断熱等級5とは|UA値の基準や等級4との費用差をわかりやすく解説

断熱等級5とは 品確法・省エネ法
  • 断熱等級5って、どんな基準?
  • 電気代はどのくらい安くなる?
  • 等級4で十分?それとも等級5を目指すべき?

こんな疑問に答えます。

この記事では、断熱等級5について以下のポイントをわかりやすく解説。

  • 断熱等級5の基準値・UA値を地域別に図解
  • 等級4との費用差・電気代の削減効果

記事を読むことで、断熱等級5の基本知識が身につき、最適な断熱性能を選べるようになります。

このサイトは、確認検査機関で審査を担当していた一級建築士が運営。

住宅から特殊建築物まで1000件以上の設計相談を受けた経験をもとに、建築知識をわかりやすくまとめていきます。ご参考までにどうぞ。

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断熱等級5の定義|ZEH水準の高断熱住宅

『断熱等級5』とは、住宅の断熱性能を示す評価ランクのひとつで、「ZEH(ゼッチ)基準」と同等レベルの断熱性能を持つ住宅を指します。

ZEH:「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、省エネと創エネによって年間のエネルギー消費量を実質ゼロにする住宅のこと。

断熱等級5の住宅は、以下のような特徴を持っています。

  • 外皮(壁・屋根・床・窓)の断熱性能が高い
  • 冷暖房に頼らなくても室温が安定しやすい
  • 電気代・光熱費を大幅に削減できる
  • 結露やヒートショックのリスクが低減される

断熱等級5はいつから?【2022年4月に新設された基準】

断熱等級5

断熱等級5は、2022年(令和4年)4月1日に施行された等級です。

2025年4月に省エネ基準が義務化【等級5の重要性が高まる】

2025年4月から、すべての新築住宅に「省エネ基準(断熱等級4相当)への適合」が義務化されました。

さらに国は、2030年までに新築住宅の省エネ基準を「ZEH水準(=断熱等級5)」に引き上げる方針です。

これから家を建てるなら「断熱等級5」も選択肢にいれましょう。

等級4ギリギリで建てた家は、将来的に「性能不足」とみなされ、資産価値が下がるリスクがあります。

 

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断熱等級5の基準と数値|UA値・ηAC値を地域別に解説

断熱等級は、主に「UA値(外皮平均熱貫流率)」と「ηAC値(イータエーシー:冷房期の平均日射熱取得率)」という2つの指標で評価されます。

UA値(ユーエー値): 家の熱がどれくらい外に逃げやすいかを示す数値。屋根や外壁、窓などの「外皮」全体からの熱の逃げやすさを表し、数値が小さいほど断熱性能が高い(熱が逃げにくい)。
ηAC値(イータエーシー値): 夏場に太陽の熱がどれくらい家の中に入り込みやすいかを示す数値。数値が小さいほど日射を遮る性能が高く、冷房が効きやすい。

地域区分別の基準値【一覧表】

日本は南北に長く、地域によって気候が全く異なります。

そのため、省エネ基準では全国を1〜8の「地域区分」に分け、それぞれの気候に合わせた基準値を設定しています。

断熱等級5をクリアするために必要な各地域のUA値・ηAC値の基準は以下のとおり。

地域区分 主な該当エリア UA値の基準 ηAC値の基準
1・2地域 北海道など 0.40 以下 基準なし
3地域 青森、岩手、秋田など 0.50 以下 基準なし
4地域 宮城、山形、福島、長野など 0.60 以下 3.0 以下
5地域 茨城、栃木、新潟など 0.60 以下 3.0 以下
6地域 東京、大阪、愛知、福岡など 0.60 以下 2.8 以下
7地域 鹿児島、宮崎など 0.60 以下 2.7 以下
8地域 沖縄など 基準なし 6.7 以下

多くの人口が集中する6地域(東京・大阪などの都市部)では、UA値「0.60以下」が断熱等級5のボーダーラインですね。

ZEH基準との関係

「断熱等級5の基準」=「ZEH(ゼッチ)の外皮基準」と同じ水準です。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス):高断熱化と省エネ設備の導入により、生活で消費するエネルギーと太陽光発電などで創るエネルギーの収支をゼロ以下にする住まいのこと。

これまで「ZEH基準の断熱性」として高く評価されていたUA値が、2022年4月の制度改正によってそのまま「断熱等級5」に。

つまり、断熱等級5を取得するということは、国が推奨するエコ住宅(ZEH)と同等の高い断熱性能といえます。

断熱等級4との違い【比較表】

断熱等級4と、新設された断熱等級5では、性能にどれくらいの差があるのでしょうか。

「6地域(東京・大阪など)」を例に比較すると以下のとおり。

項目 断熱等級4 断熱等級5(ZEH水準)
施行時期 1999年(平成11年基準) 2022年4月新設
UA値(6地域) 0.87 以下 0.60 以下
断熱性能のイメージ これまでの一般的な省エネ住宅 魔法瓶のように熱を逃がさない家
冷暖房効率 一般的 高い(光熱費を削減)

UA値の基準が「0.87」から「0.60」と厳しくなっていて、「熱の逃げにくさ」が約30%も向上しています。

これからの家づくりにおいて快適性と資産価値を保つためには、断熱等級5以上を確保することがスタンダードですね。

 

断熱等級5にするための条件|断熱材・窓の仕様

快適な温度を保つためには、上下左右すべての面から熱の出入りを防ぐ必要があります。

部位別の断熱材の目安は以下のとおり。

断熱等級5_仕様
※省エネ基準が断熱等級4、ZEH基準が断熱等級5を示す

出典:「省エネ基準を満たすためのお勧め建材ガイド」及び「ZEHのつくり方」

壁の断熱

面積が最も広いため、確実な施工が求められます。

たとえば、高性能グラスウールなら 90mm〜105mm 程度、吹付硬質ウレタンフォームなら 75mm〜90mm 程度の厚みが必要です。

天井(屋根)の断熱

暖かい空気は上へ逃げ、夏場は屋根から強烈な日射熱が降り注ぐため、実は壁よりも分厚い断熱材が必要。

たとえば、高性能グラスウールであれば、壁の約1.5〜2倍にあたる 160mm〜200mm 以上を敷き詰めるのが一般的です。

床(基礎)の断熱

床断熱は、冬場の足元の「底冷え」を防ぐための要。

たとえば、水や湿気に強い押出法ポリスチレンフォーム(XPS)などのボード系断熱材を、床下や基礎コンクリートに 65mm 以上施工します。

窓(サッシ)の仕様

住まいの熱の出入りのうち、半分以上(冬場は約58%、夏場は約73%)は窓から。

窓の性能アップはコスパの高いポイントです。

  • サッシ枠: アルミ樹脂複合サッシ、または オール樹脂サッシ
  • ガラス: Low-E(ローイー)複層ガラス + アルゴンガス封入

窓枠が熱を伝えない「オール樹脂サッシ」を採用すれば、結露のリスクも大幅に軽減できます。

 

断熱等級5にかかる費用|等級4との差額は?

一般的な戸建て住宅(延床面積30〜35坪)の場合、断熱等級4から等級5(ZEH水準)にするための追加費用は、約50万円〜100万円が目安とされています。

主なコストは以下のとおり。

  • 窓のグレードアップ(+約30〜60万円): 一般的なアルミサッシから、Low-E複層ガラス+樹脂(複合)サッシへの変更。
  • 断熱材の強化(+約20〜40万円): 断熱材の厚みアップや、より高性能な素材への変更。

追加費用は「補助金・優遇制度」と「光熱費」で回収

「100万円も高くなるなら等級4のままでいい」

断熱等級5(ZEH水準)は国が標準化を推進しているため、経済的なメリットもあります。

  1. 補助金の活用:国や自治体の省エネ住宅向け補助事業の要件を満たすと、数十万円〜100万円規模の補助金を受け取れる可能性あり。
  2. 住宅ローン減税の優遇:「ZEH水準の省エネ住宅」として認定されれば、フラット35などの金利を下げるすることも可能。
  3. 毎月の光熱費削減:冷暖房効率が良くなるため、電気代などの家計負担が減少。

 

断熱等級5のメリット

断熱等級5のメリットは以下のとおり。

  • 健康リスクの軽減(ヒートショック対策)
  • 将来の資産価値を維持

健康リスクの軽減(ヒートショック対策)

暖房の効いたリビングと、冷え切った廊下や脱衣所の「温度差」が小さくなります。

これにより、冬場に多発するヒートショック(急激な温度変化による心筋梗塞などの健康被害)のリスクを軽減できます。

将来の資産価値を維持

国は、遅くとも2030年までにはこの「ZEH基準(等級5)」を新築の最低基準に引き上げる目標を掲げています。

いま低い基準で家を建ててしまうと、将来売却や査定に出す際に「型落ちの性能」とみなされ、資産価値が落ちるでしょう。

 

断熱等級5のデメリット

断熱等級5のデメリットは以下のとおり。

  • 初期費用が高くなる
  • 「気密性(C値)」が低いと効果が半減する

初期費用が高くなる

建築時のコストが50万〜100万円ほど追加でかかります。

「気密性(C値)」が低いと効果が半減する

いくら断熱性能(UA値)を等級5に引き上げても、家にすきまが多く「気密性(C値)」が悪いと、そこから熱がどんどん逃げてしまいます。

断熱等級5の恩恵をフルに受けるためには、「高断熱」と「高気密」をセットで行える住宅会社を選ぶことが条件ですね。

 

まとめ

  • 断熱等級5とは、住宅の断熱性能を示す評価ランクのひとつ。
  • 断熱等級は、「UA値(外皮平均熱貫流率)」と「ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)」という2つの指標で評価される。
  • 断熱等級4から等級5にするための追加費用は、約50万円〜100万円が目安。
  • 断熱等級5のメリット
    • 健康リスクの軽減
    • 将来の資産価値を維持
  • 断熱等級5のデメリット
    • 初期費用が高くなる
    • 「気密性(C値)」が低いと効果が半減する

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