[用途地域別]建築可能な建物用途の一覧表|建築基準法(別表第2)を見やすく整理

[用途地域別]建築可能な建物用途の一覧表 集団規定
  • 用途地域ごとに建てられる建物用途は違う?
  • 設計している「事務所ビル」が一種住居地域に建てられるかどうか知りたい。
  • 各用途地域に建築可能な建物用途がわかる一覧表ってない?

こんな疑問に答えます。

本記事では、用途地域ごとに建築可能な建物をまとめた一覧表を公開しています。

一読するだけで、いま設計している建物が、計画敷地の用途地域による制限を満たしているかどうか判定するのに役立つかと。

このサイトは、確認検査機関で検査員経験のある一級建築士が運営しています。

住宅から特殊建築物まで、1000件以上の設計審査を行って得た建築基準法の知識を、できるだけわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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【用途地域別】建築可能な建物用途の一覧表

まずは、用途地域ごとに建築可能な建物をまとめた一覧表をご覧ください。

 

✔ 『住居系』用途の建築制限

用途地域内の建築物の用途制限

○:建てられる
×:建てられない

一
種
低
層
住
居
二
種
低
層
住
居
一
種
中
高
層
住
居
二
種
中
高
層
住
居
一
種
住
居
二
種
住
居
準
住
居
田
園
住
居
近
隣
商
業
商
業
準
工
業
工
業
工
業
専
用
住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
兼用住宅(非住宅部分の床面積50㎡以下かつ建築物の延べ面積の2分の1未満のもの) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
備考: 兼用住宅は、非住宅部分の用途制限あり。

 

✔ 『店舗等』用途の建築制限

店舗等 一
種
低
層
住
居
二
種
低
層
住
居
一
種
中
高
層
住
居
二
種
中
高
層
住
居
一
種
住
居
二
種
住
居
準
住
居
田
園
住
居
近
隣
商
業
商
業
準
工
業
工
業
工
業
専
用
床面積が150㎡以下のもの × ① ② ③ ○ ○ ○

①

○ ○ ○ ○ ④
床面積が150㎡を超え、500㎡以下のもの × × ② ③ ○ ○ ○ ■ ○ ○ ○ ○ ④
床面積が500㎡を超え、1,500㎡以下のもの × × × ③ ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ④
床面積が1,500㎡を超え、3,000㎡以下のもの × × × × ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ④
床面積が3,000㎡を超え、10,000㎡以下のもの × × × × × ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ④
床面積が10,000㎡を超えるもの × × × × × × × × ○ ○ ○ × ×
備考: ①:日用品販売店舗、喫茶店、理髪店、建具屋等のサービス業用店舗のみ2階以下

②:①に加えて、物品販売店舗、飲食店、損保代理店・銀行の支店・宅地建物取引業者等のサービス業用店舗のみ2階以下

③:2階以下

④:物品販売店舗及び飲食店を除く。

■:農産物直売所、農家レストラン等のみ2階以下

 

✔ 『事務所等』用途の建築制限

事務所等 一
種
低
層
住
居
二
種
低
層
住
居
一
種
中
高
層
住
居
二
種
中
高
層
住
居
一
種
住
居
二
種
住
居
準
住
居
田
園
住
居
近
隣
商
業
商
業
準
工
業
工
業
工
業
専
用
床面積が150㎡以下のもの × × × ▲ ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○
床面積が150㎡を超え、500㎡以下のもの × × × ▲ ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○
床面積が500㎡を超え、1,500㎡以下のもの × × × ▲ ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○
床面積が1,500㎡を超え、3,000㎡以下のもの × × × × ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○
床面積が3,000㎡を超えるもの × × × × × ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○
備考: ▲:2階以下

 

✔ 『ホテル・旅館』用途の建築制限

一
種
低
層
住
居
二
種
低
層
住
居
一
種
中
高
層
住
居
二
種
中
高
層
住
居
一
種
住
居
二
種
住
居
準
住
居
田
園
住
居
近
隣
商
業
商
業
準
工
業
工
業
工
業
専
用
ホテル、旅館 × × × × ▲ ○ ○ × ○ ○ ○ × ×
備考: ▲:3,000㎡以下

 

✔ 『遊戯室・風俗施設』用途の建築制限

遊戯施設・
風俗施設
一
種
低
層
住
居
二
種
低
層
住
居
一
種
中
高
層
住
居
二
種
中
高
層
住
居
一
種
住
居
二
種
住
居
準
住
居
田
園
住
居
近
隣
商
業
商
業
準
工
業
工
業
工
業
専
用
ボーリング場、スケート場、水泳場、ゴルフ練習場、バッティング練習場 × × × × ▲ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ×
カラオケボックス等 × × × × × ■ ■ × ○ ○ ○ ■ ■
麻雀屋、パチンコ屋、射的場、馬券・車券発売所等 × × × × × ◆ ◆ × ○ ○ ○ ◆ ×
劇場、映画館、演芸場、観覧場、ナイトクラブ等 × × × × × × ● × ○ ○ ○ × ×
キャバレー、料理店、ダンスホール、個室付浴場等 × × × × × × × × × ○ ▼ × ×
備考: ▲:3,000㎡以下

■:10,000㎡以下

◆:10,000㎡以下

●:客席及びナイトクラブ等の用途に供する部分の床面積200㎡未満

▼:個室付浴場等を除く。

 

✔ 『公共施設・病院・学校等』用途の建築制限

一
種
低
層
住
居
二
種
低
層
住
居
一
種
中
高
層
住
居
二
種
中
高
層
住
居
一
種
住
居
二
種
住
居
準
住
居
田
園
住
居
近
隣
商
業
商
業
準
工
業
工
業
工
業
専
用
幼稚園、小学校、中学校、高等学校 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × ×
大学、高等専門学校、専修学校等 × × ○ ○ ○ ○ ○ × ○ ○ ○ × ×
図書館等 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
巡査派出所、一定規模以下の郵便局等 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
神社、寺院、教会等 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
病院 × × ○ ○ ○ ○ ○ × ○ ○ ○ × ×
公衆浴場、診療所、保育所、認定こども園(幼保連携型) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
老人ホーム、身体障害者福祉ホーム等 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
老人福祉センター、児童厚生施設等 ▲ ▲ ○ ○ ○ ○ ○ ▲ ○ ○ ○ ○ ○
自動車教習所 × × × × ■ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○
備考: ▲:600㎡以下

■:3,000㎡以下

 

✔ 『自動車車庫』用途の建築制限

一
種
低
層
住
居
二
種
低
層
住
居
一
種
中
高
層
住
居
二
種
中
高
層
住
居 
一
種
住
居
二
種
住
居
準
住
居
田
園
住
居
近
隣
商
業
商
業
準
工
業
工
業
工
業
専
用
単独車庫(附属車庫を除く) × × ▲ ▲ ▲ ▲ ○ × ○ ○ ○ ○ ○
建築物附属自動車車庫 ① ① ② ② ③ ③ ○ ① ○ ○ ○ ○ ○
備考: ▲:300㎡以下 2階以下

①~③については、建築物の延べ面積の1/2以下かつ以下の制限:

①600㎡以下1階以下

②3,000㎡以下2階以下

③2階以下

 

✔ 『倉庫・工場等』用途の建築制限

一
種
低
層
住
居
二
種
低
層
住
居
一
種
中
高
層
住
居
二
種
中
高
層
住
居
一
種
住
居
二
種
住
居
準
住
居
田
園
住
居
近
隣
商
業
商
業
準
工
業
工
業
工
業
専
用

 備考

倉庫業を営む倉庫 ×  × × × × × ○ × ○ ○ ○ ○ ○
自家用倉庫 ×  × × ① ② ○ ○ ■ ○ ○ ○ ○ ○ ①:2階以下かつ1,500㎡以下

②:3,000㎡以下

■:農産物及び農業の生産資材を貯蔵するものに限る。

畜舎(15㎡を超えるもの) ×  × × × ▲ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ ▲:3,000㎡以下
パン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋、洋服店、畳屋、建具屋、自転  車店等で作業場の床面積が50㎡以下 × ▲ ▲ ▲ ○ ○ ○ ▲ ○ ○ ○ ○ ○ 原動機の制限あり。
▲:2階以下
危険性や環境を悪化させるおそれが非常に少ない工場 × × × × ① ① ① ■ ② ② ○ ○ ○ 原動機・作業内容の制限あり。

作業場の床面積
①:50㎡以下

②:150㎡以下

■:農産物を生産、集荷、処理及び貯蔵するものに限る。

危険性や環境を悪化させるおそれが少ない工場 × × × × × × × × ② ② ○ ○ ○ ②:150㎡以下
危険性や環境を悪化させるおそれがやや多い工場 × × × × × × × × × × ○ ○ ○  
危険性が大きいか又は著しく環境を悪化させるおそれがある工場 × × × × × × × × × × × ○ ○
自動車修理工場

 

× × × × ① ① ② × ③ ③ ○ ○ ○ 原動機の制限あり。

作業場の床面積
①:50㎡以下
②:150㎡以下
③:300㎡以下

 

✔ 『危険物貯蔵庫』用途の建築制限

火薬、石油類、ガスなどの
危険物の貯蔵・処理の量
一
種
低
層
住
居
二
種
低
層
住
居
一
種
中
高
層
住
居
二
種
中
高
層
住
居
一
種
住
居
二
種
住
居
準
住
居
田
園
住
居
近
隣
商
業
商
業
準
工
業
工
業
工
業
専
用
量が非常に少ない施設 × × × ① ② ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○
量が少ない施設 × × × × × × × × ○ ○ ○ ○ ○
量がやや多い施設 × × × × × × × × × × ○ ○ ○
量が多い施設 × × × × × × × × × × × ○ ○
備考: ①:1,500㎡以下、2階以下

②:3,000㎡以下

(注)本表は、建築基準法別表第二の概要です。詳しくは、建築基準法をご覧下さい。

 

上記の一覧表を見るだけで、計画中の建物が、該当する用途地域内に建てられるかどうか判断できるはず。

例えば、第一種住居地域に150㎡程度の「事務所」を建てる計画であれば、一覧表を見ると「〇」が付いているので建築可能。

または、第二種中高層住居地域に200㎡ほどの「店舗」を計画したいという依頼がきたとすると、一覧表では「×」となるため、建築できないことがわかりますね。

「建築可能な建物用途一覧表」は、建築基準法の別表第二にもとづいて作成されています。

一覧表で判定したあとは、建築基準法の別表第二でも必ずチェックを行ってください。

法的な判断で最後に頼れるのは、建築基準法の条文ですからね。

 

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「用途地域に建築可能な建物かどうか」を判定する手順

ここからは、「用途地域内に建築可能な建物用途かどうか」を判定するときの手順を解説していきます。

1.「計画している建物用途」を「建築基準法における用途」に置き換える

まずは、「計画している建物用途」を「建築基準法における用途」に置き換えることからスタート。

一般的に使われている建物名称では、建築基準法に定義されていないケースがあるからです。

 

例えば、「マンション」は、世間的によく呼ばれる名称ですが、建築基準法においては「共同住宅」にあたります。

「マンション→共同住宅」という読み替えが必要。

法文を読んで、マンションにかかる制限を確認するときには、「共同住宅」にかかる規制を調べるということですね。

 

その他にも…

  • 「社員寮」⇒「寄宿舎」
  • 「民泊」⇒「旅館」
  • 「ネイルサロン」⇒「サービス業を営む店舗」

など、建築基準法のなかで、どの用途区分に当てはまるかは非常に重要なので、慎重に判断しましょう。

 

2.用途一覧表を確認する

計画している建物が、建築基準法で何の用途に当てはまるかを確定して初めて、用途地域制限に適合しているかどうかのチェックに進めます。

本記事に掲載している「【用途地域別】建築可能な建物用途一覧表」を見て、計画地の用途地域に建築可能かを判定。

 

3.建築基準法別表第2で最終チェックをおこなう

用途地域制限は、建築基準法の「法48条→別表第2」という流れで読み進めることになります。

第三節 建築物の用途

(用途地域等)

第48条

第一種低層住居専用地域内においては、別表第二(い)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない。

以下省略

 

まとめ

用途地域の制限は「正しく判定しないと計画そのものが破綻してしまう」とても重要な法文です。

ただ、建築基準法の本文だけで理解しようとすると判定が難しかったり、建てられるかどうかの確信が持てなかったりするので、今回ご紹介した一覧表をはじめ、参考資料をうまく活用しましょう。

基本建築関係法令集 法令編 令和7年版と参考書籍(建築申請memo2026など)、一覧表を併せて読むことによって、さまざまな視点から検討することができ、自信を持って設計に取り組めると思います。