市街化区域とは|市街化調整区域との違い・調べ方・デメリットを解説

市街化区域 集団規定
  • 市街化区域って、どんなエリア?
  • 市街化区域に建築するデメリットがあれば知りたい。
  • 市街化調整区域との違いは?

こんな疑問に答えます。

本記事では、都市計画法にもとづく「市街化区域」についてわかりやすく解説。

市街化区域に建築物をつくるには、建物用途や高さの規制など、様々な基準を満たす必要があります。

記事を読むことで、市街化区域の意味、建築設計にあたえる影響を理解することができます。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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市街化区域とは

市街化区域とは、以下のいずれかに当てはまる区域です。

  • すでに市街地を形成している区域
  • おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域

都市計画区域外

人口が集中し、住宅や商業施設、産業施設などが密集しているイメージ。都市や町の中心部から周辺部にわたって、市街地として利用されるエリアです。

市街化区域は都市計画法に基づいて指定されます。

市街化区域や市街化調整区域の区分は県知事が、地域的な事項(用途地域、地区計画など)は市長が決定権者となります。

 

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市街化区域の調べ方

市街化区域の位置を調べる方法は以下のとおり。

  1. 地方自治体のウェブサイトを確認する
  2. 都市計画部門や土地利用課に問い合わせる
  3. 役所の都市計画課で調べる
  4. 手元にある物件の資料で調べる

各地域の自治体によって情報の公開範囲や提供方法は異なります。それぞれの行政サービスに応じて調査方法を選びましょう。

地方自治体のウェブサイトを確認する

市街化区域の指定に関する情報は、地方自治体のウェブサイトで公開されていることが多いですね。

調べたい地域の市町村のウェブサイトを検索し、情報を探してみましょう。

たとえば、検索エンジンで「都市計画 ○○市」と入力して検索。すると「行政地図情報」や「都市計画マップ」などの名称で各自治体が提供している地図を閲覧することができます。

都市計画部門や土地利用課に問い合わせる

市役所や町役場の都市計画部門や土地利用課に直接問い合わせることも有効。

連絡先や窓口は、自治体のウェブサイトなどで確認できます。

行政担当者に相談することで、詳細な情報や指定地域の範囲を教えてもらえるでしょう。

役所の都市計画課で調べる

役所の都市計画課で「都市計画地図」を開き、土地が都市計画区域に指定されているか調べます。

都市計画区域のうち、市街化区域・市街化調整区域のいずれに位置するかを判別できます。

手元にある物件の資料で調べる

確認申請図書の副本など、手元に物件の資料があるときは、都市計画情報を調べることができます。

「用途地域」という項目があれば、そこに「商業地域」や「第一種低層住居専用地域」といった名称が書かれているはず。

ただし、用途区域は変更されていることもあるため、最新の情報も確認しておきましょう。

 

市街化区域のメリット

市街化区域に建築するメリットは以下のとおり。

  • 交通の利便性が良い
  • 公共施設が近い
  • 経済的な利点がある

交通の利便性

市街化区域は都市や町の中心部に位置し、公共交通機関や道路網が発達しています。

市街化区域内に建築することで、交通の利便性が高まるはず。

通勤や通学、買い物などがスムーズに行えるため、生活の便利さが増しますね。

公共施設の近さ

市街化区域には公園、図書館、病院、商業施設などの公共施設が集中しています。

これらの施設へのアクセスが容易であるため、様々なサービスを利用しやすくなります。

経済的な利点

市街化区域は商業地や産業地が存在し、さまざまなビジネスチャンスがあるもの。

商業施設やオフィスビル、工場などを建築することで、立地条件が良くなり、集客や利益の向上につながります。

 

市街化区域に建築するデメリット

市街化区域のデメリットをまとめました。

  • 喧騒や混雑がある
  • 土地価格が高い
  • スペースの制約を受ける

都市の喧騒や混雑

市街化区域は人口密度が高く、建物が密集しがち。

そのため、騒音や混雑が生じることがあります。特に住宅地では、周囲の建物や道路からの騒音が気になることがあります。

土地価格の高さ

市街化区域は需要が高いため、土地価格が比較的高くなることがあります。

建築にかかる費用が他の地域と比べて高くなりやすい。

スペースの制約

市街化区域では、用途地域や都市計画に基づいた規制があります。

建物の高さや形状、用途に制約があるため、自由な建築プランを実現することが困難。

敷地の面積も限られているため、スペースの制約を受けることが多いでしょう。

 

市街化調整区域との違い

市街化調整区域は、都市の拡大や自然環境の保全を考慮して、市街化を抑制すべき地域。

適切な土地利用のために設定される地域で開発の調整が行われます。

たとえば、農地や森林などの自然環境や景観を保全するため、建築物の建設や土地の区画整理が制限されます。

 

市街化区域について都市計画法を読む

市街化区域の定義は、都市計画法7条に書かれています。

(区域区分)
第七条 都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、市街化区域と市街化調整区域との区分(以下「区域区分」という。)を定めることができる。ただし、次に掲げる都市計画区域については、区域区分を定めるものとする。

一 次に掲げる土地の区域の全部又は一部を含む都市計画区域

イ 首都圏整備法第二条第三項に規定する既成市街地又は同条第四項に規定する近郊整備地帯

ロ 近畿圏整備法第二条第三項に規定する既成都市区域又は同条第四項に規定する近郊整備区域

ハ 中部圏開発整備法第二条第三項に規定する都市整備区域

二 前号に掲げるもののほか、大都市に係る都市計画区域として政令で定めるもの

2 市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。

3 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする。

市街化区域を定める際の技術的基準は都市計画法8条に。

(都市計画基準)
第八条 区域区分に関し必要な技術的基準は、次に掲げるものとする。

一 既に市街地を形成している区域として市街化区域に定める土地の区域は、相当の人口及び人口密度を有する市街地その他の既成市街地として国土交通省令で定めるもの並びにこれに接続して現に市街化しつつある土地の区域とすること。

二 おおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域として市街化区域に定める土地の区域は、原則として、次に掲げる土地の区域を含まないものとすること。

イ 当該都市計画区域における市街化の動向並びに鉄道、道路、河川及び用排水施設の整備の見通し等を勘案して市街化することが不適当な土地の区域

ロ 溢いつ水、湛たん水、津波、高潮等による災害の発生のおそれのある土地の区域

ハ 優良な集団農地その他長期にわたり農用地として保存すべき土地の区域

ニ 優れた自然の風景を維持し、都市の環境を保持し、水源を涵かん養し、土砂の流出を防備する等のため保全すべき土地の区域

三 区域区分のための土地の境界は、原則として、鉄道その他の施設、河川、海岸、崖がけその他の地形、地物等土地の範囲を明示するのに適当なものにより定めることとし、これにより難い場合には、町界、字界等によること。

以下省略

 

まとめ

  • 市街化区域とは、以下のいずれかに当てはまる区域。
    • すでに市街地を形成している区域
    • おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域
  • 市街化区域の位置を調べる方法
    • 地方自治体のウェブサイトを確認する
    • 都市計画部門や土地利用課に問い合わせる
    • 役所の都市計画課で調べる
    • 手元にある物件の資料で調べる
  • 市街化区域に建築するメリット
    • 交通の利便性が良い
    • 公共施設が近い
    • 経済的な利点がある
  • 市街化区域に建築するデメリット
    • 喧騒や混雑がある
    • 土地価格が高い
    • スペースの制約を受ける
  • 市街化調整区域は、都市の拡大や自然環境の保全を考慮して、市街化を抑制すべき地域。

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