- 竣工(しゅんこう)って、どういう意味?
- 竣工図は、どんな図面を示す?
- 竣工検査のタイミングや確認すべき内容が知りたい。
こんな疑問や要望に答えます。
本記事では、「竣工」の意味や関連する用語について、わかりやすく解説。
建築業界で働くなら必ず理解しておくべき基本知識が身につきます。
このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。
住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。
竣工とは
「竣工」とは、建築工事や土木工事が完了したことを意味する建築用語です。
建設プロジェクトが計画通りに完了し、設計・工事の全てが終了したことを意味します。
建造物が完成したことを「竣工した」と言いますね。
竣工式とは
「竣工式」とは、建築物や施設が完成し、使用が始まる際に行われる式典です。
建物が無事に完成したことを報告し、感謝の意を表すもので、着工前に執り行われる「地鎮祭」や骨組完成の「上棟式」と並ぶ、建築の代表的な祭典の一つ。
工事関係者や取引先などが招待され、お祝いや祝電を持参するのが一般的なマナーです。
竣工式の準備・運営
✓ 準備
- 完成した施設を式典の会場として設営。
- 日取りと祝賀会会場を決めて招待状を発送。
- 必要な物品を準備。
✓ 式典の運営
- 会場の案内と移動順路をわかりやすく表示。
- 祝賀会では感謝の意をスピーチ。
- スタッフ同士で連携し、滞りなく進行。
竣工式に参加する際の服装
竣工式に参加する際の服装について男女別にまとめると以下のとおり。
- 男性:スーツにネクタイ
- 女性:ビジネススーツや保守的なドレス
派手すぎない落ち着いた色を選び、プロフェッショナルで礼儀正しい印象を与えることが望ましいでしょう。
竣工検査とは
竣工検査(しゅんこうけんさ)は、建設工事が完了し、建物や構造物が完成した後に行われる自主検査のことです。
建設物が設計通りに施工され、法令や規制に適合しているかどうかを確認。
施主や建築士が立ち会って、建物の品質や機能性・安全性などを確認し、軽微な補修や改善箇所がないかチェックします。
竣工検査と完了検査の違い
建築基準法に定められた「完了検査」は、「竣工検査」とは別の手続きです。
建築基準法7条による「完了検査」は、工事が完了したときに、建築主事(行政)や指定確認検査機関(民間)が建築基準関係規定への適合をチェックするもの。
検査に合格すると「検査済証」が建築主に交付されます。
完了検査を受けずに建物を使用すると、法律違反の建築物とみなされるため注意しましょう。
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竣工図書とは
竣工図書は、建物が竣工した際に提出される資料で、建築主に納められます。
完成した建物の図面や工事経過の記録、維持管理に関する注意事項などが含まれているもの。
図書の種類 | 内容 |
図面 | 建物の平面図、立面図、断面図などの詳細な図面が含まれます。 |
仕様書 | 建材の仕様や施工方法、設備の仕様などが記載されています。 |
工事経過の記録 | 建物の工事が進行する過程で記録された情報が含まれます。(工事の進捗状況や使用した材料、施工手順など) |
維持管理に関する注意事項 | 建物の保守や修繕に必要な情報が記載されています。(定期的な点検や清掃の頻度、注意すべき部位など) |
その他の書類 | 建物に関連する法的な書類や証明書、保証書などが含まれます。 |
建物の登記、使用、リフォーム、売買などにおいて、所有者や管理者へ必要な情報を提供するわけですね。
竣工と完成の意味の違い
「完成」とは、その物事がすべての要素を満たしていて、期待された状態に達していることを意味します。
✓ 「完成」と「竣工」の違い
- 竣工:建設や工事の完了を意味する。
- 完成:一般的な完了や達成を意味する。
「完成」という用語は、建物だけでなく、作品やプロジェクトなどにも使われますね。
まとめ
- 竣工とは、建築工事や土木工事が完了したことを意味する建築用語。
- 竣工式とは、建築物が完成し、使用が始まる際に行われる式典。
- 竣工検査は、建物や構造物が完成した後に行われる自主検査。
- 竣工図書は、建物が竣工した際に提出される資料。
- 完成とは、その物事が期待された状態に達していることを意味する用語。
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