建築設計の実務に役立つプロ向けの本3冊【建築確認申請には必須】

建築本_プロ向け3冊 おすすめ書籍
  • 建築確認をスムーズに進めるために読むべき書籍って何?
  • 確認検査員の判断の基準を知って設計に活かしたい。
  • 確認審査での指摘事項を少なくするには、どうすればいい?

こんな疑問に答えます。

本記事では、建築確認申請をスムーズに通すために読んでおきたい、建築基準法の解説書を3冊紹介します。

建築基準法にもとづいた設計をするには、法令集だけでは不十分。

建築基準法には多様な解釈があるので、行政機関が編集した法文の補足説明書が必須です。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営しています。

住宅から特殊建築物まで、1000件以上の設計相談を受けて得た建築基準法の知識を、できるだけわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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1冊目:建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例

1冊目に紹介するのは『建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例』という本です。

日本建築行政会議という組織によって編集・販売されている書籍で、建築基準法の集団規定について、全国的に通用する法解釈が書かれています。

集団規定(しゅうだんきてい)とは、建築基準法のうち、建築物と都市との関係についての規定の総称。用途地域・高さ制限・建ぺい率・容積率・接道…など。

 

集団規定について建築基準法の法文には書かれていない部分を深く掘り下げる内容となっています。

確認申請で指摘を受けるとやっかいな床面積や建築面積の算定方法、高さ制限の基準などがわかる有益な書籍です。

 

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2冊目:建築物の防火避難規定の解説

2冊目に紹介するのは防火避難規定の解説2023という本。

内容はタイトルどおりで、建築基準法における「防火規定(防火区画・耐火建築物など)」と「避難規定(廊下幅・直通階段など)」について、法文には記載されていない部分を補完するために編集されています。

 

「ぎょうせい」という団体から出版されていて、確認検査機関や特定行政庁でも審査を行うときに活用。

防火避難規定の解説は何度も開くため、本がボロボロ…。それぐらい使用頻度は高いです。

 

例えば、建築基準法施行令114条における「防火上主要な間仕切壁」は、建築基準法に用語として出てくるのですか、法文の中に詳しい設置位置が記載されていません。

”建築物の防火避難規定の解説”の中にのみ詳しい設置位置や仕様に関する説明が書いてあります。

つまり、保育所や旅館(民泊)など、令114条の「防火上主要な間仕切壁」が必要な建物を設計する際には目を通すべき書籍ですね。

他にも「避難上有効なバルコニー」の具体的仕様など、ここにしか書かれていない情報が多数あります。特殊建築物の設計をするなら1冊は持っておきましょう。

 

3冊目:建築設備設計・施工上の運用指針

最後に紹介するのは、『建築設備設計・施工上の運用指針』という日本建築設備・昇降機センターから出版されている本です。

建築基準法の「設備」の取り扱いについて解説されていて、設備設計者は必携の書籍。

 

排煙設備や機械換気設備など、「意匠」にも影響するような内容も数多く収録されているので、意匠設計者も1冊は常備しておきたいところです。

確認検査機関では意匠担当でしたが、排煙設備は意匠図との関連性が高いため、”建築設備設計・施工上の運用指針”を読みながら審査していました。

 

まとめ

建築設計の実務に役立つプロ向けの本3冊

今回ご紹介した3冊に書かれた法解釈をよく読んで、設計図面に表現してみてください。

確認検査機関で審査を担当する検査員に設計者の持つ知識が伝わり、信頼が厚くなるかと。

設計者のもつ知識が深ければ深いほど「変な設計はしていないだろう」という安心感があるからか、審査もはかどり、確認申請がスムーズに進みます。

建築基準法の解説書を有効に活用して、建築確認を最短で通しましょう。