屋根材の種類・固定方法をくわしく解説【太陽光パネル設置の注意点】

屋根材 構造規定
  • 屋根材って、どんな種類がある?
  • 屋根葺き材は、どのように固定すればいい?
  • 太陽光パネルを載せるときの基準が知りたい。

こんな疑問や要望に答えます。

本記事では、屋根材の種類や設計基準についてわかりやすく解説。

建築基準法に定められた屋根葺き材の緊結方法や太陽光パネルを載せる際の注意点を理解することができます。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

Sponsored Links

屋根材の種類

建築物の屋根材で代表的なものは以下のとおり。

  • 金属屋根
  • 瓦屋根(粘土瓦)
  • スレート屋根
  • アスファルトシングル
  • セメント瓦

 

金属屋根

金属屋根(=金属系屋根材)には、以下のような種類があります。

  • トタン
  • ガルバリウム鋼板
  • 銅板

非常に軽量で、建物への負担が少ないため、耐震性に優れているのが特徴。

中でも「ガルバリウム鋼板」は、アルミニウムと亜鉛の合金によって耐食性が高く、錆びにくいことから普及が進んでいます。

ただし、金属という素材の性質上、断熱性や遮音性は他の屋根材と比べて劣るでしょう。

最近では断熱材と一体化した製品も出てきていて、これらのデメリットを補う工夫がなされています。

 

瓦屋根(粘土瓦)

瓦屋根(粘土瓦)は、粘土を高温で焼き固めて作られる、日本の伝統的な屋根材です。

表面に光沢のある釉薬をかけた「釉薬瓦」や、独特の渋い風合いを持つ「いぶし瓦」などの種類があります。

粘土瓦は耐久性が高く、適切なメンテナンスを行えば50年以上使用できることもあり、断熱性にも優れているのが特長。

ただし、素材自体が重いため、地震時には建物への負担が大きくなりやすく、設計段階での耐震対策が重要ですね。

 

スレート屋根

スレート屋根は、セメントに繊維を混ぜて薄い板状に成型した「化粧スレート」が一般的です。

軽量で安価、施工性にも優れており、コストパフォーマンスの高い屋根材として広く普及しています。

ただし、素材が薄く割れやすいため、台風や飛来物などによる破損リスクのあるほか、耐久性の面では他の屋根材に劣る部分も。

定期的な点検やメンテナンスが欠かせませんね。

天然石を使用した「天然スレート(玄昌石など)」もありますが、こちらは高価で施工にも手間がかかるため、主に高級住宅や公共建築が対象となります。

 

アスファルトシングル

アスファルトシングルは、ガラス繊維にアスファルトを染み込ませた基材に、表面から細かな石粒を吹き付けて仕上げたシート状の屋根材です。

軽量で施工がしやすく、複雑な形状の屋根にも柔軟に対応できることから、特に北米を中心に広く使用されています。

ただし、日本の強風や台風の多い地域では、施工方法や下地処理に工夫が必要ですね。

 

セメント瓦

セメント瓦は、セメントと砂を型に入れて成形した屋根材で、粘土瓦に比べて安価で施工もしやすいのが特徴です。

外観は粘土瓦に似ているものの、表面塗装によって防水性や美観を保っているため、経年とともに色あせや劣化が生じます。

定期的な塗装メンテナンスが欠かせません。

コストを抑えつつ瓦の雰囲気を取り入れたい場合に選ばれることが多い屋根材です。

 

Sponsored Links

屋根材の緊結方法

屋根ふき材は、風や地震などによって脱落しないように緊結する必要があります。(建築基準法施行令39条)

具体的な緊結方法は「告示第109号」で確認。

ちなみに、令和4年の告示改正により基準が強化されているので注意しましょう。

 

たとえば、瓦屋根の緊結方法は以下のとおり。

① 全ての瓦を緊結する。

2025-07-30_21h52_39

出典:国交省

②平部は、基準風速に応じた緊結方法とする。

基準風速 V0 30m/s 32 ~36m/s 38 ~46m/s
瓦の種類
F 形 くぎ等1本で緊結 くぎ等2本で緊結 使用不可
J 型・S 型 くぎ等2本で緊結
防災瓦 くぎ等1本で緊結

③屋根ふき材・緊結金物には、さび止め・防腐措置を施します。

瓦以外の屋根ふき材の緊結方法に関する参考資料

 

設計図書の記載例

屋根ふき材や外装材等の緊結方法は、設計図書 (仕様表等) に明示する必要があります。

項目 仕様

屋根ふき材等

(令第 39 条)

屋根ふき材の固定方法
  • 平部:全数固定
  • 棟部 : ねじ固定
  • 軒 ・ けらば:ねじ3本固定
屋外に面する部分のタイル等の緊結方法 該当なし
太陽光システム等を設置した際の防錆処理 該当なし

 

木造小屋組の接合部

計画地の基準風速や強風の実況に応じて、小屋組の部位ごとに接合方法を選びます。

対象となる接合部は、 以下のとおり。

  1. 垂木(たるき)と母屋(もや)・軒げた・棟木(むなぎ)
  2. 小屋束と小屋ばり
  3. 小屋束と母屋・棟木
  4. 野地板(のじいた)と垂木

出典:国交省

 

太陽光パネルを設置する際の注意点

太陽光パネルを設ける場合、屋根ふき材と一体かどうかによって扱いが変わります。

屋根ふき材と一体の場合

「屋根ふき材と一体化された太陽光パネル」は、屋根と同様に扱われるため、その緊結方法を設計図書(仕様書など)に明示する必要があります。

屋根ふき材とは別に設置する場合

屋根ふき材とは別に設置され、建築設備とみなされる太陽光パネルは、「さび止め処理」をおこなうことを、設計図書(仕様書等)に明記します。

 

建築基準法を読む

屋根ふき材の緊結については、建築基準法施行令39条に定められています。

「建築基準法を読みたくない」という方は、建築法規PRO2025 図解建築申請法規マニュアル建築申請memo2025 といった書籍で、図や表を見て理解を深めていきましょう。

(屋根ふき材等)

第三十九条

屋根ふき材、内装材、外装材、帳壁その他これらに類する建築物の部分及び広告塔、装飾塔その他建築物の屋外に取り付けるものは、風圧並びに地震その他の震動及び衝撃によつて脱落しないようにしなければならない。

2 屋根ふき材、外装材及び屋外に面する帳壁の構造は、構造耐力上安全なものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。

以下省略

具体的には、「建設省告示109号」を参照。

建設省告示 第109号

屋根ふき材、外装材及び屋外に面する帳壁の構造方法を定める件

建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第39条第2項の規定に基づき、屋根ふき材、外装材及び屋外に面する帳壁の構造方法を次のように定める。

第1 屋根ふき材は、次に定めるところによらなければならない。

一 屋根ふき材は、荷重又は外力により、脱落又は浮き上がりを起さないように、たるき、梁、けた、野地板その他これらに類する構造部材に取り付けるものとすること。

二 屋根ふき材及び緊結金物その他これらに類するものが、腐食又は、腐朽するおそれがある場合には、有効なさび止め又は防腐のための措置をすること。

三 屋根瓦は、次のイからニまでに掲げる屋根の部分の区分に応じ、それぞれ当該イからニまでに定める方法でふき、又はこれと同等以上の耐力を有するようにふくこと。ただし、平成12年建設省告示第1458号に定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。

イ 軒 J形(日本産業規格(以下「JIS」という。)A5208(粘土がわら)-1996に規定するJ形をいう。)の軒瓦(JIS A5208(粘土がわら)-1996に適合するもの又はこれと同等以上の性能を有するものに限る。)又はS形(JIS A5208(粘土がわら)-1996に規定するS形をいう。)若しくはF形(JIS A5208(粘土がわら)-1996に規定するF形をいう。以下同じ。)の桟瓦(JIS A5208(粘土がわら)-1996に適合するもの又はこれと同等以上の性能を有するものに限る。以下同じ。)を3本以上のくぎ(容易に抜け出ないように加工されたものに限る。)又はねじ(以下「くぎ等」という。)で下地に緊結する方法

ロ けらば 袖瓦(JIS A5208(粘土がわら)-1996に適合するもの又はこれと同等以上の性能を有するものに限る。)を3本以上のくぎ等で下地に緊結する方法

ハ むね 下地に緊結した金物に芯材を取り付け、冠瓦(JIS A5208(粘土がわら)-1996に適合するもの又はこれと同等以上の性能を有するものに限る。)をねじで当該芯材に緊結する方法

ニ イからハまでに掲げる屋根の部分以外の屋根の部分 桟瓦をくぎ等で下地に緊結し、かつ、次の(1)又は(2)のいずれかに該当する場合においては、隣接する桟瓦をフックその他これに類する部分によつて構造耐力上有効に組み合わせる方法

(1) V0(建築基準法施行令第87条第2項に規定するV0をいう。以下同じ。)が38メートル毎秒以上の区域である場合

(2) V0が32メートル毎秒以上の区域においてF形の桟瓦を使用する場合(当該桟瓦を2本以上のくぎ等で下地に緊結する場合を除く。)

以下省略

 

まとめ

  • 代表的な屋根材
    • 金属屋根:軽量で、建物への負担が少ないため、耐震性に優れている。
    • 瓦屋根:耐久性が高く、適切なメンテナンスを行えば50年以上使用できることもある。
    • スレート屋根:軽量で安価、施工性にも優れており、コストパフォーマンスが高い。
    • アスファルトシングル:軽量で施工がしやすく、複雑な形状の屋根にも柔軟に対応できる。
    • セメント瓦:コストを抑えつつ、瓦の雰囲気を取り入れられる。
  • 屋根ふき材は、風や地震などによって脱落しないように緊結すること。
  • 屋根ふき材の緊結方法は、設計図書に明示する。
  • 太陽光パネルを設ける場合、屋根ふき材と一体かどうかによって扱いが変わる。

人気記事 転職3回の一級建築士が語る。おすすめ転職サイト・転職エージェント

人気記事 副業ブログで月5万円を目指すには? 始め方とおすすめの収益化方法

人気記事 一級建築士試験のおすすめ資格学校・アプリ【総合資格とスタディング】