アネモ型吹き出し口とは|意味・特徴・結露対策を解説【空調設備】

アネモとは 建築基準法まとめ
  • 建設用語の「アネモ」って何?
  • 空調設備として、どんな特徴がある?
  • どんな建築物に用いられる?

こんな疑問や要望に答えます。

 

本記事では、建築設備である「アネモ(吹き出し口)」についてわかりやすく解説。

用語の定義や吹き出し口の役割を理解できるため、空調設備の設計において役立つ情報です。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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アネモ型吹き出し口とは

『アネモ型吹き出し口』とは、空調用に天井へ取り付けられる空気拡散のための吹き出し口です。

通称「アネモ」または「アネモスタット」とも呼ばれ、吹き出し空気と室内空気の混合がよく、角形・丸形などの形状があります。

アネモ_丸アネモ・角アネモ

この吹き出し口は、放射状に空気が広がるのが特徴。

商業施設やビルなどさまざまな場所で広く使用されていますね。

コーン状の羽根から放射状に気流が広がり、 中コーンを上下させることによって気流の方向を調整することができます。

 

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アネモ型吹き出し口の種類

アネモ型吹き出し口の形状は、主に以下の2種類。

  • 丸型アネモ:円形のデザインで、中央から均等に空気を分散させるタイプ
  • 角型アネモ:四角形のデザインで、角から空気を分散させるタイプ

角型と丸型のアネモ型吹出口は、それぞれ異なる特性を持ち、効率性は設置環境や使用目的によって変わります。

丸型アネモ

丸型アネモは、中央から均等に空気を分散させることができ、室内の空気を混ぜながら効率よく空調できるメリットがあります。

丸アネモ

例えば、広い範囲を均一に空調したい場合は丸型が適しているでしょう。

角型アネモ

角型アネモは、特定の方向に空気を送ることができ、空調が必要な特定のエリアを効率的にカバーすることが可能です。

角アネモ

特定のエリアに集中して空調を行いたい場合は角型が有効です。

 

アネモ型吹き出し口の風量を調節する方法

アネモ型吹出し口の風量を調節する方法は、主に以下の3パターン。

  1. 中コーンを上下に動かす
  2. ダンパー(シャッター)の開き具合を調整する
  3. ファンを取り付ける

中コーンを上下に動かす

アネモ型吹出し口には「中コーン」と呼ばれる部分があり、上下に動かすことで風向きを変えられます。

アネモ_中コーン

夏は冷房の空気を水平方向に拡散させるためにコーンを下げ、冬は暖房の空気を床まで送るためにコーンを上げます。

ダンパー(シャッター)の開き具合を調整する

中コーンの奥には、ダンパーと呼ばれる羽根があります。

ダンパーの調節ネジをドライバーで回転させれば、風量を調節できます。

ファンを取り付ける

吹出し口にファンを取り付けて、室内の空気を混ぜることにより、温度差を減らすことができます。

室内にいる人へ直接、風が当たるのを防ぎ、快適な環境を保つことが可能に。

 

アネモ型吹き出し口の結露対策

アネモ型吹き出し口の結露対策は、以下のとおり。

  • 結露防止機構付きのアネモの使用
  • ファンの取り付け
  • 特殊塗装の施工
  • 結露防止カバーの取り付け

結露防止機構付きのアネモの使用

外気の侵入しやすいエリアでは、結露防止機構付きのアネモを使用することにより、結露が発生しにくくなります。

ファンの取り付け

吹き出し口にファンを取り付けることで、室内の空気をかき混ぜ、温度差を減らすことができます。

特殊塗装の施工

アネモスタットの表面に特殊な塗装をほどこすことで、表面を断熱し、湿度が高い状態でも結露を抑えます。

結露防止カバーの取り付け

吹き出し口本体に断熱材を貼りつけることで、外気との接触をなくし、結露の発生を防ぎます。

 

【Q&A】アネモ型以外にどんな吹き出し口がある?

空調設備の吹出口には、以下の種類があります。

  • アネモスタット型
  • ライン型
  • ユニバーサル型
  • ノズル型

ライン型

ライン型は、天井に設置されたライン状の吹き出し口から幅広く空気を吹き出します。

内部のべーン(羽根)によって吹き出す方向の自動調整や風量調整ができるものも。

幅広く空気を吹き出せるため、ベリメータゾーンでの使用にも適していますね。

ペリメーターゾーン:建物の外周部、特に外壁から部屋の中心に向かって水平距離3.5~5m程度のエリアのこと。このゾーンは外気の影響を受けやすく、冬場は窓際で空気の温度が下がる。

ユニバーサル型

ユニバーサル型とは、面状に空気を吹き出し、 格子状の縦横の羽根 (ベーン) を可動させて風向を変えられるものです。

機器内部にシャッターを取り付けて風量調整ができるタイプなどもあります。

ノズル型

ノズル型の吹出口は、風を遠くまで送ることができるため、 天井の高い劇場やホール、体育館や工場などでも多く使われています。

室内の発熱量が多い厨房や工場などのスポット空調などで使われることも。

ノズルの調整によって、吹き出し方向を調整することも可能で、コンパクトに設計されています。

 

まとめ

  • アネモとは、空調用に天井へ取り付けられる空気拡散のための吹き出し口。
  • アネモの形状は、主に以下の2種類。
    • 丸型アネモ
    • 角型アネモ
  • アネモの風量調節方法は、以下の3パターン。
    • 中コーンを上下に動かす
    • ダンパーの開き具合を調整する
    • ファンを取り付ける

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