独立基礎とは|設計基準やメリット・デメリットをわかりやすく解説

独立基礎 構造規定
  • 独立基礎って何?
  • 独立基礎の設計基準は?
  • 独立基礎でつくったフェンスは倒れやすい?

こんな疑問や要望に答えます。

本記事では、基礎構造の一つである「独立基礎」についてわかりやすく解説。

独立基礎の設計基準やメリット・デメリットを理解することができます。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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独立基礎とは

独立基礎とは、建物の柱の真下に、それぞれ独立して基礎を設ける工法です。

主に鉄骨造や鉄筋コンクリート造の大規模建築物、工場、店舗、商業施設などで採用されています。

戸建て住宅では、傾斜地への建築時や、玄関ポーチ・庭の物置・デッキといった小規模な構造物に用いられることもありますね。

 

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独立基礎の設計基準

柱の下のみに基礎を設ける「独立基礎」は、底盤の面積がベタ基礎や布基礎に比べて小さく、限られた範囲で建物荷重を支えるため、より高い地耐力が求められます。

地耐力:地盤が建物などの重さに耐えられる力のこと。

鉄骨造で設計する工場や店舗などの大空間構造では、支持力の高い地盤まで掘り下げるか、杭を打って荷重を支持させる必要がありますね。

さらに、独立基礎同士を「地中梁」と呼ばれる鉄筋コンクリートの梁で連結することで、基礎間の拘束性を高め、不同沈下を抑制します。

不同沈下:建物が不均一に沈む現象。

 

独立基礎のメリット

独立基礎のメリットをまとめると以下のとおり。

1 コストを抑えられる 独立基礎は柱の下にのみ基礎を設ける構造のため、コンクリートや鉄筋の使用量が少なく、施工コストを抑えることができます。
2 工期が短い 工事工程がシンプルなため、施工期間が短く済みます。外構のフェンス設置などでは、1日で完了するケースも。
3 設置場所の自由度が高い 各基礎が独立しているため、地盤の高低差や建物の配置に柔軟に対応でき、希望する場所に設置しやすいのが特徴です。
4 施工が比較的容易 小規模な塀や軽量な構造物であれば、専門的な技術がなくても比較的容易に施工できます。

 

独立基礎のデメリット

独立基礎のデメリットをまとめました。

1 強度・耐震性が低い 独立基礎は、支柱ごとに独立して地面に設置されるため、構造全体としての一体性がなく、連続基礎や布基礎(ブロック基礎)と比べて強度や耐震性に劣ります。
2 施工精度が求められる 各基礎の高さ・位置を揃える必要があり、施工には精度が求められます。特にDIYでの施工は難易度が高く、位置ズレが生じるとフェンスが波打ったり、傾いたりするなど、見た目や強度に影響を及ぼします。
3 不同沈下のリスクがある 各基礎が独立して荷重を支える構造のため、地盤にムラがあると一部の基礎だけが沈下する「不同沈下」が起こります。工作物(フェンスなど)の傾きといったトラブルにつながる可能性も。

 

【Q&A】独立基礎のフェンスは倒れる?

Q. 独立基礎のフェンスは倒れる?
A. 独立基礎のフェンスは、メッシュフェンスなど風を通しやすいタイプなら安定しやすいでしょう。ただし、目隠しフェンスのように風圧を強く受ける場合は倒れたり曲がったりするリスクがあります。

まとめ

  • 独立基礎とは、建物の柱の真下に、それぞれ独立して基礎を設ける工法。
  • 独立基礎は、限られた範囲で建物荷重を支えるため、より高い地耐力が求められる。
  • 独立基礎のメリット
    • コストを抑えられる
    • 工期が短い
    • 設置場所の自由度が高い
    • 施工が比較的容易
  • 独立基礎のデメリット
    • 強度・耐震性が低い
    • 施工精度が求められる
    • 不同沈下のリスクがある

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