
- 建ぺい率、容積率の基準をまとめて知りたい。
- 建ぺい率、容積率の限度を調べるには?
- 建ぺい率、容積率がオーバー…。緩和する方法はある?
こんな疑問に答えます。
本記事では、建ぺい率と容積率について、設計に役立つ内容をまとめています。
✔️ 記事の概要
- 建築基準法における用語の定義
- 建ぺい率、容積率を計算する方法
- 建ぺい率、容積率を緩和する方法
設計する建物のボリュームを検討している方や、算出した建ぺい率・容積率に間違いがないか不安…、といった方に役立つ情報です。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営しています。
住宅から特殊建築物まで、1000件以上の審査経験で得た建築基準法の知識をわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。
建築基準法における建ぺい率・容積率の基準
”建ぺい率”と”容積率”は、建築基準法に定められた「敷地に対して建物の占める割合」を表す指標です。
✔️ 建築基準法における用語の定義
建ぺい率と容積率によって、ひとつの敷地に建てられる建築物の範囲と屋内空間の広さを制限。
都市計画区域内では、エリアごとに建ぺい率・容積率の限度が決められています。

2つの基準のどちらかが欠けても、建築基準法の違反とみなされ、罰則を受けることに…。
敷地に指定された建ぺい率・容積率の限度を調べる方法
以下のいずれかの方法で、計画地に指定された建ぺい率・容積率を調べることができます。
✔️ 指定建ぺい率・指定容積率の調べ方
- 調べたい土地の市町村役場で調べる
- インターネットで検索する(例:「東京都 都市計画情報」のワードで検索→東京都都市計画情報等インターネット提供サービス)をクリック


インターネットで都市計画情報を公開していない市町村もあるので、検索してもサイトが出てこないときは、市役所の窓口で確認しましょう。
建ぺい率・容積率の計算方法
建ぺい率と容積率の計算式は、以下のとおり。
- 建ぺい率(%)=建築面積(㎡)÷敷地面積(㎡)×100
- 容積率(%)=延べ面積(㎡)÷敷地面積(㎡)×100
”敷地面積・建築面積・延べ面積”の情報があれば、建ぺい率と容積率の計算そのものは、至ってシンプルですね。
建築面積とは、屋根のある部分で、外壁または柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積。
延べ面積とは、各階の床面積の合計です。
建ぺい率と容積率の計算方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
建ぺい率・容積率の緩和方法
建ぺい率・容積率には、建築基準法に定められた緩和規定があります。
例えば、防火性能の高い建築物や見通しのよい交差点に建つ建築物など、一定の条件を満たす敷地・建物は制限が緩和されます。
✔️ 建ぺい率の緩和【一部抜粋】
- 2つの道路の角にある敷地(角地)
- 2つの道路に挟まれた敷地
- 防火地域内にある敷地
- 準防火地域内にある敷地
✔️ 容積率の緩和【一部抜粋】
- 住宅・老人ホーム等の地階で、天井が地盤面からの高さ1m以下にあるもの
- 昇降機(エレベーター)の昇降路
- 自動車車庫・自転車駐輪場
- 防災のために設ける備蓄倉庫
- 蓄電池
- 貯水槽
- 宅配ボックス
- 共同住宅・老人ホーム等の共用廊下・共用階段
上記の緩和規定は、個別記事で詳しくまとめています。

「敷地の限界まで広い建物を建てたい」「建ぺい率・容積率がオーバーしてしまう」という方は、緩和の使える余地がないか検討しましょう。
建ぺい率・容積率について建築基準法で読む
建ぺい率・容積率を算定するにあたって役立つ、主要な法文をまとめました。
✔️ 容積率
- 法52条:容積率の定義
- 法52条3項、4項:住宅・老人ホーム等の地階による緩和
- 法52条6項:エレベーターの昇降路の緩和、共同住宅等の共用廊下の緩和
- 法52条8項:敷地内に容積率の限度が異なる地域がまたがる場合
✔️ 建ぺい率
- 法53条:建ぺい率の定義
- 法53条3項二号:角地緩和
- 法53条3項一号:防火地域、準防火地域の建築物による緩和
建築基準法の法文を読み慣れていない方は、図解が多めの書籍で、まずはイメージをつかみましょう。

もちろん本質を理解するために、最後は法令集を読むことを忘れずに。
✔️ 建ぺい率・容積率の理解に役立つ書籍3選
まとめ
- ”建ぺい率”と”容積率”は、「敷地に対する建物の占める割合」を表す指標
- 建ぺい率:敷地面積に対する建築物の建築面積の割合
- 容積率:敷地面積に対する建築物の延べ面積の割合
- 指定建ぺい率・指定容積率の調べ方
- 調べたい土地の市町村役場で調べる
- インターネットで検索する
- 建ぺい率と容積率の計算式
- 建ぺい率(%)=建築面積(㎡)÷敷地面積(㎡)×100
- 容積率(%)=延べ面積(㎡)÷敷地面積(㎡)×100
- 建ぺい率・容積率には、建築基準法に定められた緩和規定がある。