敷地とは|建築基準法における定義を解説【用途上不可分の判定基準】

敷地とは集団規定
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  • 敷地の定義は?
  • 敷地と土地の意味は違うって本当?
  • 一敷地一建物」いちしきちいちたてもの可分不可分かぶんふかぶん」って、どういう意味?

こんな悩みに答えます。

 

本記事では、建築設計における『敷地』の定義について解説。

敷地という言葉は、建築基準法の用語です。

なにげなく使用している言葉ですが、敷地に建築物を建てるには、いくつかのルールがあります。

✔️ 記事の内容

  • 敷地の定義
  • 一つの敷地に一つの建物をつくるのが原則(一敷地一建物)
  • 建物用途が不可分の場合しか、2つ以上の建物をつくることはできない(可分不可分の判定)

 

特に、2棟以上の建築物を新築 or 増築する設計者の方は、必ず理解しておくべき情報です。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築基準法の知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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敷地とは【建築物等を建てるために使う土地】

『敷地』とは、建築物を建てたり、道路などを整備できる土地のことです。

逆にいえば、山林や田園として利用される土地は敷地と呼びません。

 

建築基準法の施行令1条では、以下のように定義されています。

敷地:一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。

上記の法文から、敷地に建築物をつくる際の2つのルールが読み取れます。

  • 原則として、”一つの敷地”には”一棟の建築物”を計画すること(一敷地一建物の原則)
  • 2棟以上つくる場合は、それぞれの建築物が用途上不可分であること

 

一敷地一建物の原則とは

建築計画では、一敷地に一建物が原則です。

例えば、一つの敷地に戸建て住宅を二棟建てることはできません。

敷地_一敷地一建物

親世帯の住宅、子世帯の住宅を分けたいときは、”一敷地に一つの住宅”となるように敷地を分割するわけですね。

敷地_複数棟_分割

 

用途上不可分とみなされる建築物とは

敷地に2棟以上の建築物をつくるときは、それぞれの建物用途が不可分であることが条件です。

「不可分」は、かみ砕いて言えば「分けられない」という意味。

つまり、「2つの建築物が用途上不可分である」とは、それぞれの建築物が個別では成立しない状況を指します。

 

例えば、A社という企業の敷地に事務所と工場を建設する場合は、それぞれの建物は用途上不可分。

工場はA社の生産部門が使用するもので、事務所の附属施設として扱われるため、敷地を分割できないからですね。

その他、用途上不可分とみなされる事例には、以下のようなケースがあります。

建築物の主要用途用途上不可分となる建築物の例
住宅
  • 離れ(隠居部屋、勉強部屋など)※台所等が設けられたものは住宅としての機能を満足するため、可分となる。
  • 車庫
  • 物置(納屋)
  • 茶室、あずまや
  • 温室
  • 畜舎
共同住宅
  • 車庫
  • 自転車置場
  • 物置
  • プロパン置場
  • 都市ガスの減圧場
  • 変電室
旅館(ホテル)
  • 離れ(客室)
  • 浴室棟
  • あずまや、温室
  • 倉庫
  • 車庫
工場(作業場)
  • 事務棟
  • 倉庫
  • 変電室
  • 危険物の貯蔵庫
  • 各種機械室
  • 更衣棟
  • 浴室棟
  • 食堂棟
  • 守衛室
学校(校舎)
  • 実習棟
  • 図書館
  • 体育館
  • 更衣室棟
  • 給食作業棟(※他の学校の給食も製造するものは工場と扱い可分)
  • 倉庫

 

一団の土地とは

建築基準法における「一団の土地」とは、一体として利用することが可能な”ひとまとまりの土地”のこと。

具体的には、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 主体の同一性
    • 権利所得者が同じであること。
  2. 物理的一体性
    • 対象となる土地が接しており、ひとまとまりとなっているなど、物理的な一体性があること。
    • 道路や河川により対象の土地が分断される場合、物理的な一体性があれば認可がおりる。
  3. 計画的一貫性
    • 二つ以上の土地売買等の契約が、一連の計画のもとに、時期・目的等について関連し、締結されていること。

 

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敷地の安全性とは【建築基準法19条】

建築基準法には、敷地の衛生と安全に関する基準が示されています。

建築基準法19条の規定を、まとめると以下のとおり。

  • 敷地は道よりも高いこと
  • 建築物の地盤面は周囲の土地よりも高いこと
    • 【緩和】以下のいずれかに当てはまる場合は、上記は適用しない。
      1. 敷地の排水に支障がない場合
      2. 建築物の用途上、防湿の必要がない場合
  • 以下のいずれかに当てはまる敷地は、盛り土・地盤改良など、衛生・安全に必要な措置をとること。
    • 湿潤な土地
    • 出水のおそれのある土地
    • ゴミなどで埋め立てられた土地
  • 雨水・汚水を排出、または処理するために以下の施設を設けること
    • 下水管
    • 下水溝
    • ためます
  • がけ崩れのおそれがある場合は、擁壁などの安全措置をとること

 

敷地と土地の違い

敷地と土地は、意味が異なります。

  • 敷地:建築物が建つ、または建設が予定される土地
  • 土地:海や河川などの水に覆われていない地面

土地には地目と呼ばれる種別があり、23種に分けられています。

  • 宅地
  • 塩田
  • 鉱泉地
  • 池沼
  • 山林
  • 牧場
  • 原野
  • 墓地
  • 境内地
  • 運河用地
  • 水道用地
  • 用悪水路
  • ため池
  • 井溝
  • 保安林
  • 公衆用道路
  • 公園
  • 雑種地
  • 学校用地
  • 鉄道用地

 

敷地と宅地の違い

宅地とは、土地の地目の一種で「建物の敷地、およびその維持もしくは効用を果たすための土地」と定義されています。

ただ、建築物の建てられていない宅地も存在します。

逆に、宅地以外の地目であっても、建築可能な土地はありますね。

✔️ 敷地と宅地の違い

  • 敷地:建築物の建つ土地
  • 宅地:地目が宅地とされている土地

 

敷地について建築基準法を読む

敷地の衛生・安全の基準は、建築基準法19条に書かれています。

「建築基準法を読みたくない」という方は、建築法規PRO2021 図解建築申請法規マニュアル建築申請memo 2021といった書籍で、図や表を見て理解するのがおすすめです。

(敷地の衛生及び安全)
19条

建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない。

2 湿潤な土地、出水のおそれの多い土地又はごみその他これに類する物で埋め立てられた土地に建築物を建築する場合においては、盛土、地盤の改良その他衛生上又は安全上必要な措置を講じなければならない。

3 建築物の敷地には、雨水及び汚水を排出し、又は処理するための適当な下水管、下水溝又はためますその他これらに類する施設をしなければならない。

4 建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない。

 

まとめ

  • 敷地とは、建築物を建てたり、道路などを整備できる土地のこと。
  • 敷地に建築物をつくる際のルール
    • 原則として”一つの敷地”には”一棟の建築物”を計画する
    • 2棟以上つくる場合は、それぞれの建築物が用途上不可分であること
  • 一団の土地:一体として利用することが可能な”ひとまとまりの土地”
  • 建築基準法19条に、敷地の衛生と安全に関する基準が示されている。
  • 敷地・土地・宅地は、意味が異なる。
    • 敷地:建築物が建つ、または建設が予定される土地
    • 土地:海や河川などの水に覆われていない地面
    • 宅地:土地の地目の一種で「建物の敷地、およびその維持もしくは効用を果たすための土地」

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