布基礎とは|設計基準・メリットとデメリット【べた基礎との違い】

布基礎 構造規定
  • 布基礎って何?
  • べた基礎とどう違う?
  • 布基礎のメリットやデメリットが知りたい。

こんな疑問や要望に答えます。

本記事では、建築物の基礎工法の一つ「布基礎」についてわかりやすく解説。

布基礎の設計基準、メリット・デメリットを理解することができます。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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布基礎とは

布基礎(ぬのぎそ)とは、壁や柱の下に逆T字型のコンクリートを流し込む工法の基礎です。

フーチング_複合フーチング基礎(布基礎)_断面図

布のように細長い基礎を使用するため「布基礎」と呼ばれています。

布基礎は点と線で建物を支える構造で、特に部分的な強度を高められるという特徴があります。

 

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布基礎の設計基準【平12建告第1347号】

出典:国交省

布基礎の設計基準は以下のとおり。

  • 一体の鉄筋コンクリートとする。
  • 土台の下には、連続した立上り部分を設ける。
  • 立上り部分の高さは地上部分で30cm以上、立上り部分の厚さは12cm以上。
  • 底盤の厚さは15cm以上、最小幅は「下表(底盤の最小幅)」のとおり。
  • 根入れ深さは、24cm以上かつ凍結深度以深(基礎の底部が密実で良好な地盤に達して雨水等の影響を受けるおそれのない場合を除く)。
  • 立上り部分の主筋として、径12mm以上の異形鉄筋を、立上り部分の上端及び立上り部分の下部の底盤にそれぞれ1本以上配置し、かつ、補強筋と緊結。
  • 立上り部分の補強筋として径9mm以上の鉄筋を30cm以下の間隔で配置。
  • 換気口を設ける場合は、その周辺に径9mm以上の補強筋を配置して補強。
  • 底盤の幅が24cmを超えるものとした場合には、底盤に、補強筋として径9mm以上の鉄筋を30cm以下の間隔で配置し、底盤の両端に配置した径9mm以上の鉄筋と緊結。

表(底盤の最小幅)

地耐力(地盤の長期許容応力度:kN/㎡) 平屋建て(㎝) 2階建て(㎝)
30≦地耐力<50 30 45
50≦地耐力<70 24 36
70≦地耐力 18 24

 

布基礎のメリット

布基礎の主なメリットは以下のとおり。

  1. コストパフォーマンスの良さ
  2. 寒冷地への適応性
  3. 部分的な強度を高めやすい
  4. 柔軟な設計対応

 

コストパフォーマンスの良さ

布基礎は必要な部分だけに基礎を設置するため、使用するコンクリートや鉄筋の量が少なく、施工費用を抑えられます。

掘削量も少なく済むため、土の処理費用も削減可能ですね。

寒冷地への適応性

寒冷地では地面が凍結して膨張し、建物を押し上げる「凍上」が発生する可能性があります。

布基礎は凍結深度より深い位置に基礎を設置することで、この影響を軽減。

そのため、北海道や東北地方などの寒冷地で多く採用されています。

部分的な強度を高めやすい

布基礎は柱や壁の下に重点的に基礎を設置するため、荷重が集中する箇所の強度を効率的に高めることができます。

特に、鉄骨造など柱数が少ない建物で有効。

柔軟な設計対応

布基礎は必要な部分だけに基礎を設置するため、設計の自由度が高く、地形や建物の形状に合わせた柔軟な対応が可能です。

 

布基礎のデメリット

布基礎のデメリットをまとめました。

  1. 耐震性がベタ基礎より劣る
  2. 地盤の強さに左右されやすい
  3. 湿気・シロアリ被害のリスク

 

耐震性がベタ基礎より劣る

布基礎は「点と線」で建物を支える構造のため、「面」で支えるベタ基礎に比べて耐震性がやや低くなります。

特に地盤が弱い場合、基礎の一部が沈下しやすく、建物の傾きやゆがみの原因となります。

地盤の強さに左右されやすい

布基礎は地盤の強さに大きく依存します。

弱い地盤の上に布基礎を施工すると、基礎の安定性が損なわれ、建物全体の安全性に影響を及ぼす可能性があります。

湿気・シロアリ被害のリスク

布基礎の床下は地面が露出している部分が多く、ベタ基礎よりも地面からの湿気が伝わりやすいです。

木材の腐食やシロアリ被害のリスクが高くなりますね。定期的な点検や防蟻対策が必要です。

 

布基礎とべた基礎の違い

べた基礎とは、建物の床下全体に渡って鉄筋コンクリートを敷き詰めた基礎です。

べた基礎と布基礎の特徴を比較すると以下のとおり。

べた基礎 布基礎
構造 面で支える 点や線で支える
耐震性 高い やや低い
湿気対策 優れている やや劣る
コスト 高い 低い
施工期間 長い 低い
適用地盤 軟弱地盤にも対応可能 安定した地盤に適している
寒冷地適性 不向き 向いている

 

布基礎について建築基準法を読む

基礎については、建築基準法施行令第38条および平12建告第1347号に定められています。

「建築基準法を読みたくない」という方は、建築法規PRO2025 図解建築申請法規マニュアル建築申請memo2025 といった書籍で、図や表を見て理解を深めていきましょう。

(基礎)
第三十八条

建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない。

2 建築物には、異なる構造方法による基礎を併用してはならない。

3 建築物の基礎の構造は、建築物の構造、形態及び地盤の状況を考慮して国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。この場合において、高さ十三メートル又は延べ面積三千平方メートルを超える建築物で、当該建築物に作用する荷重が最下階の床面積一平方メートルにつき百キロニュートンを超えるものにあつては、基礎の底部(基礎ぐいを使用する場合にあつては、当該基礎ぐいの先端)を良好な地盤に達することとしなければならない。

以下省略

平成12年5月23日 建設省告示第1347号

建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件

第1 建築基準法施行令(以下「令」という。)第38条第3項に規定する建築物の基礎の構造は、地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度(改良された地盤にあっては、改良後の許容応力度とする。以下同じ。)が1平方メートルにつき20キロニュートン未満の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造と、1平方メートルにつき20キロニュートン以上30キロニュートン未満の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造又はべた基礎と、1平方メートルにつき30キロニュートン以上の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造、べた基礎又は布基礎としなければならない。

2~3 中略

4 建築物の基礎を布基礎とする場合にあっては、次に定めるところによらなければならない。

一 前項各号(第七号を除く。)の規定によること。ただし、根入れの深さにあっては二十四センチメートル以上と、底盤の厚さにあっては十五センチメートル以上としなければならない。

二 底盤の幅は、地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度及び建築物の種類に応じて、次の表に定める数値以上の数値とすること。ただし、基礎ぐいを用いた構造とする場合にあっては、この限りでない。

三 前号の規定による底盤の幅が二十四センチメートルを超えるものとした場合には、底盤に補強筋として径九ミリメートル以上の鉄筋を三十センチメートル以下の間隔で配置し、底盤の両端部に配置した径九ミリメートル以上の鉄筋と緊結すること。

 

まとめ

  • 布基礎とは、壁や柱の下に逆T字型のコンクリートを流し込む工法の基礎。
  • 布基礎のメリット
    • コストパフォーマンスの良さ
    • 寒冷地への適応性
    • 部分的な強度を高めやすい
    • 柔軟な設計対応
  • 布基礎のデメリット
    • 耐震性がベタ基礎より劣る
    • 地盤の強さに左右されやすい
    • 湿気・シロアリ被害のリスク

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