断熱等級6とは|基準となるUA値・仕様・よくある疑問をまるごと解説

断熱等級6とは 品確法・省エネ法
  • 断熱等級6って何?
  • 断熱等級6で満たすべき基準は?
  • 断熱等級6の一般的な仕様は?

本記事では、住宅の省エネ性能を示す「断熱等級6」についてわかりやすく解説。

記事を読むことで、断熱性能の高い家を設計するときに役立つ知識が身につきます。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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断熱等級6とは

断熱等級6とは、2022年10月1日に施行された等級で、HEAT20 G2グレード基準と同等の高い断熱性能を備えています。

「冬、暖房していない部屋でも概ね13℃を下回らない(地域区分6の場合)」レベルの温熱環境を目指すもの。

  • 断熱等級:住宅の省エネルギー基準の一つで、外皮(屋根・壁・床・窓など)の「断熱性能」を定める基準。等級が高いほど、より断熱性能が高い住宅となる。
  • HEAT20(ヒート20):「(一社)20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」とその基準の通称。国が決めている省エネ基準やZEH(ゼッチ)基準よりも厳しい、より高レベルな基準を「G1・G2・G3」というグレードで設定している。

2025年4月に省エネ基準への適合が義務化されました。

等級4が最低基準に格下げされたので、等級6は「高性能住宅」として市場における差別化要因となっていますね。

 

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熱貫流率(UA値)の基準

『断熱等級6』を達成するには、地域区分ごとに異なる「外皮平均熱貫流率(UA値)」の基準値を下回る必要があります。

外皮平均熱貫流率(UA値):建物の外皮(外壁・屋根・床・窓など)全体を通じて逃げる熱量を、外皮の総面積で割った値です。建物の断熱性能を総合的に評価する指標。値が小さいほど断熱性能が高い(熱が逃げにくい)。

地域区分別 UA値基準(W/㎡K)

地域区分 等級4
(H28基準)
等級5
(ZEH基準)
等級6
(HEAT20 G2相当)
等級7
(HEAT20 G3相当)
1・2地域 (北海道など) 0.46 0.40 0.28 0.20
3地域 (北東北など) 0.56 0.50 0.28 0.20
4地域 (北関東など) 0.75 0.60 0.34 0.23
5・6・7地域 (東京・大阪・福岡など) 0.87 0.60 0.46 0.26

断熱等級6は一般地(6地域)において、ZEH基準(0.60)からさらに約23%性能を向上させる必要があります。

 

断熱等級6の仕様

断熱等級6を取得する際の、一般的な木造住宅(6地域)における仕様イメージをまとめました。

以下はあくまで代表的な仕様例です。UA値は建物の形状・窓面積比・気密性能などによって変動するため、必ずプラン単位での外皮計算で確認してください。

開口部(サッシ・ガラス)

UA値全体への影響度が最も高いのが窓です。

  • 推奨:オール樹脂サッシ+Low-Eペアガラス(アルゴンガス入)以上
  • 理想:一部大開口や北側には「トリプルガラス」の採用

アルミ樹脂複合サッシでは、壁の断熱をかなり厚くしないと、等級6の達成はむずかしいでしょう。

 

屋根・天井

最も日射と放射冷却の影響を受ける部位であり、断熱の「厚み」が性能を大きく左右します。

工法 断熱材の種類(例) 厚さの目安
天井断熱 高性能グラスウール 16K 200〜300mm
屋根断熱 フェノールフォーム / 硬質ウレタンフォーム 100〜120mm

POINT

  • 天井断熱は厚みを確保しやすくコスト面で有利
  • 屋根断熱は小屋裏空間を室内側に取り込めるため、ロフトや勾配天井との相性が良い

 

外壁

住宅の外皮面積に占める割合が最も大きいため、断熱等級6の達成には壁の性能強化が不可欠です。

工法 断熱材の種類(例) 厚さの目安
充填断熱(柱間) 高性能グラスウール 16K 105〜120mm
付加断熱(外張り) フェノールフォーム / 押出法ポリスチレンフォーム 30〜50mm

充填断熱のみでも達成可能なケースはあるものの、窓の性能や建物形状によっては「充填+付加断熱(ダブル断熱)」が必要になることも。

付加断熱を加えることで柱などの木部を通じた熱橋(ヒートブリッジ)も低減できますね。

 

床・基礎

足元の冷えは体感温度への影響が大きいため、しっかり対策したい部位です。

工法 断熱材の種類(例) 厚さの目安
床断熱 フェノールフォーム / 押出法ポリスチレンフォーム 3種 90〜120mm
基礎断熱(立ち上がり+折り返し) 押出法ポリスチレンフォーム 3種 立ち上がり100mm+折り返し600mm程度

POINT

  • 床断熱は床下を外気側とする方式で、一般的な在来工法で広く採用される。
  • 基礎断熱は床下を室内側として扱う方式で、全館空調や床下エアコンとの組み合わせに向いている。
  • 基礎断熱ではシロアリ対策(防蟻断熱材の採用など)が重要。

 

「断熱等級6」に関するQ&A

「断熱等級6」の家を検討するときに、よくある質問をまとめました。

  • 光熱費はどれくらい安くなる?
  • 建築費用(初期費用)は高くなる?
  • ハウスメーカーから「等級6相当です」と言われました。信じていい?

Q.光熱費はどれくらい安くなる?

A. 家の大きさによりますが、従来の家より年間数万円ほど安くなることもあります。

断熱性能が高いと、温度を保ちやすいため、冷暖房を「弱」運転や「自動」運転で回すだけで快適になります。

電気代が高騰している今、この差は大きいですね。

Q.建築費用(初期費用)は高くなる?

A. はい、高くなります。目安として、一般的な住宅(30坪程度)でプラス50〜100万円程度アップすることが多いです(等級5と比較した場合)。

しかし、毎月の光熱費が下がるため、30年以上の長い目で見れば「元が取れる」投資と言えるでしょう。

Q.ハウスメーカーから「等級6相当です」と言われました。信じていい?

A. 「等級6相当」という表現は危険です。「等級6を取得してください」と伝えましょう。

「相当」とは、「計算上はそうなるはず(だけど公的な証明申請はしない)」という意味で使われることがあります。

対策:「性能評価書」や「BELS(ベルス)」といった公的な証明書を出してもらえるか確認してください。将来的に家を売る際にも、証明書があると有利です。

 

まとめ

  • 断熱等級6とは、2022年10月1日に施行された等級で、高い断熱性能を示す。
  • 断熱等級6を達成するには、地域区分ごとに異なる「外皮平均熱貫流率(UA値)」の基準値を下回る必要がある。
  • 断熱等級6を満たすために知っておくべき部位ごとの特徴
    • 開口部(サッシ・ガラス):UA値全体への影響度が最も高い。
    • 屋根・天井:最も日射と放射冷却の影響を受ける部位である。
    • 外壁:外皮面積に占める割合が最も大きい。
    • 床・基礎:足元の冷えは体感温度への影響が大きい。

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