【建築基準法改正】準防火地域の『建ぺい率+10%緩和』とは|2019年6月25日施行

建築基準法改正
  • 建築基準法の改正で、準防火地域内の準耐火建築物でも『建ぺい率+10%緩和』される、ってホント?
  • 建築基準法改正による建ぺい率緩和は、いつから適用できる?

こんな疑問に答えます。

本記事では、2019年6月25日に施行された建築基準法改正のメイントピックの一つ、『建ぺい率の緩和』について解説します。

 

✔️本記事の内容

  • 改正①:準防火地域の準耐火建築物は『建ぺい率+10%緩和』
  • 改正②:特定行政庁が指定した壁面線をクリアすることで『建ぺい率 緩和』
  • 建ぺい率の改正は、2019年6月25日スタート

 

これまで防火地域内の耐火建築物にしか適用されなかった、建物の防火性能を高めることによる建ぺい率の緩和が、“準防火地域の準耐火建築物”でも受けられるようになります。

主に都市部で設計する方にとっては、敷地が狭くて建ぺい率が厳しいケースが多いので、かなり役立つ情報かと。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営しています。

1000件以上の設計相談を受けて得た建築基準法の知識を、できるだけわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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改正①:準防火地域の準耐火建築物は『建ぺい率+10%緩和』

今回の法改正で追加された『建ぺい率の緩和』について、シンプルにまとめると以下のとおり。

準防火地域内で、準耐火建築物を建てる場合、建ぺい率を10%緩和できる

 

出典:建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)について

例えば、計画地が”準防火地域”で”指定された建ぺい率が60%”とすると、”準耐火建築物”であれば建ぺい率を70%に緩和することができます。

都市部では準防火地域の指定が多く、準耐火建築物であれば木造でも施工しやすいので、使用頻度の高い法文になりそうですね。

 

今回の法改正で建ぺい率を緩和する目的

建ぺい率が緩和されるということは、それだけ建物が密集しやすくなるわけで、、、火災が発生したときに隣の建物に燃えうつる危険性も高まりますよね。

ただ、防火性能を高めた建築物であれば、少し棟数が増えたとしても延焼しづらいので、都市部の敷地を効率よく活用できるといった狙いがあるようです。

 

建築基準法で建ぺい率緩和を読んでみる

建ぺい率については、建築基準法53条に定められており、下記の条文が改訂されています。

建築基準法 第53条

前略

3 前二項の規定の適用については、第一号又は第二号のいずれかに該当する建築物にあつては第一項各号に定める数値に1/10を加えたものをもつて当該各号に定める数値とし、第一号及び第二号に該当する建築物にあつては同項各号に定める数値に2/10を加えたものをもつて当該各号に定める数値とする。

一 防火地域(第一項第二号から第四号までの規定により建ぺい率の限度が8/10とされている地域を除く。)内にあるイに該当する建築物または準防火地域内にあるイ若しくはロのいずれかに該当する建築物

イ 耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能(通常の火災による周囲への延焼を防止するために壁、柱、床その他の建築物の部分及び防火戸その他の政令で定める防火設備に必要とされる性能をいう。ロにおいて同じ。)を有するものとして政令で定める建築物(以下この条及び第67条第1項において「耐火建築物等」という。)

ロ 準耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能を有するものとして政令で定める建築物(耐火建築物等を除く。第8項及び第67条第1項において「準耐火建築物等」という。)

以下省略

 

建ぺい率の基礎知識があまり無いという方は、最新改訂版 確認申請[面積・高さ]算定ガイドという書籍をまず読みましょう。

僕自身、設計を始めたばかりの頃は、建築基準法を読むのが嫌いで、図解付きの本を好んで読んでいました。

集団規定について、文章よりも図が多めで解説されているので、設計初心者から中級者まで幅広く使える本です。

 

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改正②:壁面線をクリアすることによる建ぺい率+10%緩和

今回の法改正で、”特定行政庁が指定した壁面線”をクリアした建物について建ぺい率を緩和するという規定も追加されています。

これは特定行政庁の許可を得てはじめて、「建ぺい率緩和」が適用できるようで、少しハードルが高く、手続きが面倒かなと。

 

ただ、敷地が狭く、建物をできる限り広く建てたいという方にとっては、十分なメリットがあると思うので、検討してみたい設計者は特定行政庁に相談してみましょう。

 

建築基準法で壁面線による建ぺい率緩和を読んでみる

建築基準法53条に5項が追加されており、特定行政庁が壁面線を指定した区域における建ぺい率の緩和条文が書かれています。

5 次の各号のいずれかに該当する建築物で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの建蔽率は、第一項から第三項までの規定にかかわらず、その許可の範囲内において、これらの規定による限度を超えるものとすることができる。

一 特定行政庁が街区における避難上及び消火上必要な機能の確保を図るため必要と認めて前面道路の境界線から後退して壁面線を指定した場合における、当該壁面線を越えない建築物

以下省略

 

その他にも「特定防災街区整備地区における建ぺい率緩和」の規定も追加されています。

該当する地区で設計する場合には、建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)についてという国交省のWebサイトで条文を確認しておきましょう。

 

建ぺい率の改正は2019年6月25日スタート

この記事で紹介している建ぺい率についての法改正は、2019年(令和元年)6月25日施行。

当たり前ですが、6月25日以前に着工予定の建築物について、上記の緩和は適用されないのでご注意を。

 

おわりに

建築基準法の改正について、この記事でおおまかな概要をつかんだ後は、情報源である国交省のWebサイトを必ず確認しておきましょう。

この記事で書いた法53条(建ぺい率)以外にも、大きく変わった条文が数多くあるので、ぜひチェックしてみてください。

 

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