RCCMとは|業務内容・受験資格・試験内容を解説【技術士との違い】

RCCM 建築士の転職
  • 「RCCM」って、どんな資格?
  • コンサルタントらしいけど、どんな業務をするの?
  • 資格の取得方法が知りたい。

こんな疑問や要望に答えます。

本記事では、「RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)」という資格についてわかりやすく解説。

記事を読むことで、RCCMの業務内容や資格の取得方法を理解し、キャリアアップの選択肢を増やすことができます。

このサイトは「建設業・建築士事務所・確認検査機関」と複数の業種を経験した一級建築士が運営。

建築業界のなかでスキルの幅を広げつつ、収入を上げてきた経緯をもとに情報を発信しているので、ご参考までにどうぞ。

RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)とは

RCCM(Registered Civil Engineering Consulting Manager)とは、シビルコンサルティングマネージャの略称で、建設コンサルタント業務で管理や処理、照査に携わる責任者の能力を認定する民間資格です。

一般社団法人「建設コンサルタンツ協会」が認定しており、1991年に難関の技術士に代わる資格として創設されました。

主に土木工学や都市計画、環境保全などの分野で活躍する専門家ですね。

 

RCCMの業務内容

RCCMの主な業務内容は以下のとおり。

  1. 施主や施工会社との打ち合わせ:大規模な建築物や公共工事において、施工会社が関わる前に検証や打ち合わせを行う。
  2. 工事の企画:建設プロジェクトの計画段階で、工事の目的やスケジュール、予算などを立てる。
  3. 施工予定地の調査:工事現場の地盤や環境などを調査し、適切な施工計画をつくるための情報を収集する。
  4. 施工計画の作成:工事の進行スケジュールやリスク管理、安全対策などを計画し、施工会社に提供する。

建設コンサルタントとして施主に対し、アドバイスを行い、全般的な安全管理や健康管理、福祉に対しての責任を担います。

 

RCCMの受験資格

RCCMの受験資格を得るためには、一定の実務経験年数が求められます。

  • 大学院修了者(修士課程/博士課程前期):5年以上 ※大学院(修士課程/博士課程後期)は在学期間を実務経験年数とみなす
  • 大学卒業者:7年以上
  • 短期大学もしくは高等専門学校卒業者:9年以上
  • 高等学校卒業者:11年以上
  • 中学校卒業者:14年以上

受験者は上記の期間、「土木工事に関する計画、設計、施工管理、積算など」の業務に従事している必要があります。

 

RCCMの試験内容

試験日

指定の期間から好きな試験会場・日時を選択。

試験方式

RCCMの試験方式は、CBT(パソコンで解答する試験)です。

試験問題の内容

  1. 自己の専門技術分野の業務経験式(論述式)
  2. 業務関連法制度、建設一般の知識、技術者倫理等(択一式)
  3. 管理技術力(論述式)
  4. 土木関連の基礎的共通技術知識(択一式)
  5. 選択した専門技術部門①~㉒の技術知識(択一式)

選択科目(専門技術部門①~㉒)

あらかじめ下記【専門技術部門①~㉒】から1つを選択します。

選択科目 概要
1 河川、砂防及び海岸・海洋
  • 治水利水計画、ダム、河川改修、河川構造物、河川砂防その他の河川に関する事項
  • 地すべり防止に関する事項
  • 急傾斜地崩壊防止に関する事項
  • 海岸保全計画、海岸砂防、海岸砂防及び護岸その他の海岸・海洋に関する事項
2 港湾及び空港
  • 港湾計画、外郭施設、係留施設、臨港交通施設、荷さばき施設、水域、浚渫その他の港湾に関する事項
  • 空港計画、滑走路、誘導路その他の空港に関する事項
3 電力土木 電源開発計画、ダム、水路構造物(水路、沈砂池、水槽、水圧管路、門扉等)、送変電施設、取放水施設、冷却水施設、洞道その他の電力土木に関する事項
4 道路 道路計画、道路構築、道路構造物、道路付帯設備その他の道路に関する事項
5 鉄道 鉄道計画、線路、鉄道構造物、停車場、モノレール鉄道、鋼索鉄道その他の鉄道に関する事項
6 上水道及び工業用水道 上水道計画、工業用水道計画、取水、導水、送排水、浄水、水処理、さく井その他の上水道及び工業用水道に関する事項
7 下水道 下水道計画、下水渠、下水処理、排水処理その他の下水道に関する事項
8 農業土木 かんがい排水、圃場整備、農村整備、農用地開発、干拓、農地保全その他の農業土木に関する事項
9 森林土木 地山、林道、森林環境保全その他の森林土木に関する事項
10 造園 都市及び地方計画で造園部門に関する事項
11 都市計画及び地方計画 都市構成、土地利用、都市交通施設、公園緑地、区画整理その他の都市及び地方計画に関する事項
12 地質
  • 土木地質(線路、ダム、トンネル、基礎地盤等)鉱山地質、防災知識、水理地質、地熱及び温泉その他の応用地質に関する事項
  • 物理探査、科学調査、試すいその他の探査技術に関する事項
13 土質及び基礎 土質並びに土構造物及び基礎に関する事項
14 鋼構造及びコンクリート 鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造、コンクリート構造、セメント製品その他の鋼構造及びコンクリートに関する事項
15 トンネル トンネル計画、換気、潜函工法、シールド工法、沈埋工法その他のトンネルに関する事項
16 施工計画、施工設備及び積算
  • 施工計画、施工管理、施工設備、施工機械その他の施工に関する事項
  • 施工方法、仮設計画及び工程計画に基づいた積算及び工事原価管理に関する事項
17 建設環境 建設事業における自然環境及び生活環境の保全及び創出並びに環境影響評価に関する事項
18 機械
  • ポンプ、圧縮機、送風機その他の流動機械に関する事項
  • 土木機械、コンクリート機械、舗装機械、作業船、削岩機、破砕機、コールカッタ、選炭記、クレーン、コンベヤ、エレベータ、フォークリフト、索道その他建設、鉱山、荷役及び運搬機械に関する事項
19 水産土木 漁場計画、漁港構造物、沿岸漁場計画、沿岸漁場構造物その他の水産土木に関する事項
20 電気電子 道路、河川、下水道等の各事業における電気電子に関する調査、企画、立案、工事の設計、管理等に関する事項
21 廃棄物 廃棄物医処理計画に関する調査、企画、立案、環境影響評価もしくは助言又は、廃棄物処理施設に関する工事の設計・処理その他の廃棄物医に関する事項
22 建設情報 道路、河川、下水道等の各事業における情報システム・ネットワークシステムに関する調査、企画、立案、システム設計、管理などに関する事項

試験時間

試験 時間
1 業務試験の記述(専門分野の技術):2400字以内 記述式 2時間
2 業務関連法制度等の一般知識:4肢択 40問 4時間05分
3 管理技術力の記述:1600字以内 記述式
4
  • 土木関連工学の基礎知識:4肢択 20問
  • 受験する各専門技術部門の専門技術知識:4肢択 10問/20問

受験料

  • クレジットカード払い:¥17,320
  • コンビニ払い:¥17,620

合格基準

それぞれの問題のいずれについても配点の50%以上を得点し、かつ、総合点で60%以上を得点すること。

合格発表

RCCMのホームページにて合格者の受験申込番号が掲載されます。

 

RCCMの合格率

2015年から2023年までのRCCMの合格率を一覧表にまとめました。

年度 受験者数 合格者数 合格率
2023年(令和5年) 5,509人 2,253人 40.9%
2022年(令和4年) 5,451人 2,626人 48.2%
2021年(令和3年) 5,723人 2,698人 47.1%
2020年(令和2年) 中止
2019年(令和元年) 5,659人 2,371人 41.9%
2018年 4,905人 1,871人 38.1%
2017年 5,571人 2,312人 41.5%
2016年 5,965人 2,071人 34.7%
2015年 6,569人 1,679人 25.6%

RCCMの合格基準は、「上位何名が合格」というような相対評価ではなく、「配点の各50%以上の得点、かつ総合点で60%以上の得点」といった絶対評価です。

試験年度において合格率に20%程度の差が生まれるのは絶対評価だからでしょう。試験問題の難易度の変化が合格率に直結しています。

 

【Q&A】RCCMと技術士の違いは?

RCCM(シビルコンサルティングマネジャー)と技術士の違いは以下のとおり。

RCCM 技術士
資格の種類 民間資格 国家資格
主な分野 建設コンサルタント業務 科学技術全般(21の技術部門がある)
役割 管理技術者や照査技術者として、建設業務の適正な執行や成果の照査を行う。 科学技術に関する高度な知識と技術力を証明し、官公庁の技術系業務を受注できる。
受験資格 実務経験が必要 一次試験は誰でも受験可能
試験内容 CBT(パソコンで解答する試験) 一次試験と二次試験(筆記試験と口頭試験)
評価 建設業界で高く評価される 国家資格であるため、一般的に評価が高い

どちらの資格も建設業界や技術分野でのキャリアアップに役立ちますが、RCCMは特に建設コンサルタント業務に特化しており、技術士はより広範な技術分野に対応しています。

 

まとめ

  • RCCMとは、建設コンサルタント業務で管理や処理、照査に携わる能力を認定する民間資格。
  • RCCMの主な業務内容
    • 施主や施工会社との打ち合わせ
    • 工事の企画
    • 施工予定地の調査
    • 施工計画の作成
  • RCCMの受験には、一定の実務経験年数が求められる。
    • 大学院修了者(修士課程/博士課程前期):5年以上
    • 大学卒業者:7年以上
    • 短期大学もしくは高等専門学校卒業者:9年以上
    • 高等学校卒業者:11年以上
    • 中学校卒業者:14年以上

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