- 準耐火建築物(ロ-1)ってなに?
- 延焼ライン内の窓は防火設備が必要?
- 鉄骨造で準耐火建築物(ロ-1)は可能?
こんな疑問に答えます。
本記事では、準耐火建築物(ロ-1)の主要構造部と開口部の基準について解説。
✓ 本記事の内容
- 準耐火建築物(ロ-1)の定義
- 主要構造部の基準
- 延焼ライン内の建具の基準
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住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けて得た建築基準法の知識を、できる限りわかりやすくまとめていくので、ご参考までにどうぞ。
準耐火建築物(ロ-1)とは【外壁耐火】
準耐火建築物(ロ-1)とは、建築基準法2条に定められた、以下の基準を満たすものです。
主に鉄骨造の設計で準耐火ロ-1を採用することが多いですね。
外壁 | 耐火構造 |
屋根(延焼のおそれのある部分) | 平成12年告示第1365号による下記のいずれか
|
屋根(一般部分) | 準耐火構造、または平成12年告示第1367号に 適合する構造 (トップライトは鉄枠とする) |
延焼のおそれのある開口部 | 防火設備(防火戸その他) |
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主要構造部:準耐火構造と同等の耐火性能をもつこと
準耐火建築物(ロ-1)の主要構造部に関する基準は、下記のとおりです。
- 外壁:耐火構造
- 屋根(延焼のおそれのある部分):準耐火構造など
- 屋根(一般部分):不燃材料で造るか、ふく
外壁 | 耐火構造 |
屋根(延焼のおそれのある部分) | 平成12年告示第1365号による下記のいずれか
|
屋根(一般部分) | 準耐火構造、または平成12年告示第1367号に 適合する構造 (トップライトは鉄枠とする) |
建築基準法では、施行令109条の3第1項一号に書かれています。
(主要構造部を準耐火構造とした建築物と同等の耐火性能を有する建築物の技術的基準)
第109条の3
法第2条第九号の三ロの政令で定める技術的基準は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。
一 外壁が耐火構造であり、かつ、屋根の構造が法第22条第1項に規定する構造であるほか、法第86条の4の場合を除き、屋根の延焼のおそれのある部分の構造が、当該部分に屋内において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間屋外に火炎を出す原因となるき裂その他の損傷を生じないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること。
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【Q&A】なぜ「ロ-1」と呼ぶ?
準耐火建築物(ロ-1)は「外壁耐火」と覚えましょう
準耐火建築物(ロ-1)は、「外壁耐火」と略して覚えましょう。
外壁を耐火構造でつくり、屋根を準耐火構造とすれば、屋内に関する制限はなく自由というイメージ。
ちなみに、準耐火建築物(ロ-2)は「主要構造部不燃」
延焼のおそれのある開口部:防火設備(法2条九の二号ロ)
延焼ラインにかかる開口部の防火設備(建築基準法2条九の二号ロ)は、以下のいずれかを選択。
- 告示仕様:建築基準法の建設省告示第1360号に適合すること
- 大臣認定仕様:サッシの種別ごとに大臣認定(EB-####)を受けているもの
告示仕様:建設省告示第1360号
防火設備の告示仕様は、建設省告示第1360号で定められています。
たとえば、鋼製建具であれば0.8㎜以上の厚みを確保し、炎が入り込むようなすき間のないものを製作しなければなりません。
告示の仕様を満たしているかどうかは、建具の構造詳細図でチェック。
平成12年5月24日建設省告示第1360号
防火設備の構造方法を定める件
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二ロの規定に基づき、防火設備の構造方法を次のように定める。
第一 建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百九条の二に定める技術的基準に適合する防火設備の構造方法は、次に定めるものとする。
〈中略〉
第二 第一に定めるもののほか、防火戸が枠又は他の防火設備と接する部分は、相じゃくりとし、又は定規縁若しくは戸当りを設ける等閉鎖した際にすき間が生じない構造とし、かつ、防火設備の取付金物は、取付部分が閉鎖した際に露出しないように取り付けなければならない。
条文をすべて掲載すると長くなってしまうので、一部を抜粋しています。必ず基本建築関係法令集 〔法令編〕で確認してください。
大臣認定仕様:EBまたはEA
防火設備の大臣認定は、火災時に炎をさえぎる性能によって3つに区分されます。
- EA
- EB
- EC
種類 | 防火設備 | ||
---|---|---|---|
特定防火設備 | |||
大臣認定コード | EA | EB | EC |
要件 | 加熱面以外の面に火炎を出さない | 加熱面以外の面に火炎を出さない | 加熱面以外の面に火炎を出さない |
遮炎時間 | 1時間 | 20分間 | 20分間 |
火災の種類 | 建築物の屋内または周囲で発生する通常の火災 | 建築物の屋内または周囲で発生する通常の火災 | 建築物の周囲で発生する通常の火災 |
性能 | 遮炎性能 | 遮炎性能 | 準遮炎性能 |
主な設置場所 | 防火区画 | 耐火建築物または準耐火建築物の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分 | 防火地域または準防火地域内の建築物の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分 |
関係法令 | 令第112条第1項 | 法第2条第九号二/口 令第109条の2 |
法第61条 令第136条の2 |
準耐火建築物(ロ-1)には、表に記載されている「EB」もしくは「EA」の認定を受けた防火設備を使用します。
遮炎時間20分の防火設備は、サッシの種別ごとに「EB-####」などの通し番号が割り振られているため、サッシメーカーのWebサイトやカタログで調べましょう。
確認申請の提出時は大臣認定番号の表示がもとめられます。
まとめ
- 準耐火建築物(ロ-1)は、以下の基準を満たすもの。
- 準耐火構造と同等の耐火性能をもつこと
- 延焼ライン内の開口部:防火設備(建築基準法2条九の二号ロ)
- 主要構造部の基準は以下のとおり。
- 外壁:耐火構造
- 屋根(延焼のおそれのある部分):準耐火構造
- 屋根(一般部分):不燃材料で造るか、ふく
- 延焼ライン内の防火設備は、以下のいずれかを選択。
- 告示仕様:建設省告示第1360号によるもの
- 大臣認定仕様:EB-####
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