
- 消防同意って、どんな建築物に必要?
- 手続きの方法が知りたい。
- 消防同意にかかる期間の目安は?
こんな悩みに答えます。
本記事では、建築確認申請における『消防同意』について解説。
読み進めることで、主に以下の内容を知ることができます。
- 消防同意の要否判定
- 消防同意の流れ
- 消防同意に要する期間

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営。
住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築基準法の知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。
消防同意とは【消防機関が建築に同意する仕組み】
建築確認申請における『消防同意』とは、確認済証が交付される前に、消防機関が防火上の安全性をチェックする仕組みです。
消防庁が建築計画を確認し、消防法上の問題点がなければ「同意」されます。

もしも、不備があれば「不同意」または「手続きの取り下げ」という結果に。
特に、消防設備の設置が必要となる“住宅以外の建築物”では、所轄消防署と事前協議を実施しておく方がスムーズに進みます。
消防同意が必要な建築物とは
原則として、建築物の確認申請では「消防同意」が必要です。
例外として、消防同意が不要となるケースは以下のとおり。
✔️ 消防同意が不要な建築物
例えば、法22条区域で戸建て住宅を計画する場合は、消防同意が不要ですね。
ただし、住宅以外の用途(車庫など)が50㎡を超える場合は、消防同意の対象となるため注意しましょう。
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消防同意手続きの流れ
消防同意の流れは下図のとおり。
- 確認検査機関で確認申請の受付を行う
- 「事前受付→事前審査→受付」の流れをとる確認検査機関もあり。
- 確認検査機関が消防署へ確認申請図書を郵送
- 消防署が計画に同意
- 消防署から確認検査機関へ確認申請図書を返送
- 確認検査機関が申請図書を受け取り
- 確認検査機関が確認済証を交付
消防同意に要する期間【目安】
消防署が消防同意にかけられる期間は、建築基準法で定められており、建物の用途・規模によって異なります。
- 法6条4号に該当する建築物:消防署の受付日から3日以内
- その他の建築物:消防署の受付日から7日以内
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消防同意時に必要な図書
消防同意に必要な図書は、市町村ごとに違います。
例えば、消防同意に“消防設備の設置計画書”を求める場合や、“消防署への提出用副本”がいるなど様々。

よって、確認申請の提出先(特定行政庁または確認検査機関)または消防署へ、事前に必要書類を問い合わせておくのがおすすめです。
消防同意について建築基準法を読む
消防同意の要否は、建築基準法93条1項にもとづいて判定されます。
「建築基準法を読みたくない」という場合は、建築申請memo2025 や建築消防advice2023といった書籍で、図や表を見て理解を深めていきましょう。
(許可又は確認に関する消防長等の同意等)
第93条
特定行政庁、建築主事又は指定確認検査機関は、この法律の規定による許可又は確認をする場合においては、当該許可又は確認に係る建築物の工事施工地又は所在地を管轄する消防長(消防本部を置かない市町村にあつては、市町村長。以下同じ。)又は消防署長の同意を得なければ、当該許可又は確認をすることができない。ただし、確認に係る建築物が防火地域及び準防火地域以外の区域内における住宅(長屋、共同住宅その他政令で定める住宅を除く。)である場合又は建築主事若しくは指定確認検査機関が第87条の4において準用する第6条第1項若しくは第6条の2第1項の規定による確認をする場合においては、この限りでない。
政令で定める住宅とは、建築基準法施行令147条の3によるもの。
(消防長等の同意を要する住宅)
第147条の3
法第93条第1項ただし書の政令で定める住宅は、1戸建ての住宅で住宅の用途以外の用途に供する部分の床面積の合計が延べ面積の2分の1以上であるもの又は50平方メートルを超えるものとする。
消防同意の期間は、法93条2項。
2 消防長又は消防署長は、前項の規定によつて同意を求められた場合においては、当該建築物の計画が法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定(建築主事又は指定確認検査機関が第6条の4第1項第一号若しくは第二号に掲げる建築物の建築、大規模の修繕、大規模の模様替若しくは用途の変更又は同項第3号に掲げる建築物の建築について確認する場合において同意を求められたときは、同項の規定により読み替えて適用される第6条第1項の政令で定める建築基準法令の規定を除く。)で建築物の防火に関するものに違反しないものであるときは、同項第4号に係る場合にあつては、同意を求められた日から3日以内に、その他の場合にあつては、同意を求められた日から7日以内に同意を与えてその旨を当該特定行政庁、建築主事又は指定確認検査機関に通知しなければならない。この場合において、消防長又は消防署長は、同意することができない事由があると認めるときは、これらの期限内に、その事由を当該特定行政庁、建築主事又は指定確認検査機関に通知しなければならない。
まとめ
- 建築確認申請における消防同意とは、確認済証の交付前に、消防機関が防火上の安全性をチェックする仕組み。
- 原則として、建築物の確認申請では「消防同意」が必要。
- 例外として、消防同意が不要となるのは、防火・準防火地域以外で下記のいずれか。
- 戸建て住宅
- 併用住宅(住宅以外の用途が延べ面積の”1/2以上” or “50㎡未満”)
- 消防同意に要する期間は、建物の用途・規模によって異なる。
- 法6条4号に該当する建築物:3日以内
- その他の建築物:7日以内
- 消防同意に必要な図書は、市町村ごとに異なる。