ヤング係数(弾性係数)とは|単位・求め方・部材ごとの数値を解説

ヤング係数 構造規定
  • ヤング係数(弾性係数)って何?
  • 単位は?
  • どのように算定する?

こんな疑問に答えます。

本記事では、建築構造における「ヤング係数」についてわかりやすく解説。

構造計算に必要な材料の性質を表す数値のひとつで、部材の強度やたわみ(変形)を求めるのに欠かせません。

✔️ 構造計算で扱う基本的な数値

  1. ヤング係数
  2. 密度
  3. 許容応力度
  4. ポアソン比

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住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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ヤング係数(=弾性係数)とは【変形しにくさを数値化】

ヤング係数(=弾性係数)とは、材料によって異なる「変形しにくさ」を表す数値。

部材の応力や変形を算出するときに必要で、数値が大きいほど部材は固く、低いほど柔らかいといえます。

数式で書くときの記号は「E」。単位は「N/㎟」

ヤング係数という名称は、発見者であるイギリスの学者「トマス=ヤング」による。

応力による「ひずみの変化率」を示しており、構造計算において「たわみ量」を求める際に用いられます。

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ヤング係数の求め方

ヤング係数は、応力度とひずみ度の関係をグラフに示したときの「線の傾き」にあたります。

例えば、コンクリートのヤング係数を見てみましょう。

ヤング係数_コンクリート

ヤング係数E=σ/ε

  • E:ヤング係数
  • σ:応力
  • ε:ひずみ

他にも鉄筋のヤング係数を考えてみます。

ヤング係数_鉄筋

ヤング係数は、応力度とひずみが線形的にすすんでいる区間(弾性領域)の「傾き」です。

鋼の場合、強度に関わらず一定の値を示します。この性質が、建築構造において鉄骨造を用いるメリットの一つですね。

ヤング係数の目安

建築構造に用いられる代表的な材料のヤング係数(目安)をまとめました。

  • 木(スギ材):7000N/㎟
  • 鉄:205000N/㎟
  • コンクリート:21000N/㎟

木のヤング係数は樹種によって異なります。

材料 ヤング係数(N/㎟)
3900~11000
20500
コンクリート

21000

計算式:
3.35 × 104 × ( γ / 24 )2 × ( Fc / 60 )1/3
γ:コンクリートの単位体積重量
Fc:コンクリートの設計基準強度

アルミニウム 7000

曲げ剛性とは【ヤング係数×断面二次モーメント】

ヤング係数と断面二次モーメントの積が「曲げ剛性」です。

曲げ剛性=ヤング係数E×断面二次モーメントI

「曲げ剛性が大きいほど、部材は変形しにくい」と言えます。

まとめ

  • ヤング係数(=弾性係数)とは、材料によって異なる「変形しにくさ」を表す数値。
    • 数式で書くときの記号:E
    • 単位:N/㎟。
  • ヤング係数は、応力度とひずみ度の関係をグラフに示したときの「線の傾き」。
  • 計算式:E=σ/ε
    • E:ヤング係数
    • σ:応力
    • ε:ひずみ
  • ヤング係数と断面二次モーメントの積が「曲げ剛性」。

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