- 確認済証(かくにんすみしょう)って何?
- 紛失した場合、再発行はできる?
- 確認済証がないと工事に着手してはいけない?
こんな悩みに答えます。
本記事では、建築基準法の用語である『確認済証』の定義について詳しく解説。
記事を読むことで、建築物・工作物の建築主や設計者が必ず理解しておくべき、確認済証の重要性と取得方法がわかります。
このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営。
住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築基準法の知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。
確認済証(かくにんすみしょう)とは
『確認済証』とは、特定行政庁または指定確認検査機関が、工事に着手する前の設計図書をチェックし、建築基準法への適合を確認したときに発行する証書です。
つまり、建築主は確認済証を取得する前に、着工してはいけないということ。
✓ 確認済証のイメージ画像
建築基準法では、以下のように書かれています。
第6条【抜粋】
当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(中略)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。
確認済証のない状態で、工事にはいるのは「事前着工」と呼ばれ、法律違反となるので注意しましょう。
✓ 関連記事
確認済証の交付先
確認済証は、以下のいずれかの機関で交付されます。
- 特定行政庁
- 指定確認検査機関
建築主は、サービス・手数料などを考慮して、どちらかを選択。
現在は、指定確認検査機関の割合が多く、確認申請手続き全体の90%以上を占めています。
行政よりも民間企業(指定確認検査機関)の方が、審査がスムーズに進む傾向がありますね。
確認済証の取得方法
確認済証は、確認申請の手続き後に交付されます。
おおまかな流れは下記のとおり。
確認申請には、さまざまな設計資料を添付しなければなりません。
✓ 確認申請に必要な図書(一部抜粋)
- 付近見取り図
- 配置図
- 平面図
- 立面図
- 断面図
- 使用建築材料表
- 換気計算表
建設知識のない方による確認済証の取得は非常に困難。建築士資格を持つ設計者が代理で申請するケースが一般的です。
✓ 関連記事
確認済証と検査済証の違い
『検査済証(けんさすみしょう)』は、指定確認検査機関または特定行政庁による完了検査に合格すると交付される証書です。
✓ 確認済証と検査済証の違い
- 確認済証:確認申請図書が建築基準法に適合することを示す書類
- 検査済証:工事完了した建築物が確認申請図書どおりに施工され、建築基準法に適合することを示す書類
確認済証と検査済証はセットで管理すべきもの。
確認済証があっても、検査済証がなければ建築基準法において必要な手続きが完了したとは言えません。
✓ 関連記事
確認済証の再発行はできる?【できません】
確認済証の再発行はできません。
同じ証書が何枚もあると、偽造されたり悪用されるおそれがあるからですね。
万が一、紛失してしまった場合は、確認済証の交付先(確認検査機関または特定行政庁)で”台帳記載事項証明書”を取得しましょう。
既存の建築物や工作物に、確認済証が交付されていることの証明になります。
建築物の増築や用途変更で利用することが多いですね。
✓ 関連記事
確認済証の交付状況を知りたいだけであれば、各市町村にある”建築計画概要書の閲覧”でもOK。
概要書に確認済証の交付番号や交付日が掲載されています。
「確認済証」について建築基準法を読む
確認済証という用語は、建築基準法6条に記載されています。
(建築物の建築等に関する申請及び確認)
第6条
建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。
まとめ
- 確認済証とは、工事に着手する前の設計図書をチェックし、建築基準法に適合することを示す証書。
- 確認済証は、以下のいずれかの機関が交付。
- 特定行政庁
- 指定確認検査機関
- 確認済証と検査済証の違い
- 確認済証:確認申請図書が建築基準法に適合することを示す
- 検査済証:工事完了した建築物が、建築基準法に適合することを示す
- 確認済証の再発行はできない。
- 確認済証の交付先(確認検査機関または特定行政庁)で”台帳記載事項証明書”を取得。