【増築】既存不適格の緩和方法まとめ|緩和条文の一覧表も紹介

増築_既存不適格の緩和まとめ増築
  • 増築の計画で「既存不適格建築物」がある場合、どのように対象すればいい?
  • 既存不適格の緩和方法を教えてほしい。
  • 緩和が使える条文の一覧表ってある?

こんな疑問に答えます。

本記事では、増築における「既存不適格建築物」の取り扱いや緩和の方法について解説。

増築時に既存不適格となる部分がある場合は、現在の建築基準法に適合するよう改修するか、既存不適格の緩和条件を満たすか、どちらかを選択することになります。

緩和要件を満たすことで、既存建物を現状維持できれば建設コストの削減につながるため、増改築を計画している設計者にとって有益な情報かと。

 

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営しています。

住宅から特殊建築物まで、1000件以上の設計相談を受けて得た建築基準法の知識をできるだけわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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既存不適格の緩和とは

既存不適格の緩和を適用するために、建築基準法を読み進めていく流れを整理しておきましょう。

  1. 既存不適格の定義(建築基準法3条)
  2. 既存不適格に対する制限の緩和を適用できる条項かを判定(建築基準法86条の7)
  3. 既存不適格部分を緩和するための条件(建築基準法施行令137条~)

 

まず、『既存不適格』の定義について、建築基準法では以下のように書かれています。

第3条 (適用の除外)

1.前略

この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際現に存する建築物若しくはその敷地又は現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物若しくはその敷地がこれらの規定に適合せず、又はこれらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、当該規定は、適用しない。

以下省略

 

次に、既存不適格の緩和が適用できる条項が何かを示す“建築基準法86条の7”を確認。

下記の赤枠部分に書かれた条項は、既存不適格であっても、政令で定められた条件を満たすことができれば緩和可能です。

つまり、増築をしても既存不適格建築物のまま維持できる可能性があるということ。

(既存の建築物に対する制限の緩和)

第86条の7

第三条第二項(第八十六条の九第一項において準用する場合を含む。以下この条、次条及び第八十七条において同じ。)の規定により

第二十条、第二十六条、第二十七条、第二十八条の二(同条各号に掲げる基準のうち政令で定めるものに係る部分に限る。)、第三十条、第三十四条第二項、第四十七条、第四十八条第一項から第十四項まで、第五十一条、第五十二条第一項、第二項若しくは第七項、第五十三条第一項若しくは第二項、第五十四条第一項、第五十五条第一項、第五十六条第一項、第五十六条の二第一項、第五十七条の四第一項、第五十七条の五第一項、第五十八条、第五十九条第一項若しくは第二項、第六十条第一項若しくは第二項、第六十条の二第一項若しくは第二項、第六十条の三第一項若しくは第二項、第六十一条、第六十二条第一項、第六十七条の三第一項若しくは第五項から第七項まで又は第六十八条第一項若しくは第二項の規定
の適用を受けない建築物について政令で定める範囲内において増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替(以下この条及び次条において「増築等」という。)をする場合(第三条第二項の規定により第二十条の規定の適用を受けない建築物について当該政令で定める範囲内において増築又は改築をする場合にあつては、当該増築又は改築後の建築物の構造方法が政令で定める基準に適合する場合に限る。)においては、第三条第三項第三号及び第四号の規定にかかわらず、これらの規定は、適用しない。

2 第三条第二項の規定により

第二十条又は第三十五条(同条の技術的基準のうち政令で定めるものに係る部分に限る。以下この項及び第八十七条第四項において同じ。)の規定
の適用を受けない建築物であつて、第二十条又は第三十五条に規定する基準の適用上一の建築物であつても別の建築物とみなすことができる部分として政令で定める部分(以下この項において「独立部分」という。)が二以上あるものについて増築等をする場合においては、第三条第三項第三号及び第四号の規定にかかわらず、当該増築等をする独立部分以外の独立部分に対しては、これらの規定は、適用しない。

3 第三条第二項の規定により

第二十八条、第二十八条の二(同条各号に掲げる基準のうち政令で定めるものに係る部分に限る。)、第二十九条から第三十二条まで、第三十四条第一項、第三十五条の三又は第三十六条(防火壁、防火区画、消火設備及び避雷設備の設置及び構造に係る部分を除く。)の規定
の適用を受けない建築物について増築等をする場合においては、第三条第三項第三号及び第四号の規定にかかわらず、当該増築等をする部分以外の部分に対しては、これらの規定は、適用しない。

(省略)

そして、上記の文中における「政令で定める範囲(=緩和条件)」が書かれている『建築基準法施行令第8章”既存の建築物に対する制限の緩和等”』に至る、というのが既存不適格緩和の流れです。

逆に言えば、この法文に記載されていない条項が既存不適格となっている場合は、緩和することができません。増築を行うときに既存不適格部分を改修して、現在の建築基準法に適合させる必要があります。

 

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既存不適格緩和の有無を調べる早見表

建築基準法を読むのが苦手な方は、『既存不適格緩和の有無がわかる一覧表』を活用しましょう。

既存不適格緩和_一覧表
出典: 既存建築物の増築等における法適合性の確認取扱要領及び同解説

建築基準法を理解し、読むことができるというのは設計者に欠かせない能力。

そうは言っても、法文だけを頼りに既存不適格の緩和の有無を調べるのは、建築基準法を読みなれていないと難しいかと思います。

既存不適格緩和の有無を一覧表で確認しつつ、建築基準法の本文で最終チェックをするのが定番の流れですね。

 

既存不適格緩和を知るには、『書籍:プロが読み解く 増改築の法規入門 』がおすすめ

大阪府内建築行政連絡協議会の一覧表は、建築基準法を読み慣れていない方には、少しよみづらいかもしれません。

「さらにわかりやすい一覧表がほしい」という設計者の方には、プロが読み解く 増改築の法規入門 増補改訂版 ”という書籍の付録がおすすめ。

確認検査員として審査を行う際に活用しています。増築の確認申請における注意点もまとめられていて、学びの多い書籍です。

 

既存不適格緩和の条件まとめ

既存不適格緩和の検討の流れ

  1. 既存建物に既存不適格部分がないか調査する
  2. 既存不適格となる条項が緩和できるか、緩和できずに改修しなければならないか、早見表を活用して確認する
  3. 緩和できる条項であれば、“建築基準法施行令 第八章 既存の建築物に対する制限の緩和等”を読み込む
  4. 確認申請では、”既存不適格緩和に関する検討資料”を確認検査機関に提出する

 

増築の設計に取りかかる前に、まずは既存建物の調査を行い、「既存不適格となる条項は何か」を明らかにしておきましょう。

計画地が大阪府下であれば、既存建物の調査には、大阪府内建築行政連絡協議会の現況調査チェックリスト(様式C)が便利。

確認検査機関によっては独自の現況調査チェックリストを作成しており、ホームページからダウンロードできることも。申請先の機関に相談してみてください。

既存不適格となる建築基準法の規定がわかり、既存不適格緩和が適用できる条文であれば、いよいよ令137条の緩和条件を満たせるかどうかの検討に入ります。

 

『構造(法20条)』の既存不適格緩和の条件

例えば、構造(法20条)に関する既存不適格緩和を使う場合は、既存建物が”令137条の2”に書かれている緩和の条件を満たすかどうか検討を行います。

既存の確認申請図書(副本)を用いて構造に関する検討を行った結果、緩和条件を満たしていれば、法20条の既存不適格部分は現状のまま維持することが可能。

(構造耐力関係)

第百三十七条の二

第百三十七条の二 法第三条第二項の規定により法第二十条の規定の適用を受けない建築物(法第八十六条の七第二項の規定により法第二十条の規定の適用を受けない部分を除く。第百三十七条の十二第一項において同じ。)について法第八十六条の七第一項の規定により政令で定める範囲は、増築及び改築については、次の各号に掲げる範囲とし、同項の政令で定める基準は、それぞれ当該各号に定める基準とする。
一 増築又は改築の全て(次号及び第三号に掲げる範囲を除く。) 増築又は改築後の建築物の構造方法が次のいずれかに適合するものであること。
イ 次に掲げる基準に適合するものであること。
(1) 第三章第八節の規定に適合すること。
(2) 増築又は改築に係る部分が第三章第一節から第七節の二まで及び第百二十九条の二の四の規定並びに法第四十条の規定に基づく条例の構造耐力に関する制限を定めた規定に適合すること。
(3) 増築又は改築に係る部分以外の部分が耐久性等関係規定に適合し、かつ、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃による当該建築物の倒壊及び崩落、屋根ふき材、特定天井、外装材及び屋外に面する帳壁の脱落並びにエレベーターの籠の落下及びエスカレーターの脱落のおそれがないものとして国土交通大臣が定める基準に適合すること。
ロ 次に掲げる基準に適合するものであること。
(1) 増築又は改築に係る部分がそれ以外の部分とエキスパンションジョイントその他の相互に応力を伝えない構造方法のみで接すること。
(2) 増築又は改築に係る部分が第三章及び第百二十九条の二の四の規定並びに法第四十条の規定に基づく条例の構造耐力に関する制限を定めた規定に適合すること。
(3) 増築又は改築に係る部分以外の部分が耐久性等関係規定に適合し、かつ、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃による当該建築物の倒壊及び崩落、屋根ふき材、特定天井、外装材及び屋外に面する帳壁の脱落並びにエレベーターの籠の落下及びエスカレーターの脱落のおそれがないものとして国土交通大臣が定める基準に適合すること。
二 増築又は改築に係る部分の床面積の合計が基準時における延べ面積の二十分の一(五十平方メートルを超える場合にあつては、五十平方メートル)を超え、二分の一を超えないこと 増築又は改築後の建築物の構造方法が次のいずれかに適合するものであること。
イ 耐久性等関係規定に適合し、かつ、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃による当該建築物の倒壊及び崩落、屋根ふき材、特定天井、外装材及び屋外に面する帳壁の脱落並びにエレベーターの籠の落下及びエスカレーターの脱落のおそれがないものとして国土交通大臣が定める基準に適合するものであること。
ロ 第三章第一節から第七節の二まで(第三十六条及び第三十八条第二項から第四項までを除く。)の規定に適合し、かつ、その基礎の補強について国土交通大臣が定める基準に適合するものであること(法第二十条第一項第四号に掲げる建築物である場合に限る。)。
ハ 前号に定める基準に適合するものであること。
三 増築又は改築に係る部分の床面積の合計が基準時における延べ面積の二十分の一(五十平方メートルを超える場合にあつては、五十平方メートル)を超えないこと 増築又は改築後の建築物の構造方法が次のいずれかに適合するものであること。
イ 次に掲げる基準に適合するものであること。
(1) 増築又は改築に係る部分が第三章及び第百二十九条の二の四の規定並びに法第四十条の規定に基づく条例の構造耐力に関する制限を定めた規定に適合すること。
(2) 増築又は改築に係る部分以外の部分の構造耐力上の危険性が増大しないこと。
ロ 前二号に定める基準のいずれかに適合するものであること。

『防火壁(法26条)』の既存不適格緩和の条件

(防火壁関係)

第百三十七条の三

法第三条第二項の規定により法第二十六条の規定の適用を受けない建築物について法第八十六条の七第一項の規定により政令で定める範囲は、増築及び改築については、工事の着手が基準時以後である増築及び改築に係る部分の床面積の合計が五十平方メートルを超えないこととする。

『耐火建築物等としなければならない特殊建築物(法27条)』の既存不適格緩和の条件

(耐火建築物等としなければならない特殊建築物関係)

第百三十七条の四

法第三条第二項の規定により法第二十七条の規定の適用を受けない特殊建築物について法第八十六条の七第一項の規定により政令で定める範囲は、増築(劇場の客席、病院の病室、学校の教室その他の当該特殊建築物の主たる用途に供する部分以外の部分に係るものに限る。)及び改築については、工事の着手が基準時以後である増築及び改築に係る部分の床面積の合計が五十平方メートルを超えないこととする。

『物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置(法28条の2)』の既存不適格緩和の条件

(増築等をする場合に適用されない物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置に関する基準)

第百三十七条の四の二

第八十六条の七第一項及び法第八十八条第一項の政令で定める基準は、法第二十八条の二第一号及び第二号に掲げる基準とする。

『石綿(法28条の2)』の既存不適格緩和の条件

(石綿関係)

第百三十七条の四の三

法第三条第二項の規定により法第二十八条の二(前条に規定する基準に係る部分に限る。第百三十七条の十二第三項において同じ。)の規定の適用を受けない建築物について法第八十六条の七第一項の規定により政令で定める範囲は、増築及び改築については、次に定めるところによる。

一 増築又は改築に係る部分の床面積の合計が基準時における延べ面積の二分の一を超えないこと。
二 増築又は改築に係る部分が前条に規定する基準に適合すること。

三 増築又は改築に係る部分以外の部分が、建築材料から石綿を飛散させるおそれがないものとして石綿が添加された建築材料を被覆し又は添加された石綿を建築材料に固着する措置について国土交通大臣が定める基準に適合すること。

『長屋・共同住宅の各戸の界壁(法30条)』の既存不適格緩和の条件

(長屋又は共同住宅の各戸の界壁関係)

第百三十七条の五

法第三条第二項の規定により法第三十条の規定の適用を受けない長屋又は共同住宅について法第八十六条の七第一項の規定により政令で定める範囲は、増築については増築後の延べ面積が基準時における延べ面積の一・五倍を超えないこととし、改築については改築に係る部分の床面積が基準時における延べ面積の二分の一を超えないこととする。

『非常用の昇降機』の既存不適格緩和の条件

(非常用の昇降機関係)

第百三十七条の六

法第三条第二項の規定により法第三十四条第二項の規定の適用を受けない高さ三十一メートルを超える建築物について法第八十六条の七第一項の規定により政令で定める範囲は、増築及び改築については、次に定めるところによる。

一 増築に係る部分の建築物の高さが三十一メートルを超えず、かつ、増築に係る部分の床面積の合計が基準時における延べ面積の二分の一を超えないこと。

二 改築に係る部分の床面積の合計が基準時における延べ面積の五分の一を超えず、かつ、改築に係る部分の建築物の高さが基準時における当該部分の高さを超えないこと。

『用途地域等(法48条)』の既存不適格緩和の条件

(用途地域等関係)

第百三十七条の七

法第三条第二項の規定により法第四十八条第一項から第十四項までの規定の適用を受けない建築物について法第八十六条の七第一項の規定により政令で定める範囲は、増築及び改築については、次に定めるところによる。

一 増築又は改築が基準時における敷地内におけるものであり、かつ、増築又は改築後における延べ面積及び建築面積が基準時における敷地面積に対してそれぞれ法第五十二条第一項、第二項及び第七項並びに法第五十三条の規定並びに法第六十八条の二第一項の規定に基づく条例の第百三十六条の二の五第一項第二号及び第三号の制限を定めた規定に適合すること。
二 増築後の床面積の合計は、基準時における床面積の合計の一・二倍を超えないこと。
三 増築後の法第四十八条第一項から第十四項までの規定に適合しない用途に供する建築物の部分の床面積の合計は、基準時におけるその部分の床面積の合計の一・二倍を超えないこと。
四 法第四十八条第一項から第十四項までの規定に適合しない事由が原動機の出力、機械の台数又は容器等の容量による場合においては、増築後のそれらの出力、台数又は容量の合計は、基準時におけるそれらの出力、台数又は容量の合計の一・二倍を超えないこと。

五 用途の変更(第百三十七条の十九第二項に規定する範囲内のものを除く。)を伴わないこと。

『容積率(法52条)』の既存不適格緩和の条件

(容積率関係)

第百三十七条の八

法第三条第二項の規定により法第五十二条第一項、第二項若しくは第七項又は法第六十条第一項(建築物の高さに係る部分を除く。)の規定の適用を受けない建築物について法第八十六条の七第一項の規定により政令で定める範囲は、増築及び改築については、次に定めるところによる。

一 増築又は改築に係る部分が増築又は改築後においてエレベーターの昇降路の部分(当該エレベーターの設置に付随して設けられる共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分を含む。)、自動車車庫等部分、備蓄倉庫部分、蓄電池設置部分、自家発電設備設置部分又は貯水槽設置部分となること。
二 増築前におけるエレベーターの昇降路の部分、共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分、自動車車庫等部分、備蓄倉庫部分、蓄電池設置部分、自家発電設備設置部分及び貯水槽設置部分以外の部分の床面積の合計が基準時における当該部分の床面積の合計を超えないものであること。

三 増築又は改築後における自動車車庫等部分の床面積の合計、備蓄倉庫部分の床面積の合計、蓄電池設置部分の床面積の合計、自家発電設備設置部分の床面積の合計又は貯水槽設置部分の床面積の合計(以下この号において「対象部分の床面積の合計」という。)が、第二条第三項各号に掲げる建築物の部分の区分に応じ、増築又は改築後における当該建築物の床面積の合計に当該各号に定める割合を乗じて得た面積(改築の場合において、基準時における対象部分の床面積の合計が同項各号に掲げる建築物の部分の区分に応じ基準時における当該建築物の床面積の合計に当該各号に定める割合を乗じて得た面積を超えているときは、基準時における対象部分の床面積の合計)を超えないものであること。

『高度利用地区等』の既存不適格緩和の条件

(高度利用地区等関係)

第百三十七条の九

法第三条第二項の規定により法第五十九条第一項(建築物の建蔽率に係る部分を除く。)、法第六十条の二第一項(建築物の建蔽率及び高さに係る部分を除く。)又は法第六十条の三第一項の規定の適用を受けない建築物について法第八十六条の七第一項の規定により政令で定める範囲は、その適合しない部分が、当該建築物の容積率の最低限度又は建築面積に係る場合の増築及び改築については次の各号に、当該建築物の容積率の最高限度及び建築面積に係る場合の増築及び改築については次の各号及び前条各号に、当該建築物の容積率の最高限度に係る場合の増築及び改築については同条各号に定めるところによる。

一 増築後の建築面積及び延べ面積が基準時における建築面積及び延べ面積の一・五倍を超えないこと。
二 増築後の建築面積が高度利用地区、都市再生特別地区又は特定用途誘導地区に関する都市計画において定められた建築面積の最低限度の三分の二を超えないこと。
三 増築後の容積率が高度利用地区、都市再生特別地区又は特定用途誘導地区に関する都市計画において定められた容積率の最低限度の三分の二を超えないこと。

改築に係る部分の床面積が基準時における延べ面積の二分の一を超えないこと。

『防火地域・特定防災街区整備地区(法61条・法67条)』の既存不適格緩和の条件

(防火地域及び特定防災街区整備地区関係)

第百三十七条の十

法第三条第二項の規定により法第六十一条又は法第六十七条の三第一項の規定の適用を受けない建築物(木造の建築物にあつては、外壁及び軒裏が防火構造のものに限る。)について法第八十六条の七第一項の規定により政令で定める範囲は、増築及び改築については、次に定めるところによる。

一 工事の着手が基準時以後である増築及び改築に係る部分の床面積の合計(当該増築又は改築に係る建築物が同一敷地内に二以上ある場合においては、これらの増築又は改築に係る部分の床面積の合計)は、五十平方メートルを超えず、かつ、基準時における当該建築物の延べ面積の合計を超えないこと。
二 増築又は改築後における階数が二以下で、かつ、延べ面積が五百平方メートルを超えないこと。

三 増築又は改築に係る部分の外壁及び軒裏は、防火構造とすること。

『準防火地域(法62条)』の既存不適格緩和の条件

(準防火地域関係)

第百三十七条の十一

法第三条第二項の規定により法第六十二条第一項の規定の適用を受けない建築物(木造の建築物にあつては、外壁及び軒裏が防火構造のものに限る。)について法第八十六条の七第一項の規定により政令で定める範囲は、増築及び改築については、次に定めるところによる。

一 工事の着手が基準時以後である増築及び改築に係る部分の床面積の合計(当該増築又は改築に係る建築物が同一敷地内に二以上ある場合においては、これらの増築又は改築に係る部分の床面積の合計)は、五十平方メートルを超えないこと。
二 増築又は改築後における階数が二以下であること。

三 増築又は改築に係る部分の外壁及び軒裏は、防火構造とすること。

『避難規定(法35条)』の既存不適格緩和の条件

(増築等をする独立部分以外の独立部分に対して適用されない技術的基準)

第百三十七条の十三

法第八十六条の七第二項(法第八十七条第四項において準用する場合を含む。次条において同じ。)の政令で定める技術的基準は、第五章第二節(第百十七条第二項を除く。)、第三節(第百二十六条の二第二項を除く。)及び第四節に規定する技術的基準とする。

(独立部分)

第百三十七条の十四

法第八十六条の七第二項(法第八十八条第一項において準用する場合を含む。)の政令で定める部分は、次の各号に掲げる建築物の部分の区分に応じ、当該各号に定める部分とする。

一 法第二十条第一項に規定する基準の適用上一の建築物であつても別の建築物とみなすことができる部分 第三十六条の四に規定する建築物の部分
二 法第三十五条(第五章第二節(第百十七条第二項を除く。)及び第四節に規定する技術的基準に係る部分に限る。)に規定する基準の適用上一の建築物であつても別の建築物とみなすことができる部分 第百十七条第二項各号に掲げる建築物の部分

三 法第三十五条(第五章第三節(第百二十六条の二第二項を除く。)に規定する技術的基準に係る部分に限る。)に規定する基準の適用上一の建築物であつても別の建築物とみなすことができる部分 建築物が次のいずれかに該当するもので区画されている場合における当該区画された部分

イ 開口部のない準耐火構造の床又は壁

ロ 法第二条第九号の二ロに規定する防火設備でその構造が第百十二条第十四項第一号イ及びロ並びに第二号ロに掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの

『シックハウス換気設備(法28条の2 第3項)』の既存不適格緩和の条件

(増築等をする部分以外の居室に対して適用されない基準)

第百三十七条の十五

法第八十六条の七第三項の政令で定める基準は、法第二十八条の二第三号に掲げる基準(第二十条の七から第二十条の九までに規定する技術的基準に係る部分に限る。)とする。

 

まとめ

  • 既存不適格の緩和において、建築基準法を読み進めていく流れ
    1. 既存不適格の定義(建築基準法3条)
    2. 既存不適格に対する制限の緩和を適用できる条項かを判定(建築基準法86条の7)
    3. 既存不適格部分を緩和するための条件(建築基準法施行令137条~)
  • 法86条の7に記載されていない条項が既存不適格となっている場合は、緩和が適用できない。
    • 増築時に既存不適格部分を改修して、現在の建築基準法に適合させること。
  • 『既存不適格緩和の有無がわかる一覧表』を活用。
  • 既存不適格緩和の検討の流れ
    1. 既存建物に既存不適格部分がないか調査
    2. 既存不適格となる条項が緩和できるかを確認
    3. 緩和できる条項であれば、“建築基準法施行令 第八章 既存の建築物に対する制限の緩和等”の条件チェック
    4. 確認申請では”既存不適格緩和に関する検討資料”を確認検査機関に提出