- ヤング係数(弾性係数)って何?
- 単位は?
- どのように算定する?
こんな疑問に答えます。
本記事では、建築構造における「ヤング係数」についてわかりやすく解説。
構造計算に必要な材料の性質を表す数値のひとつで、部材の強度やたわみ(変形)を求めるのに欠かせません。
✔️ 構造計算で扱う基本的な数値
- ヤング係数
- 密度
- 許容応力度
- ポアソン比
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ヤング係数(=弾性係数)とは【変形しにくさを数値化】
ヤング係数(=弾性係数)とは、材料によって異なる「変形しにくさ」を表す数値。
部材の応力や変形を算出するときに必要で、数値が大きいほど部材は固く、低いほど柔らかいといえます。
数式で書くときの記号は「E」。単位は「N/㎟」。
応力による「ひずみの変化率」を示しており、構造計算において「たわみ量」を求める際に用いられます。
ヤング係数の求め方
ヤング係数は、応力度とひずみ度の関係をグラフに示したときの「線の傾き」にあたります。
例えば、コンクリートのヤング係数を見てみましょう。
ヤング係数E=σ/ε
- E:ヤング係数
- σ:応力
- ε:ひずみ
他にも鉄筋のヤング係数を考えてみます。
ヤング係数は、応力度とひずみが線形的にすすんでいる区間(弾性領域)の「傾き」です。
鋼の場合、強度に関わらず一定の値を示します。この性質が、建築構造において鉄骨造を用いるメリットの一つですね。
ヤング係数の目安
建築構造に用いられる代表的な材料のヤング係数(目安)をまとめました。
- 木(スギ材):7000N/㎟
- 鉄:205000N/㎟
- コンクリート:21000N/㎟
木のヤング係数は樹種によって異なります。
材料 | ヤング係数(N/㎟) |
木 | 3900~11000 |
鉄 | 20500 |
コンクリート |
21000 計算式: |
アルミニウム | 7000 |
曲げ剛性とは【ヤング係数×断面二次モーメント】
ヤング係数と断面二次モーメントの積が「曲げ剛性」です。
「曲げ剛性が大きいほど、部材は変形しにくい」と言えます。
まとめ
- ヤング係数(=弾性係数)とは、材料によって異なる「変形しにくさ」を表す数値。
- 数式で書くときの記号:E
- 単位:N/㎟。
- ヤング係数は、応力度とひずみ度の関係をグラフに示したときの「線の傾き」。
- 計算式:E=σ/ε
- E:ヤング係数
- σ:応力
- ε:ひずみ
- ヤング係数と断面二次モーメントの積が「曲げ剛性」。
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