- 一次エネルギー消費量等級って何?
- 等級6を満たすのは、どんな建物?
- それぞれの等級の基準が知りたい。
こんな疑問や要望に答えます。
本記事では、建築物の省エネに関する基準のひとつ「一次エネルギー消費量等級」についてわかりやすく解説。
建築物の省エネ性能がどのようなルールで決められているかを正しく理解することができます。
このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。
住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。
一次エネルギー消費量等級とは
「一次エネルギー消費量等級」は、国が定めた建物のエネルギー効率を評価する指標の一つです。
建物が使用するエネルギー量を評価し、その効率性をランク付けするために用いるもの。
この指標は、主に建物の省エネルギー性能を評価する際に利用されますね。
一次エネルギー消費量等級の基準値【一覧表】
一次エネルギー消費量等級の基準値を一覧表にまとめました。
等級 | BEI |
等級6 | 0.8以下 |
等級5 | 0.9以下 |
等級4 | 1.0以下 |
等級3(既存のみ) | 1.1以下 |
等級6の基準
一次エネルギー消費量等級6(2022年4月1日創設)は、省エネ性能に優れた家を示す指標で、2024年6月現在の最高位です。
この等級を得るためには、BEI(Building Energy Index)0.8以下が必要。
一次エネルギー消費量等級6の住宅は、一般的な性能の住宅と比較して「地球環境に優しく、家計にも優しい」と言えます。
補助金の受給や生活コスト削減など、様々な恩恵を受けられますね。
等級5の基準
一次エネルギー消費量等級5の基準は、BEI値0.9以下です。
2022年4月1日に等級6が創設されるまでは、等級5が最高等級でした。
等級6には劣るものの、優れた断熱性能と高いエネルギー効率をもつ建物といえます。
等級4の仕様基準
一次エネルギー消費量等級4は、建築物省エネ法における現行の省エネ基準相当です。
BEIは1.0以下とする必要があります。
設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量と同じということですね。
2025年(令和7年)4月から、建築物省エネ法の改正により、すべての建築物に一次エネルギー消費量等級4の取得が義務化されます。
一次エネルギー消費量等級の調べ方・証明方法
一次エネルギー消費量等級は、「設計一次エネルギー消費量」を「基準一次エネルギー消費量」で割った「BEI(Building Energy Index)」という数値で判定されます。
一次エネルギー消費量等級の証明方法として、登録住宅性能評価機関による住宅性能評価という制度があります。
評価結果が「住宅性能評価書」として交付され、新築住宅の省エネ性能の証明となります。
まとめ
- 一次エネルギー消費量等級は、国が定めた建物のエネルギー効率を評価する指標の一つ。
- 一次エネルギー消費量等級6の基準は、BEI 0.8以下。
- 一次エネルギー消費量等級5の基準は、BEI 0.9以下。
- 一次エネルギー消費量等級4の基準は、BEI 1.0以下。
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