- 断面係数って何?
- どうやって求める?
- 簡単に計算できる公式が知りたい。
こんな悩みに答えます。
本記事では、構造計算の基礎となる「断面係数」についてわかりやすく解説。
部材の曲げ応力度を求めるときに役立つ知識です。
このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。
住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。
断面係数とは
『断面係数(記号:Z)』は「断面二次モーメントI」を「中立軸から断面上端までの距離y」で除して得られる値です。単位は「㎜3」。
✓ 計算式
断面係数Z=断面二次モーメントI÷中立軸から断面上端までの距離y
部材の曲げ応力度を求めるときに使用します。
✓ 建築構造で活用する場面
- 鉄骨造の断面計算
- コンクリートのひび割れの計算
✓ 断面係数と断面二次モーメントの違い
- 断面係数:断面最外縁の応力度を算出するときに用いる性質
- 断面二次モーメント:曲げ剛性を求めるのに必要な性質
断面係数を計算するときの注意点
断面係数は差し引き計算ができません。
必ず、断面二次モーメントIを求めたのち、Z=I/yによって求めましょう。
例えば、薄肉断面の断面係数をもとめる場合は、
Z=I÷H/2={(BH³-bh³)/12}÷H/2=(BH³-bh³)/6H
断面係数は、断面二次モーメントと計算方法が異なるので注意。
断面係数の公式
断面係数には、断面の形に応じて使える公式があります。
- 長方形:Z=B×H^2/6
- 円形:Z=πR^3/32
- H形:Z=2fB^3+wt^3/6B
計算の流れ
断面係数の計算の流れは下記のとおり。
- 図心を通る軸の断面2次モーメントを求める。
- 軸から断面の縁までの距離を測定する。
- 「断面二次モーメント」を「軸から縁までの距離」で除して断面係数を求める。
図心とは重心の位置です。図形の形状によって異なり、長方形なら対角線の交点となります。
まとめ
- 断面係数の計算式
- 断面係数Z=断面二次モーメントI÷中立軸から断面上端までの距離y
- 単位は「㎜3」
- 断面係数は差し引き計算ができない。
- 断面係数の公式
- 長方形:Z=B×H^2/6
- 円形:Z=πR^3/32
- H形:Z=2fB^3+wt^3/6B
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