- 溶接のコツ:溶接の開始位置で必要な大きさの溶融池を形成し、大きさを一定に保つ。
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