【建築基準法Q&A】建物の配置を変えるのは”軽微な変更”ですか?

軽微な変更/計画変更
  • 確認済証が交付されたあとに、建築主から設計変更の要望が…。
  • 建物の配置を変更したいけど、「軽微な変更」を出せば済む?
こんな疑問に答えます。

本記事では、確認済証が発行されてから建物の配置を変更したい場合、「軽微な変更」として処理できるか、という点についてQ&A形式で解説。

建築確認申請を提出する設計者にとって、”軽微な変更”か”計画変更”かの判定に役立つ情報かと。

このサイトは、確認検査機関で意匠審査を担当していた一級建築士が運営しています。

住宅から特殊建築物まで、1000件以上の設計相談を受けて得た建築基準法の知識を、できるだけわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。

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建物の配置を変えると「軽微な変更」?【計画変更です】

質問:確認済証が交付されたあとに、敷地内で建物の配置を変更する場合、「軽微な変更」を届け出ればいいですか?
回答:建物の配置の変更は、「軽微な変更」には当てはまりません。「計画変更」となります。

建築基準法における「軽微な変更」について具体的に知りたいという方は、確認申請における軽微な変更とは?用語の意味や判断基準を解説という記事をどうぞ。

確認申請における『軽微な変更』の判定基準|建築基準法の規則を解説
施工中に建物の仕様を変更しないといけなくなった…。 確認検査機関に『軽微な変更』を届け出ないといけない? 『軽微変更』と『計画変更』の違いって何? こんな疑問に答えます。 本記事で...

 

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“建物の配置の変更”は『計画変更』申請手続きが必要

確認済証が交付された後に、建物の配置を変えるのは、確認申請における「計画変更」に該当します。

確認済証交付後に、施工上の都合などから、「敷地内で建物の位置を少しずらしたい」ということは多々ありますよね。

その場合、確認申請で提出した配置図を修正することになりますが、軽微な変更の届出ではなく、計画変更申請手続きをしなければなりません。

 

“建物の配置の変更”が『計画変更』になる理由

“建物の配置の変更”が『計画変更』になる理由はシンプルで、“建築基準法規則3条の2における軽微な変更”のどの項目にも当てはまらないからです。

 

さらに、国土交通省が開催した「建築確認手続き等の運用改善に係る講習会」のQ&Aのなかで、”建物の配置の変更”について触れられています。

質問内容:
規則第3条の2第1項第一号から第一五項までに該当しない場合、明らかに建築基準法関係規定に適合する場合でも、 計画変更に該当すると考えてよろしいですか。(小規模建築物における配置の変更、敷地面積の減少、建築物の高さの 増加等)

回答:
「軽微な変更」の対象は、規則第3条の2第1項第一号から第十五号までのいずれかに該当し、変更後の計画が建築 基準関係規定に適合することが明らかなものとなります。したがって、第一号から第十五号までのいずれにも該当し ないものは「軽微な変更」とはなりません。

小規模建築物における配置の変更であっても、軽微な変更にはならないと、国土交通省の回答がでていますね。

”計画変更”の申請を出さなければ、建築基準法における手続き違反となるため要注意です。

 

建物の配置を変更するときの注意点

建物の位置の変更は「計画変更」に該当するため、確認申請の再提出が必要。

設計者にとって「計画変更」申請手続きは、「軽微な変更」に比べて以下の注意点があります。

  • 計画変更申請図書を作成しなければならない
  • 確認申請における審査日数がかかる
  • 消防同意が必要となる場合もある
  • 確認申請手数料がかかる
  • 計画変更手続きが完了するまで施工を止めなくてはいけない

計画変更について詳しく知りたい方は、確認申請における「計画変更」とは?申請の流れを解説【フローチャート付き】という記事を確認ください。

 

設計者:建物の配置を少しずらすだけなんだから、建築基準法への影響は少ないし、なんとかならないのか…。

確認検査員:なんともなりません…。
計画変更で処理すべきところを軽微変更にするのは、確認申請手続き上の違反行為です。

設計者に罰則が課されることもあるので、軽微な変更で処理されないことに対して、検査機関に不平不満を言うのはやめましょう。

 

建物の配置を変更するときは『集団規定』を再チェック

建物配置の変更を行う際は、建築基準法に適合するかどうかの再検討が必要。

注意点は以下のとおり。

  • 道路斜線制限
  • 隣地斜線制限
  • 北側斜線制限
  • 高度地区制限
  • 天空率
  • 屋外階段・バルコニー等の床面積(隣地との空きが減少する場合)
  • 居室の採光補正係数

特に集団規定の再チェックは必須ですね。

例えば、建物の位置変更によって、道路境界線に近づいてしまうと、道路斜線に抵触する可能性があります。

新たに建物を計画するような気持ちで、確認申請図書を再作成しましょう。

 

「軽微な変更」の判断で参考になる書籍

設計変更が「軽微な変更」or「計画変更」を判断するときに指針となる2冊がこちら。

  1. 基本建築関係法令集 法令編
  2. 建築申請memo2020

基本建築関係法令集 法令編

「軽微な変更」か「計画変更」かは、“建築基準法規則3条の2”を読めば、設計者でも判別できます。

確認検査機関に変更の相談に行く前に、目を通しておきましょう。

 

建築申請memo

建物配置の変更をする際は、建築基準法に適合するかどうか再チェックが必要不可欠。

設計のお供に一冊は必要ですね。

 

まとめ

  • “建物の配置の変更”は『計画変更』申請手続きが必要
    • 『計画変更』になる理由:“建築基準法規則3条の2における軽微な変更”の項目に当てはまらないから
  • 国土交通省が「建築確認手続き等の運用改善に係る講習会」のQ&Aのなかで、”建物の配置の変更”が計画変更にあたると回答
  • 建物の配置を変更するときは、集団規定を中心に建築基準法の再チェックを行うこと