インバート枡とは|汚水排水の仕組みを解説【トラップ枡との違い】

インバート枡 建築基準法まとめ
  • インバートますって何?
  • 排水設備の仕組みがわからない。
  • トラップ枡との違いが知りたい。

こんな疑問や要望に答えます。

 

本記事では、「インバート枡」についてわかりやすく解説。

建築設備設計において、汚水排水の計画をするなら欠かせない基礎知識が身につきます。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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インバート枡とは

インバート枡とは、汚物が流れやすいように、底部にインバート (半円形の溝)が設けてある汚水桝です。

インバート枡

下水道管の合流点や分岐点に設置され、汚水を適切に流すための役割を果たすもの。

インバート枡の底には、U字形の溝(水路・水みち)が設けられており、汚水を適切な方向に流します。

点検や清掃を容易にするためのふたも設けられていますね。

英語では「cess pit in invert」(セスピット イン インバート)。

  • cess:汚物
  • pit:地面に設けられた穴
  • invert:逆アーチ、管の底面

主に、住宅や店舗などの建築物で、敷地内の汚水枡として設置されています。

 

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インバート枡による排水の仕組み

インバート枡は、底部に設けられた溝によって、排水中の固形物がスムーズに流れるよう方向性をもたせ、乱れを生じさせない設計となっています。

水以外の重いものが沈殿しやすい構造になっているわけですね。

定期的なメンテナンスを怠ると、汚泥やゴミがたまることで流れが悪くなり、悪臭が発生することも。

年に1~2回程度の清掃が推奨されています。

蓋を開けて内部の汚泥やゴミをブラシやヘラで取り除きましょう。

 

トラップ枡との違い

トラップ枡とは、排水設備において、水回りから出る排水や汚水を敷地外の排水本管へ流す際に、ゴミ溜めの役割を果たす設備です。

トラップ枡

排水に含まれる水や油、固形物などを分離し、水の層だけが下水へ流れていくようにする仕組みを持つもの。

トラップ枡とインバート枡の主な違いは、それぞれの構造と使用目的にあります。

  • トラップ枡:固形物や油分を分離するため、主に厨房からの排水に使用。
  • インバート枡:汚水の流れをスムーズにするため、主にトイレからの排水に使用。

 

トンネル工事におけるインバートとの違い

土木工事用語において「インバート」は、トンネルの底面を指します。

トンネルのインバートは、逆アーチ型にコンクリートで固めた部分。これは、トンネルが地盤からの圧力に耐えられるようにするために必要不可欠な構造です。

地盤からの圧力は、トンネル全体だけでなく、特に底面に集中するもの。

インバートは、この圧力を分散し、トンネルの変形や崩落を防ぐのに役立っています。

トンネルができあがると地面の下で見えなくなりますね。

 

まとめ

  • インバート枡とは、底部に水路(水みち)を設けた汚水桝。
  • トラップ枡とは、水回りから出る排水を排水本管へ流す際に、ゴミ溜めの役割を果たす設備。
  • 土木工事用語において「インバート」は、トンネルの底面を指す。

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