延べ床面積まとめ|計算方法・定義を解説【建築面積との違いも整理】

延べ面積とは2集団規定
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  • 延べ床面積の求め方がわからない…。
  • 容積率を出すために、正しい計算方法が知りたい。
  • バルコニーや屋外階段など、延べ床面積に含まれない部分はある?

建築設計において、延べ床面積の検討が苦手な方は多いと思います。

確認申請で「延べ床面積」の算定ミスがあり、大幅な修正や計画の見直しで、苦労した経験が一度はあるはず。

本記事では、建築基準法における『延べ床面積』の定義と計算方法をわかりやすく解説します。

 

✔️ 記事の内容

  • 延べ床面積の定義
  • ”延べ面積”と”容積率算定用の延べ面積”の違い
  • 延べ面積の求め方
  • 延べ面積と建築面積の基準を比較

記事を読んでもらえれば、建築物のボリューム検討へ自信をもって取り組めるようになります。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで、1000件以上の審査を行って得た建築基準法の知識をわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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延べ床面積とは【建築物の床面積の合計】

延べ面積とは

『延べ床面積』とは、各階の床面積の合計です。

建物全体の屋内利用ができる範囲を示しており、建築物のボリュームを表すのによく使われます。

床面積:壁や区画の中心線で囲まれた水平投影面積

 

例えば、「この建物は延べ床面積200㎡」などと表現。

ちなみに、建築基準法では「延べ床面積」ではなく「延べ面積」と書かれています。

実務では、どちらも同じ意味を指すので、「延べ床面積=延べ面積」と考えてOK。

 

「延べ面積」と「容積率算定用の延べ面積」は違う

建築基準法において「延べ面積」と「容積率算定用の延べ面積」は、意味が異なります。

「容積率算定用の延べ面積」は、文字どおり、容積率を求めるための床面積です。

 

✔️ 2つの基準の違い

  • 延べ面積:各階の床面積の合計
  • 容積率算定用の延べ面積:”各階の床面積の合計”から”容積率の緩和部分”を除いた面積

「延べ面積」は、純粋に建物全体の床面積を示すのに対して、「容積率算定用の面積」は緩和が適用された残りの面積を示します。

 

✔️ 「容積率算定用の延べ面積」の計算式

容積率算定用の延べ面積=延べ面積-容積率の緩和部分

 

たとえば、下記の部分は、”延べ面積”には含まれるものの”容積率を出す時の床面積”からは免除。

  • 住宅・老人ホーム等の地階で、天井が地盤面からの高さ1m以下にあるもの
  • 昇降機(エレベーター)の昇降路
  • 自動車車庫・自転車駐輪場
  • 防災のために設ける備蓄倉庫
  • 蓄電池
  • 貯水槽
  • 宅配ボックス
  • 共同住宅・老人ホーム等の共用廊下・共用階段

 

容積率の定義や緩和基準は、以下の記事に詳しくまとめています。

 

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延べ面積の求め方・計算方法

延べ面積の計算式は下記のとおり。

延べ面積=各階の床面積の合計

 

例えば、「地下1階・地上2階・塔屋付き」の建物だと、

延べ面積=地下1階の床面積+1階の床面積+2階の床面積+塔屋の床面積

となります。

延べ面積_計算

「階数に含まれない屋上部分(ペントハウスなど)でも、延べ面積には算入される」という点に注意。

その他にも、床面積に含まれるかどうか判定に迷う事例が多々あります。

  • バルコニー
  • 階段
  • 屋内階段
  • 屋外階段
  • ポーチ
  • 吹き抜け

上記部分の算定方法は、『床面積』とは|計算方法・用語の定義を解説【不算入の事例も紹介】の記事をご確認ください。

 

「容積率算定用の延べ面積」に含まれない部分

建築基準法において、容積率の算定からは除かれる建築物の部分があります。

容積率の計算上、有利にはたらくため、敷地内により大きなボリュームの建物を造ることが可能に。

 

建築設計において、以下の用途部分は、容積率緩和の対象です。

✔ 容積率の緩和基準【一覧表】

設備・施設の名称概要
地階の住宅・老人ホーム等住宅・老人ホーム・福祉ホームの居室、物置、廊下、階段、便所など
昇降機(エレベーター)の昇降路ホームエレベーター、オープンタイプエレベーターなど
共同住宅・老人ホーム等の共用部廊下、階段、エントランスホールなど
自動車車庫など自動車・自転車の停留、駐車施設
備蓄倉庫非常食料、救助物資などの保管倉庫
蓄電池据置型、定置型の蓄電池と付加設備
自家発電設備敷地内の建築物において、電気を消費することを目的として発電する設備
貯水槽水を貯える槽で、内部に人が入ることのない構造
宅配ボックス配送された物品の一時保管ができる荷受箱

ただし、上記に当てはまるとしても、すべての範囲が免除されるわけではありません。

例えば、車庫は「延べ面積の1/5まで」など、除外できる面積の最大値が決められている用途もあります。

詳しい緩和基準は、容積率の緩和まとめ|備蓄倉庫・車庫・地下室・エレベーター等の免除の記事をご参照ください。

 

「延べ面積」と「建築面積」の違い

建築基準法に定められた、「延べ面積」と「建築面積」の定義を整理しておきましょう。

  • 延べ面積:各階の床面積(壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積)の合計
  • 建築面積:外壁または、これに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積

 

建築面積は、建物が敷地に影を落とす範囲を示しています。

建築面積とは

 

一方で延べ床面積は、建築物の屋内で利用する部分の合計を示しており、居住者が利用できる範囲(広さ)がわかります。

延べ面積とは

建築面積と延べ面積は、まったく異なる基準のため、相互に関連することがありません。

例えば、「建築面積に算入されるバルコニーは、床面積にも算入される」といった考え方は誤りです。

建築面積と床面積は、別基準。個別に分けて検討を行いましょう。

 

まとめ

  • 延べ床面積は、各階の床面積の合計。
  • 建築基準法では「延べ床面積」のことを「延べ面積」と表記。
  • 建築基準法において「延べ面積」と「容積率算定用の延べ面積」は、意味が違う。
  • 「延べ面積」と「容積率算定用の延べ面積」の関係性を示す計算式
    • 容積率算定用の延べ面積=延べ面積-容積率の緩和部分
  • 容積率の算定から除かれる部分
    • 住宅・老人ホーム等の地階で、天井が地盤面からの高さ1m以下にあるもの
    • 昇降機(エレベーター)の昇降路
    • 自動車車庫・自転車駐輪場
    • 防災のために設ける備蓄倉庫
    • 蓄電池
    • 貯水槽
    • 宅配ボックス
    • 共同住宅・老人ホーム等の共用廊下・共用階段
  • 「延べ面積」と「建築面積」の定義の違い
    • 延べ面積:各階の床面積(壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積)の合計
    • 建築面積:外壁または、柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積

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